【映画コラム】良くも悪くも“劇映画”になっている『検察側の罪人』

2018年8月25日 / 15:48

 俳優に目を移すと、キムタクが己のスタイルの打破に苦労している感があるのに対して、二宮には“ベビーフェース”のマイナスを逆手に取ってプラスに転化させる、いい意味でのしたたかさがあると感じた。『硫黄島からの手紙』(06)ではクリント・イーストウッド、『母と暮せば』(15)では山田洋次。両巨匠をうならせただけのことはあるということか。

 2人の他は、闇のブローカー役で怪演を見せた松重豊、刑事役を渋く演じた谷田歩が印象に残る。こうした脇役を目立たせるという点では、原田監督のこだわりが生きるのだ。

(田中雄二)

  • 1
  • 2
 

Willfriends

page top