【映画コラム】第三部への布石『エイリアン:コヴェナント』
2017年9月16日

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 『エイリアン』シリーズ新三部作の第二作『エイリアン:コヴェナント』が公開された。

 人類の移住計画を託された宇宙船コヴェナント号は、人類の新たな楽園となり得る未知の惑星にたどり着く。だが、そこには想像を絶する生物が存在し、乗組員たちは星からの脱出を試みるが…。

 本作は、リドリー・スコット監督が、前作の『プロメテウス』(12)と初代『エイリアン』(79)との間に時代を設定し、不気味かつ衝撃的な映像を駆使してサスペンスを盛り上げるという得意技を披露する。

 さらに、マイケル・ファスベンダー扮(ふん)するアンドロイドの役割、エイリアンの起源などを明らかにし、第三部への布石としているが、新たなヒロインとなったダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)の存在も含めて、次作で、どのようにして最初の『エイリアン』につないでいくのか、という興味が湧く。もっとも、『スター・ウォーズ』シリーズ同様、散々大騒ぎした揚げ句、結局は本卦(ほんけ)還りをするだけなのかもしれないが…。

 ところで、1979年に公開されたスコット監督の『エイリアン』は、大型宇宙船内という閉鎖された空間に入り込んだ異星人(エイリアン)と乗組員たちの壮絶な闘いを描いた。そして「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない」というキャッチコピー通りの、SF密室サスペンスの傑作となり、以降、シリーズ化されたが、スコットは監督していない。

 それがなぜ、30年余りの時を経て、自ら新三部作を撮る気になったのだろうか。ちなみに、スコット監督のもう一つの代表作『ブレードランナー』(82)の続編に当たる『ブレードランナー2049』も10月27日から公開されるが、こちらは製作総指揮に回り、監督は『メッセージ』のドゥニ・ビルヌーブに任せている。そのあたりの心境を本人に聞いてみたい気もする。(田中雄二)

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