【映画コラム】 東映Vシネマ製作25周年記念作『25 NIJYU-GO』
2014年11月3日
ワケありの現金25億円に群がった25人の悪党たちによる強奪戦を描く、東映Vシネマ製作25周年記念作『25 NIJYU-GO』が公開中だ。
Vシネマ(ビデオ専用映画)とは、1989年に東映ビデオが立ち上げた「テレビの放送規定以上の迫力と刺激を持った、レンタルビデオ店でしか見られない映画の製作」を発端とするオリジナル映像作品の総称。バブルの時代に誕生し、レンタルビデオ店の普及とともに隆盛を極めた。
そして、テレビドラマや一般の映画とは一味違う、表現の自由さと緩さを武器に、反社会的だが魅力的なキャラクターの活躍を描くというパターンを確立。低予算故にアイデアや工夫が生まれ、若手映像スタッフの登竜門となり、“Vシネの帝王”と呼ばれた哀川翔、竹内力ら新種のスターも誕生した。
徹底的に“25”にこだわった本作は、悪徳刑事コンビ、現金を横領した公務員、やくざ、半グレ、ホステス、中国マフィア、謎の殺し屋…と、いかにもVシネマらしい多彩なキャラクターが登場するなど、クエンティン・タランティーノの『パルプ・フィクション』(94)をほうふつとさせるところもある。
演ずるは、本作が通算100本目の主演作となった哀川をはじめ、寺島進、竹中直人、大杉漣、石橋蓮司、小沢仁志と和義兄弟、波岡一喜ら、新旧のVシネマで活躍した俳優たち。監督は『静かなるドン』シリーズの鹿島勤と、25周年記念の“お祭り映画”にふさわしい顔ぶれをそろえた。
また、本作と同時期に、同じくバブル期に活躍したシルベスター・スタローン、メル・ギブソン、アーノルド・シュワルツェネッガー、ハリソン・フォードらが共演しているアクション映画『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』が公開されているのも興味深いところだ。(田中雄二)
-
2014年10月25日
【映画コラム】上質なミステリーが堪能できる『誰よりも狙われた男』 -
2014年10月18日
【映画コラム】二コール・キッドマンの独壇場 『グレース・オブ・モナ... -
2014年10月13日
【映画コラム】映画館で見る野球もまた乙なもの『ミリオンダラー・アーム』 -
2014年10月4日
【映画コラム】岡田准一起用で時代劇継承の可能性を示した『蜩ノ記』 -
2014年9月27日
【映画コラム】タイムトラベルを通して人生について考える『アバウト・... -
2014年9月20日
【映画コラム】猿の姿を借りて繰り広げられる“人間ドラマ”『猿の惑星:... -
2014年9月13日
【映画コラム】 新人女優、上白石萌音を発見するための映画『舞妓はレ... -
2014年9月6日
【映画コラム】“空飛ぶ密室サスペンス”『フライト・ゲーム』 -
2014年8月30日
【映画コラム】すごいぞ唐沢寿明!『イン・ザ・ヒーロー』 -
2014年8月23日
【映画コラム】頻発する異常気象への不安と恐怖を反映させた『イントゥ... -
2014年8月16日
【映画コラム】無名の男が見せる一世一代の晴れ舞台 『太秦ライムライト』 -
2014年8月9日
【映画コラム】のび太のラブストーリーと友情の物語 『STAND BY ME ド... -
2014年8月2日
【映画コラム】佐藤健は“剣豪スター”になれる! 『るろうに剣心 京都... -
2014年7月26日
【映画コラム】ゴジラを“荒ぶる神”として描いた『ゴジラ GODZILLA』 -
2014年7月19日
【映画コラム】最後まで謎が解明されない不条理劇『複製された男』 -
2014年7月12日
【映画コラム】 映画の“撮り直し”を生かした『オール・ユー・ニード・... -
2014年7月5日
【映画コラム】映画で楽しむ“サッカーワールドカップ” -
2014年6月28日
【映画コラム】もはやSFとは呼べない『her/世界でひとつの彼女』... -
2014年6月16日
【映画コラム】山によって生きる力を得る人々を描く『春を背負って』
