エンターテインメント・ウェブマガジン
単なる役割の問題です。自分は兄と約束した家のことがある。それは自分にしかできないことだけど、下の弟2人は、大きくなったら藩のため、世のために外で働いてこいと。だから、「信吾ばかり外に出やがって」みたいな気持ちではありません。信吾が武勇伝を語るような場面もありましたが、それも吉二郎は「大事な情報収集」ぐらいに考えていたのではないかと。
糸さんも園も、本当によくできた人たちです。(川口)雪篷(石橋蓮司)さんのせりふにもありましたが、家は“城”。吉二郎にとって家族が増えるということは、そこに仲間が加わるという心強さがあったのではないかと。ただ、雪篷さんはお酒ばかり飲んでいますけど(笑)。あと、忘れてはならないのが熊吉(塚地武雅)。いつも優しく支えてくれる熊吉がいなかったら、西郷家は成り立たなかったでしょう。あるとき、撮影が終わってふと見たら、ハンガーにボロボロの衣装が掛かっていたんです。思わず「これ、衣装ですか?」と聞いてみたら、それが熊吉の衣装でした(笑)。あんな衣装で支えてくれていたんだなぁと…。
柏木さんは、大河ドラマはもちろん、時代劇も初めてだったらしく、ものすごく緊張しているように見えたので、できるだけ話し掛けるようにしました。私が「平清盛」(12)で初めて大河ドラマに出演したのが、ちょうど今の柏木さんと同じ年ぐらいの頃。大河ドラマという大きな船に途中から乗るのはとても大変なことで、ものすごく緊張したんです。そのときの経験から、彼女の気持ちが理解できたので、なるべく話し掛けて、なじんでもらえるようにしました。
夫婦を演じる上で、できるだけヒントがほしかったので、現場ではなるべく「園」と声を掛けるようにしました。本番でも、アドリブで会話するときは何げなく「園」と呼び掛けてみたり…。そうすると、ふっと振りむいて「えっ?」という顔をしてくれるんです。そんな“遊び”のような部分から、夫婦の距離感を作っていった感じです。吉二郎の遺髪を手に園が涙を流すシーンでは、リハーサルの後、柏木さんが「渡部さん、髪触ってもいいですか?」と言ってきたこともありました。夫婦として過ごした時間は短かったですが、そんなふうに2人で信頼関係を作っていったおかげで、安心して西郷家を託すことができました。
(取材・文/井上健一)
ドラマ2024年11月24日
-朝廷の実権を握った道長は、剛腕な政治家だった亡き父・兼家(段田安則)に近づいているように見えたこともあります。以前、兼家との類似性について「やっていることは同じでも、出発点となる気持ちが違う」とお話しされていましたが、出家で一区切りついた … 続きを読む
ドラマ2024年11月23日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月17日に放送された第四十四回「望月の夜」では、3人の娘を天皇の后にした藤原道長(柄本佑)が、有名な「このよをば わがよとぞおもふ もちづきの かけたることも なしと思へば」という「望月の歌 … 続きを読む
映画2024年11月22日
『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(11月22日公開) 真面目な税務署員の熊沢二郎(内野聖陽)は、天才詐欺師の氷室マコト(岡田将生)の巧妙な詐欺に引っかかり大金をだまし取られてしまう。 熊沢は、親友で刑事の八木(皆川猿時)の … 続きを読む
舞台・ミュージカル2024年11月20日
-なるほど。では、公演が12月ということで、2024年の振り返りをお願いします。 今年は自分で掲げた目標に対しての成果も感じることができたので、充実した1年でした。これまではどこかで「やらされている」という感覚があって、自分の意志でできた … 続きを読む
ドラマ2024年11月17日
Q:合格に向けて、どのように勉強されたか教えてください。 早川 中3の2月に、予備試験を目指すぞって決めてからは、興味の赴くままがむしゃらに勉強してました。平日は、学校から帰ってきて、先ほどお話しした「伊藤塾」のオンライン授業を夜10時 … 続きを読む