【映画コラム】夏にちなんだ異色ホラーを紹介『オブセッション 災愛』『ユースフル・ゴースト』『だぁれかさんとアソぼ?』
2026年7月24日
今夏は、ただ怖がらせるだけではなく、恋愛や社会風刺、青春ドラマなど異なるジャンルを巧みに掛け合わせた“異色ホラー”が目を引く。恐怖の中に笑いがあり、切なさがあり、現代社会への視線もある。そんな一筋縄ではいかない作品がそろった。

(C)2026 Focus Features LLC.
1本目はアメリカ映画『オブセッション 災愛』(7月17日公開)。孤独で内向的な青年ベア(マイケル・ジョンストン)は、思いを寄せるニッキー(インディ・ナバレッテ)に愛されたい一心で、願いをかなえる呪物「ワン・ウィッシュ・ウィロー」に手を出す。願いはかなったものの、ニッキーの愛情は次第に常軌を逸した執着へと変貌し、ベアを破滅へと追い詰めていく。
本作は、YouTube動画で注目を集めたカリー・バーカー監督の劇場映画デビュー作で、低予算ながらアメリカでヒットを記録した。原題の「Obsession(強迫観念)」が示す通り、恋愛感情が一歩間違えば狂気へと転じる恐ろしさを描いている。
願い事には必ず代償が伴うという古典的なモチーフを現代風にアレンジし、青春ラブストーリーのような空気から徐々にホラーへと変調していく演出が秀逸だ。
ユーモアと恐怖を交錯させることで生まれる違和感が、かえって観客の不安を増幅させるあたりには、どこかスティーブン・キングの作品を思わせる味わいもある。
優柔不断で気弱なベアを演じたジョンストン、憧れから恐怖の存在へと変貌するニッキーを演じたナバレッテの演技も見応え十分。ナバレッテは『ヘレディタリー/継承』(18)のトニ・コレットや『Pearl パール』(22)のミア・ゴスから役づくりのヒントを得たという。
-
2026年7月3日
【映画コラム】6月の公開映画から -
2026年6月26日
【映画コラム】『Michael/マイケル』から、マイケル・ジャクソンのMVを... -
2026年6月5日
【映画コラム】5月の公開映画から -
2026年5月18日
【映画コラム】角川映画50th ANNIVERSARY「角川映画祭」 -
2026年4月24日
【映画コラム】4月後半公開の映画から『人はなぜラブレターを書くのか』... -
2026年4月16日
【映画コラム】4月前半公開の映画から『俺たちのアナコンダ』『ハムネッ... -
2026年3月27日
【映画コラム】3月後半の映画から『プロジェクト・ヘイル・メアリー』『... -
2026年3月24日
【映画コラム】3月前半の公開映画から『私がビーバーになる時』『ウィキ... -
2026年2月28日
【映画コラム】2月後半の公開映画から『木挽町のあだ討ち』『レンタル・... -
2026年2月21日
【映画コラム】2月前半の公開映画から『ほどなく、お別れです』『クライ... -
2026年1月31日
【映画コラム】原作はリチャード・バックマン(スティーブン・キング)... -
2026年1月24日
【映画コラム】“異色裁判”映画『恋愛裁判』『MERCY マーシー AI裁判』 -
2025年12月28日
【映画コラム】「2025年映画ベストテン」 -
2025年12月20日
【映画コラム】時空を超えた愛の行方は『楓』『ビューティフル・ジャー... -
2025年11月29日
【映画コラム】実話を基に映画化した2作『ペリリュー -楽園のゲルニカ... -
2025年11月22日
【映画コラム】新旧監督の話題作が並んで公開に『TOKYOタクシー』『金髪』 -
2025年11月1日
【映画コラム】俳優同士の演技合戦が見ものの3作『爆弾』『盤上の向日葵... -
2025年10月17日
【映画コラム】初恋の切なさを描いた『秒速5センチメートル』と『ストロ... -
2025年9月27日
【映画コラム】海が舞台の『沈黙の艦隊 北極海大海戦』と『ラスト・ブレ...