【映画コラム】2月後半の公開映画から『木挽町のあだ討ち』『レンタル・ファミリー』『センチメンタル・バリュー』
2026年2月28日
『木挽町のあだ討ち』(2月27日公開)

(C)2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会
江戸時代後期のある雪の降る夜、芝居小屋「森田座」のすぐ横で、美しい若衆・菊之助(長尾謙杜)によるあだ討ちが成し遂げられた。
父親をあやめた博徒の作兵衛(北村一輝)を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙は多くの人々から賞賛された。
ところがその1年半後、菊之助の縁者だという総一郎(柄本佑)があだ討ちの顚末(てんまつ)を知りたいと芝居小屋を訪れる。
「疑う隙なんぞありはしない、あれは立派なあだ討ちでしたよ」と語り草となった大事件、しかしてその真相は…。
直木賞と山本周五郎賞を受賞した永井紗耶子の同名小説を源孝志監督が映画化。あだ討ちに始まり、聞き手と証言者(芝居小屋の人々)によって徐々に真実が明らかになるというミステリー仕立てが面白い。
その証言の中から、元幇間(ほうかん)の木戸芸者(瀬戸康史)、元武士の立師(滝藤賢一)、衣裳(いしょう)部屋の女形(高橋和也)、木彫師の小道具方(正名僕蔵)、元武士の戯作者=筋書(渡辺謙)という芝居小屋の人々の半生が浮かび上がる。
そこに彼らの菊之助への思いや芝居小屋への矜持(きょうじ)も加わる構成が見事。多彩な俳優たちの演技も含めて時代劇の魅力を存分に味わうことができる。
ちなみに木挽町は現在の歌舞伎座周辺の旧地名。銀座4丁目交差点辺りは昔は尾張町だった。子どもの頃、近所のお年寄りが銀座のことを尾張町だの木挽町だのと言っていたことを懐かしく思い出した。
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