【映画コラム】人気アトラクションから誕生した『ジャングル・クルーズ』
2021年7月29日
ディズニーランドでおなじみの人気アトラクションから誕生したアクションアドベンチャー『ジャングル・クルーズ』が公開された。
20世紀初頭、アマゾンのジャングルの奥深くに、“不老不死の花”を手にした者は永遠の命を得るという伝説があった。イギリスの植物博士リリー(エミリー・ブラント)は、不老不死の花を求めてアマゾンへと旅立つ。
リリーは、観光客相手にガイドしているクルーズ船「ラ・キーラ号」の船長フランク(ドウェイン・ジョンソン)を雇って、ジャングルの奥地に向かうが、ドイツ帝国の王子やジャングルにとらわれた男たちとの、不老不死の花を巡る争奪戦に巻き込まれる。
本作の監督は、スペイン出身のジャウム・コレット=セラ。リーアム・ニーソンとコンビを組み、『アンノウン』(11)『フライト・ゲーム』(14)『ラン・オールナイト』(15)『トレイン・ミッション』(18)といった秀作アクションを手掛けてきただけに、今回も特撮を駆使しながら小気味のいいアクション作として仕上げている。
さて、ディズニーアトラクションの“本家”ジャングルクルーズの方は、1955年の米ディズニーランドのオープンと同時に作られたようだが、その基になったのは、小型蒸気船「アフリカの女王号」の船長(ハンフリー・ボガート)とアフリカの奥地で布教活動をするイギリス人女性(キャサリン・ヘプバーン)が、川下りをしながらドイツ軍と攻防を繰り広げる、ジョン・ヒューストン監督の『アフリカの女王』(51)だろう。
これは、今回の映画の設定やジョンソンとブラントのキャラクターにも大きく影響を与えていると思われるので、DVDなどで『アフリカの女王』を見てみるのも一興だ。また、ジョンソンは、今回は製作も兼ねているので、弱みを見せたり、駄じゃれを連発する姿を見せるなど、新たな一面を示している。いつもは不死身の“ザ・ロック”の意外な一面も見ものだ。(田中雄二)
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