【映画コラム】少女から大人の女優へ『メアリーの総て』『輪違屋糸里 京女たちの幕末』
2018年12月15日
今週は、少女から大人へと成長した2人の女優が主演した映画を紹介しよう。

(C)Parallel Films (Storm) Limited / Juliette Films SA / Parallel (Storm) Limited / The British Film Institute 2017
まずは、ゴシック小説の古典で“SFの祖”とも呼ばれる『フランケンシュタイン』を生み出したイギリスの女性作家メアリー・シェリーの波乱に満ちた半生を、エル・ファニング主演で映画化した『メアリーの総て』から。
19世紀初頭、小説家を夢見る少女メアリーは、妻子ある詩人パーシー・シェリーと出会い、駆け落ちをするが、乳児の娘を亡くすなど、さまざまな不幸に見舞われる。失意のシェリー夫妻を、詩人のバイロンが別荘に招待し、「皆で一つずつ怪奇談を書いて披露しよう」と持ち掛ける。
サウジアラビア出身のハイファ・アル=マンスール監督をはじめ、製作、脚本も皆女性。それ故、メアリーに共感を寄せながら、彼女の心情に焦点を当て、名作誕生の秘密を明らかにしていく。
そんな本作では、孤独、喪失、死、裏切りなどをキーワードに、メアリーが、ガルバニズム(生体電気)ショーに魅せられ、死者を蘇生させることに興味を持ったのは母と娘を失ったから、あるいは、男(夫)への幻滅や絶望感が怪物(自分)を生み出した科学者像に反映されていると推理するなど、興味深い考察がなされている。
そうしたメアリー像を、堂々たる演技で表現したエルは現在20歳。四つ年上の姉ダコタ・ファニングと共に子役として活躍した後、『マレフィセント』(14)のオーロラ姫役で美しく成長した姿を見せ、観客を驚かせた。
本作は、昨年、ソフィア・コッポラ監督の『The Beguiled ビガイルド/欲望のめざめ』(17)に続いて撮影されたので、エルは、主人公のメアリーとほぼ同い年でこの難役を演じたことになる。
エルは「今の世の中だからこそ、彼女の特別な物語をみんなに知ってもらうべきだと思った。だからこの役を絶対に演じたいと思った」と明かしている。
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