【映画コラム】少女が主人公の対照的な映画『炎の少女チャーリー』『メタモルフォーゼの縁側』

2022年6月17日 / 09:00

『炎の少女チャーリー』38年ぶりに新解釈で再映画化(6月17日公開)

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 1984年に、当時8歳だったドリュー・バリモアの主演で映画化されたスティーブン・キングの小説『ファイアスターター』を、38年ぶりに新解釈で再映画化。

 不思議なパイロキネシス(自然発火)の力を持つ少女チャーリー(ライアン・キーラ・アームストロング)。その能力は成長するにつれて覚醒し始め、10代を迎える頃には感情の揺らぎに呼応して暴走するようになり、チャーリー本人も制御ができなくなっていった。

 父のアンディ(ザック・エフロン)は、娘の能力を必死で隠し続けるが、チャーリーの存在を知った政府の秘密組織が、彼女を軍事利用するために追手を差し向ける。

 チャーリーと両親との関係、秘密組織の工作員レインバード(マイケル・グレイアイズ)の役割など、本作の人物設定は、84年版よりも丁寧に行っている印象を受けたし、ストーリーも整理されていた。

 また、84年版よりも、チャーリーの屈折を掘り下げ、同じく思春期の少女を主人公にした、キング原作の『キャリー』(76・13)をほうふつとさせるところもあった。監督はキース・トーマス。

 ただ、『E.T.』(82)と84年版で、天才子役とうたわれたバリモアが、その後、薬物・アルコール依存症などで身を持ち崩したのは有名な話(その後、立ち直り、大人の女優として活躍中)。

 もともとチャーリーは役柄自体も不気味だが、例えば、『エクソシスト』(73)で悪魔に取りつかれたリーガンを演じたリンダ・ブレアが、同じようにドラッグで身を持ち崩したことを考えると、こういう役は、ある意味“呪われた役”だともいえる。今後、本作のアームストロングにバリモアやブレアのような不幸が訪れないことを願うのみだ。

 また、84年版の製作者は、イタリアのディノ・デ・ラウレンティスだったが、本作の製作の一人にラウレンティスの名(恐らく一族)を見つけたのと、音楽を84年版で監督を降りたジョン・カーペンターが担当していたのには驚いた。

 
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