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勘九郎 内容よりも、書かれている文字が金栗さんの性格をつかむヒントになりました。とても繊細で、小さな文字だったので…。揺れる列車の中で書いたため、読めないというのも本当の話です。
西村 それを読める熊本の方に、一枚ずつ文字に起こしていただいてから、スタッフが小道具としてリアルに書き直しています。勘九郎さんは芝居の前にそれを見て、「この日、(金栗さんの)お父さんの命日ですけど、大丈夫ですか?」などと話していました(笑)。
勘九郎 日本にいるときは、キャスト同士で食事をする機会はなかなかありませんが、ストックホルムでは、みんなで食事をしながら作品や芝居について話すことができたので、とても楽しかったです。ご飯もとてもおいしくて…。ただ、金栗さんは裸になる場面が多いので、おなかいっぱい、というわけにはいかなかったのですが(苦笑)。三島さんも川に入る場面があったので、斗真と2人で西村さんに「(川に入る場面を)前半に撮ってほしい。そうすれば、僕たちも思う存分食べられる」と直談判しましたが、駄目でした(笑)。
西村 現地ロケの後、日本に帰ってきたら、皆さんの間にものすごいグルーブ感が生まれていました。おかげでセットの撮影では、勘九郎さんも生田さんも、今までと全く違う表情が撮れたのではないかと思っています。
勘九郎 「とにかく一生懸命、命懸けで、オリンピックに初めて出場した金栗さんと三島さんを演じよう」と。第11回では、三島さんが短距離走に出場します。中でも、クライマックスの400メートル走は、実際に400メートルを走った後、倒れ込んで芝居をして、せりふを言うところまですべて一連で撮っています。「鬼のような撮影」と思いましたが、それを斗真は命懸けで演じていました。その姿に心から感動し、「マラソンもきちんとやらなければ」という気持ちにもなりました。きっと金栗さん本人も、同じように感じたはずです。ストックホルム編は第13回まで続きます。さらにとんでもないものが出来上がっているので、楽しみにしていてください。
(取材・文/井上健一)
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