【映画コラム】映画作りへの愛と映画の力を信じる心を描いた『キネマの神様』と『サマーフィルムにのって』

2021年8月5日 / 07:15

「映画って、スクリーンを通して今と過去をつないでくれるんだと思う」『サマーフィルムにのって』

(C)2021「サマーフィルムにのって」製作委員会

 時代劇オタクで勝新太郎を敬愛する高校3年生のハダシ(伊藤万理華)は、映画部に所属しながら、時代劇が撮れずにくすぶっていた。そんなある日、自分が脚本を書いた時代劇の侍役にぴったりの凜太郎(金子大地)を見つけたハダシは、仲間を集めて時代劇「武士の青春」を撮り始めるが…。

 監督のハダシをはじめ、主演の凛太郎、撮影のビート板(河合優実)、殺陣のブルーハワイ(祷キララ)、助演のダディボーイ(板橋駿谷)、録音と音声の駒田(小日向星一)と増山(池田永吉)、照明の小栗(篠田諒)という、寄せ集めだが個性的な七人の仲間たち。そんな彼らが映画を作る楽しさを体現し、見ているこちらも、彼ら一人一人が愛おしく思えてくる。

 監督・脚本の松本壮史と脚本の三浦直之は、恋と友情、時代劇、SF、学園ドラマといった、さまざまな要素を混在させながら、ハダシの「映画って、スクリーンを通して今と過去をつないでくれるんだと思う」という言葉に代表されるように、端々に映画への愛を表している。そして、この映画の場合は、自主製作映画のようなノリがかえって効果的だったし、見事な青春映画になっているところにも好感が持てた。(田中雄二)

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