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単なる役割の問題です。自分は兄と約束した家のことがある。それは自分にしかできないことだけど、下の弟2人は、大きくなったら藩のため、世のために外で働いてこいと。だから、「信吾ばかり外に出やがって」みたいな気持ちではありません。信吾が武勇伝を語るような場面もありましたが、それも吉二郎は「大事な情報収集」ぐらいに考えていたのではないかと。
糸さんも園も、本当によくできた人たちです。(川口)雪篷(石橋蓮司)さんのせりふにもありましたが、家は“城”。吉二郎にとって家族が増えるということは、そこに仲間が加わるという心強さがあったのではないかと。ただ、雪篷さんはお酒ばかり飲んでいますけど(笑)。あと、忘れてはならないのが熊吉(塚地武雅)。いつも優しく支えてくれる熊吉がいなかったら、西郷家は成り立たなかったでしょう。あるとき、撮影が終わってふと見たら、ハンガーにボロボロの衣装が掛かっていたんです。思わず「これ、衣装ですか?」と聞いてみたら、それが熊吉の衣装でした(笑)。あんな衣装で支えてくれていたんだなぁと…。
柏木さんは、大河ドラマはもちろん、時代劇も初めてだったらしく、ものすごく緊張しているように見えたので、できるだけ話し掛けるようにしました。私が「平清盛」(12)で初めて大河ドラマに出演したのが、ちょうど今の柏木さんと同じ年ぐらいの頃。大河ドラマという大きな船に途中から乗るのはとても大変なことで、ものすごく緊張したんです。そのときの経験から、彼女の気持ちが理解できたので、なるべく話し掛けて、なじんでもらえるようにしました。
夫婦を演じる上で、できるだけヒントがほしかったので、現場ではなるべく「園」と声を掛けるようにしました。本番でも、アドリブで会話するときは何げなく「園」と呼び掛けてみたり…。そうすると、ふっと振りむいて「えっ?」という顔をしてくれるんです。そんな“遊び”のような部分から、夫婦の距離感を作っていった感じです。吉二郎の遺髪を手に園が涙を流すシーンでは、リハーサルの後、柏木さんが「渡部さん、髪触ってもいいですか?」と言ってきたこともありました。夫婦として過ごした時間は短かったですが、そんなふうに2人で信頼関係を作っていったおかげで、安心して西郷家を託すことができました。
(取材・文/井上健一)
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