【映画コラム】絶望ではなく希望を感じさせる『きっと、星のせいじゃない。』
2015年2月21日

(C)2014 TWENTIETH CENTURY FOX

 全米で大ヒットを記録した青春映画『きっと、星のせいじゃない。』が20日から公開された。

 17歳のヘイゼル(シャイリーン・ウッドリー)は末期のがん患者。今は奇跡的に薬が効き小康状態にあるが、学校にも行けず、友だちもなく、酸素ボンベが手放せない。ある日ヘイゼルは、両親に言われていやいや参加したがん患者の集会で、骨肉腫で片脚を切断した18歳のガスことオーガスタス(アンセル・エルゴート)と出会う。

 主人公はがんに侵された若い男女とくれば、よくあるお涙頂戴のメロドラマと思われがちだが、本作はさにあらず。明るく、前向きに、皮肉とユーモアも交えて、ヘイゼルとガス、そしてガスの親友のアイザック(ナット・ウルフ)の恋と友情を、みずみずしいタッチで描いている点に好感が持てる。

 タイトルが示す通り、若い彼らが、理不尽な運命を必死になって受け入れ、限られた時間の中で生を全うしようとする姿に胸を打たれるからだ。がんに侵された者を描きながら、見る者に絶望ではなく希望を感じさせる映画になっている。

 そんな本作は、ジョン・グリーンが16歳で亡くなった少女をモデルに書いたベストセラー小説『さよならを待つふたりのために』を、ほろ苦いラブコメディーの佳作『(500)日のサマー』(09)の脚本コンビが脚色し、新鋭のジョシュ・ブーンが監督した。

 それだけに「虹を見たければ、雨は我慢すべき」「生きていれば傷つくこともあるけれど、相手は選べる。君に傷つけられたら本望だ」など含蓄のあるせりふがどんな場面で登場するかも見どころとなる。

 また、ウッドリーとエルゴートは『ダイバージェント』(14)では兄妹役を演じた若手の注目株。特に本作のショートヘアのウッドリーはとてもキュートに映る。ヘイゼルの母親役のローラ・ダーン、物語の鍵を握る謎の作家役のウィレム・デフォーと、ベテラン俳優がしっかりと脇を固めているのもいい。(田中雄二)

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