「初めての大河ドラマ出演で自信がつき、また呼んでいただけるように頑張ろうと励みにもなりました」北川景子(天璋院(篤姫))【「西郷どん」インタビュー】

2018年9月30日 / 21:00

 薩摩の姫として生まれながら、第13代将軍・徳川家定(又吉直樹)に輿入れし、家定亡き後は徳川家のために尽くしてきた天璋院(篤姫)。新政府軍の江戸総攻撃を阻止し、徳川家を守るため、かつての家臣・西郷吉之助(鈴木亮平)と12年ぶりの再会を果たすこととなった。第37回でクランクアップを迎えた北川景子が、西郷との再会の裏話、初めての大河ドラマ出演を終えた今の心境を語ってくれた。

天璋院/篤姫役の北川景子

-西郷とは久しぶりの再会となりました。当時の天璋院の心境は?

 今回は12年ぶりの再会ですが、江戸城と徳川家を守るため、そのお願いをするということで、政治的に複雑な立場での再会となりました。そんな立場でなければ、もっと楽しい再会になったことでしょう。とはいえ、天璋院は西郷のことを、同じ時代を一生懸命に生き抜いてきた同志だと思っているので、再び話ができたことに少なからず感慨深い思いを抱いたに違いありません。

-久しぶりに鈴木亮平さんと共演した感想は?

 鈴木さんとお稽古させていただいたとき、立場など全てのことを抜きにして、再会を懐かしむ気持ちが湧いてきました。そこで、その気持ちを視聴者の皆さんにも伝えられたらと思いながら演じました。鈴木さん自身も、最初に鹿児島ロケでご一緒したときからまだ1年もたっていないのに、ものすごく精悍(せいかん)になり、すっかり大人っぽく、たくましい西郷さんに変わっていて…。その姿から、今まで大変な撮影を幾つも乗り越えてきた様子が伝わってきました。

-前回の登場から、天璋院としての時間の経過をどのように意識しましたか。

 私が出演させていただくときは、鹿児島で於一(天璋院の幼名)をやっていたと思ったら、翌月には輿入れして御台所(将軍の正室)になるなど、今までも1話で1年や3年という時間が進んでいたんです。出演するたびに身なりもどんどん変わっていくので、1人のキャラクターとして違和感のないように皆さんに見ていただくことが、自分にとっての一番の課題でした。今回も「12年たったら別人のように変わり、以前とつながらない…」と思われないように、その間、篤姫にどんなことがあったのか、歴史を勉強した上で想像力を働かせ、役を膨らませていきました。

-12年分の空白を埋める難しさはありましたか。

 今回は久しぶりの出演の上、西郷とも輿入れ以来の再会。どのぐらい大人にしたらいいのか、外見的なことも含めて非常に悩みました。声をどの程度低くするのか、かつらや着物でどれぐらい年齢を出すのか…。最終的には頭で考えたことよりも、鈴木さんとお稽古する中から生まれたものが残ったので、気持ちの部分が一番だったかなと思います。ただ、急に大人になって誰だか分からない…とならないようには気をつけました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

早見沙織「プレデターの新しい魅力をこの映画から感じていただけると思います」『プレデター:バッドランド』【インタビュー】

映画2025年11月19日

 未熟故に一族を追われた若きプレデターのデクは、生存不可能とされる最悪の地「バッドランド」に追放される。デクはその地で謎のアンドロイドの少女ティアと出会う。「プレデター」シリーズ中、初めてプレデター自身を主人公に据えて描いた『プレデター:バ … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】「ユミの細胞たち」の原作者、ウェブトゥーン作家イ・ドンゴン

インタビュー2025年11月17日

 韓国文化の“今”を再構築し続けるKカルチャー。今回は、デジタル空間で物語を紡ぐウェブトゥーンの世界に焦点を当てる。平凡な会社員ユミの頭の中で繰り広げられる細胞の物語――。2015年に連載を開始した「ユミの細胞たち」は、全512話で32億ビ … 続きを読む

尾上眞秀「お母さんやおばあちゃんが喜んでくれました」寺島しのぶの長男が舘ひろしとの共演で映画初出演『港のひかり』【インタビュー】

映画2025年11月14日

 日本海沿岸の小さな漁師町を舞台に、元ヤクザの漁師・三浦と目の見えない少年・幸太という、年の離れた孤独な2人の絆を描くヒューマンドラマ『港のひかり』が、11月14日から全国公開中だ。  主演に舘ひろしを迎え、『正体』(24)の俊英・藤井道人 … 続きを読む

『物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家の物語』(7)神々がすむ土地を語る

2025年11月14日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈  銭湯の湯け … 続きを読む

ハリウッド・リメイク決定!インド発ノンストップ・アクション!「日本の皆さんにも楽しんでいただけるはず」ニキル・ナゲシュ・バート監督『KILL 超覚醒』【インタビュー】

映画2025年11月13日

 40人の武装強盗団が、ニューデリー行きの特急寝台列車を襲撃! 刀を手に乗客から金品を奪う強盗団のリーダー、ファニ(ラガヴ・ジュヤル)は、大富豪タークルとその娘トゥリカ(ターニャ・マニクタラ)を人質に取り、身代金奪取をもくろむ。だがその列車 … 続きを読む

Willfriends

page top