「第38回の台本を読んだときは、つらくて泣いてしまいました」柏木由紀(西郷園)【「西郷どん」インタビュー】

2018年10月14日 / 20:55

 新政府軍と旧幕府勢力が激突した戊辰戦争。その戦いは、西郷吉之助(鈴木亮平)の故郷・薩摩で暮らす女性たちとも無縁ではない。その1人が、西郷家の次男・吉二郎(渡部豪太)の妻・園だ。戊辰戦争で命を落とした吉二郎の遺志を継ぎ、西郷家を支えていくこととなる。演じるのは、鹿児島県出身で人気アイドルグループAKB48のメンバーとして活躍する柏木由紀。夫・吉二郎との悲しい別れを経験した第38回の舞台裏、西郷園という役に込めた思いなどを聞いた。

西郷園役の柏木由紀

-第38回は園の夫・吉二郎が亡くなる悲しいエピソードでした。台本を読んだときの感想は?

 その場面がくることは、撮影中も頭の片隅にありましたが、実際に台本を読んだら、とてもつらくて泣いてしまいました。しかも、台本を頂いたのは撮影の1カ月ぐらい前だったのですが、毎日寝る前に繰り返し読んでいたら、朝晩つらい気持ちになってしまって…。他のお仕事をしていても、そのことがずっと頭から離れず、大変でした。とはいえ、そんな中にも、薩摩隼人らしく「戦(いくさ)働きがしたい」という吉二郎さんのカッコよさを感じて、園はこの人と一緒になることができて幸せだったろうなと、改めて思いました。

-実際に演じてみていかかでしたか。

 台本を読んでいるときは、正直、気持ちが追いつかず、「戦に出たいという旦那さんの背中を、こんなふうに押せるものかな?」と思っていました。だけど、撮影のときに吉二郎さんの顔を見て、「自分も戦に行きたい」という思いを知ったら、「この人が勇気を出して初めてやりたいと言ったことを応援できるのは、自分しかいない」という気持ちが自然と湧いてきました。なので、亡くなったときも、「自分が送り出してしまった」という後悔よりも、「よく頑張りました。お疲れさまでした」という感情があふれてきました。

-改めて、故郷・鹿児島に縁のある作品で大河ドラマ初出演を飾った感想は?

 放送が始まる前から、地元がものすごく盛り上がっていることを知っていて、私も第1回から放送を見ていたんです。そんな作品に出演できるとは思ってもいなかったので、お話を頂いたときはとても驚きましたが、やっぱりうれしかったです。西郷園という役も、昔から母や周りの人たちを見て感じていた“薩摩おごじょ”らしい理想の女性だなという印象を受けました。

-理想の女性ということで、園に共感する部分も多いのでしょうか。

 多いです。嫁いできた以上は西郷家の役に立ちたいという気持ちを持って演じていますが、私自身もみんなを引っ張っていくより、他の人を応援したり、手伝ったりする方が性格的に合っています。だから、演じていて無理をしている感じがしません。

-テレビで見ていた西郷家の中に入ってみた感想は?

 最初にセットに入ったときは「ああ…西郷家だ…!」と、感極まるものがありました(笑)。他の皆さんは既に1年ぐらい撮影されている中に加わるので、とても緊張していたのですが、皆さんが明るく入りやすい雰囲気を作ってくださったおかげで、自然となじむことができました。今はとても楽しく撮影させていただいています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

 毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

 韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。  地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む

「光る君へ」第四十三回「輝きののちに」若い世代と向き合うまひろと道長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。  病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む

「ローマの共和制の問題点は、今の世界が直面している数々の問題と重なる部分が多い」『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』コニー・ニールセン【インタビュー】

映画2024年11月15日

 古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、剣闘士(グラディエーター)として壮絶な戦いに身を投じる男の姿を描いたスペクタクルアクション『グラディエーター』。巨匠リドリー・スコットが監督し、アカデミー賞で作品賞や主演男優賞など5 … 続きを読む

Willfriends

page top