【映画コラム】あくまでスピンオフとして楽しむべきなのか…『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』

2018年6月30日 / 16:50

 愛機ミレニアム・ファルコン号で銀河を疾走する伝説のヒーロー、ハン・ソロ。『スター・ウォーズ』シリーズ屈指の人気を誇る彼は、いかにしてグッド・バッド・ガイ(=愛すべき悪党)となったのか。ルークとレイアに出会う以前の、若きソロ(オールデン・エアエンライク)の知られざる過去を描いた『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』が公開された。

(C)2018 Lucasfilm Ltd. All Rights reserved

 監督のロン・ハワードは、『スター・ウォーズ』の生みの親であるジョージ・ルーカスとは、俳優と監督として『アメリカン・グラフィティ』(73)で、監督と製作者として『ウィロー』(88)で共に仕事をしている。今回は途中から監督を引き継いだだけに、ルーカスとの縁や運命的なものも感じたという。

 脚本は新旧の『スター・ウォーズ』シリーズに関わるローレンスとジョナサンのカスダン父子が担当し、ソロと相棒のチューバッカ(ヨーナス・スオタモ)、あるいは悪友ランド・カルリジアン(ドナルド・グローバー)、そしてミレニアム・ファルコン号との出会いといった、旧作のファンにとっては興味深いエピソードを新たに創作した。

 それらに加えて、ソロの幼なじみの謎の女性キーラ(エミリア・クラーク)、ソロの師となるベケット(ウディ・ハレルソン)など、新たなキャラクターも登場する。ハワード監督は「カスダン父子が、新旧のキャラクターをうまくつなげた」と語っている。

 ところで、『スター・ウォーズ』の根底には、もともと黒澤明監督の映画や西部劇からの引用があるのだが、本作も、ソロが披露する華麗なガンプレーをはじめ、主人公はさすらいのアウトロー、彼の師となる者の存在、友情と裏切り、“宝”の奪い合い、形を変えた列車強盗など、西部劇を思わせるところが多々ある。

 ハワード監督は「最初に脚本を読んだときからそう感じた」と語り、エアエンライクも「脚本から、彼らが古き良きハリウッド映画をとても愛していることが伝わってくるはず。この映画のベケットとハン・ソロの関係は、『ワイルドバンチ』(69)や『荒野の七人』(60)、あるいは『明日に向って撃て!』(69)などをほうふつとさせるようなところがある」と語る。つまり、こうした作劇法はカスダン親子の仕業なのだ。

 さらにハワード監督は「今回は、1960~70年代のアメリカのクライム物、例えばスティーブ・マックィーンの『ブリット』(68)のように、西部劇的な感じがするけれど、車を使ってそれを表現するような映画を参考にした。今回は、そうした映画や、西部劇、黒澤映画、初期のスター・ウォーズの要素と、70年代のアメリカンロックンロールのような感覚を一緒にしてみたかった」と明かす。“何でもあり”と感じさせる本作の多様性の源はこんなところにあるのだろう。

 
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