【週末映画コラム】ミュージカルとしてリメークされた『カラーパープル』/巨大マスコットが人を襲うギャップが面白い『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』
2024年2月9日
『カラーパープル』(2月9日公開)

(C)2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
20世紀初頭から1940年代、横暴な父によって望まぬ結婚をさせられたセリー(ファンテイジア・バリーノ)は、夫のミスター(コールマン・ドミンゴ)によって最愛の妹ネティ(ハリー・ベイリー)と引き離されたばかりか、夫から不当な扱いを受け続ける。
だが、歌手のシャグ(タラジ・P・ヘンソン)や、義理の息子の嫁ソフィア(ダニエル・ブルックス)との出会いによって、セリーは自立に目覚め、自分を変えていこうとする。
スティーブン・スピルバーグ監督が、アリス・ウォーカーの同名小説を映画化した86年作を、舞台版に続いて、スピルバーグが製作総指揮を務めてミュージカルとしてリメーク。監督はブリッツ・バザウレ。
スピルバーグがシリアスな題材の映画に初挑戦し、ウーピー・ゴールドバーグがセリーを演じたオリジナルは、黒人女性の年代史、あるいは一人の女性の成長、自立の物語として素晴らしい出来の映画だったが、アカデミー賞では11部門にノミネートされながら無冠に終わった。
今から思えば、当時はこうしたテーマに対して、人々の意識が今ほど成熟してはいなかったのだろう。その意味では、早過ぎた映画だったともいえる。もちろん、この映画を見る前にオリジナルを見ることが必須ではないが、どちらも見てみれば、こうした問題に対する意識や時代の変化をさらに深く知ることができる。
さて、37年の月日を経てミュージカルとして生まれ変わった本作は、ゴスペルを基調としたクインシー・ジョーンズ製作総指揮の音楽に乗って繰り広げられるキャスト全員の歌と踊りが見事で、テーマ性もさらに深まった感があったが、オリジナルにも増して強調された“神の存在”が、いまひとつピンとこなかった。
さりげない描写がかえって感動的だったオリジナルのラストシーンに比べると、全ては神のおかげと歌い上げる今回のラストは、キリスト教への思い入れや知識がない自分にとっては、違和感が残ったのは否めない。
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