エンターテインメント・ウェブマガジン
面白いと思いました。権力の頂点に上り詰めた人がどんどん駄目になっていく。巻狩りの最後(第23回)でも口にしていましたが、どこか天にも見放された気持ちになってきて、どんどん自分の犯してきた罪、とは言いたくないけれど、たくさんの人を排除してきた男が、そこに苦しめられていくというか。25回の頼朝は、精神分裂気味になってしまったのかなと思っていました。突然、巴御前(秋元才加)のところに行って、「義仲を討ったことは申し訳ない」って思っちゃった。でも、その気持ちも分かる気がしました。死ぬ直前に、今まで自分がやってきたことを謝りたくなる、みたいな。
好きに受け取ってほしいです(笑)。どう思われるんでしょうね。頼朝の倒す相手がいい人に描かれているから、その分、頼朝がものすごく悪く見えるので、「ひどい殺され方をしてほしい」なんてことも言われて(笑)。でも僕は、実にシンプルというか、頼朝の最期が素直に描かれていて、とっても面白いなと。25回で落馬した後の26回も三谷さんらしいですよね。ただ寝ているだけの頼朝の周りで、今後の鎌倉がどうなっていくのかという大事な話し合いが行われ、どんどん物語が動いていく。まさに劇作家・三谷幸喜の真骨頂というか。基本、三谷さんの舞台はワンシチュエーションですよね。一つの部屋があって、そこで何かが起きるのを描くのが上手な方だから。
頼朝の本当の最期は政子と2人で迎えましたけど、演出の保坂慶太さんが非常によく撮ってくれて、すごく美しいカットだったんです。小池栄子さんの熱演も素晴らしかった。とても印象に残っています。
こんなドラマとこんな役にはそうそう巡り合えないなと。とっても幸せだと思いましたね。こんな役を頂いて、三谷さんには感謝しかないです。
(取材・文/井上健一)
映画2025年12月5日
-戦場で、田丸が絵や漫画を描くことにどのような意味があったと思いますか。 功績係に任命された田丸には、もちろん何かを書き記すという使命感もあったでしょうが、いつ自分や仲間が命を落とすか分からない状況の中で、自分の世界の中で向き合えるものが … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月4日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
-雰囲気のいい現場だったようですね。 中でもしのぶさんは、「これはこういうことなのかな?」といった感じで、積極的に質問をされるんです。その上、「私、緊張しちゃう」などと、ご自身の気持ちを織り交ぜながら現場にいてくださるので、私も質問が … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
―確かにその通りですね(笑)。 ただ、大半は史実通りですが、(小田)新之助(井之脇海)とふく(=うつせみ/小野花梨)ととよ坊の一家、序盤に登場した蔦重の恩人の花魁・朝顔(愛希れいか)など、一部に私が創作したオリジナルキャラもいます。と … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月30日
今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む