「僕らなりに楽しめる歴史ドラマを作りたい。第8回は生田斗真くんが圧巻です」井上剛(チーフ演出)【「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」インタビュー】

2019年2月23日 / 14:57

-本作では、当時の日本橋の風景などをCGではなくミニチュアで再現しているようですが、その狙いは?

 CGのようなつるっとした映像ではなく、手作り感があった方が面白いだろうと。そこで、『シン・ゴジラ』(16)にも参加したVFXスーパーバイザーの尾上克郎さんに相談して、あの映像が出来上がりました。これまでミニチュアで再現された日本橋の風景が何度か登場していますが、今後も時代が移り替わっていく中で、日本橋がキーの場所になります。

-定点観測的な感じで日本橋の変遷を追っていくと?

 そうしたいと思っています。日本橋だけでなく、浅草にある12階建ての凌雲閣も、地面に近いところはセットですが、上の方は模型を合成しています。そういった街の表現にも注目していただければと。劇中には絵巻物のような東京の地図も登場しますが、あれは今のように東西南北を基準にしたものとは違い、隅田川が下で、真ん中に皇居、富士山が上にくるように描かれているんです。昔の人は、こういう地図を見て暮らしていたんだなと。時代に合わせて、それも変わっていく予定です。

-そういった工夫は、時代の空気感を表現するためですか。

 そうですね。第1回で平沢和重(星野源)がオリンピック招致のスピーチをしていましたが、あれは50年懸けてようやく世界を日本に迎えることができるという主旨です。当時、それぐらい日本は世界と遠かった。ヨーロッパから見て、日本がどれほど遠かったのかということも世界地図を使って表現して行くつもりです。そういう意味で、模型や地図は大事に使っていこうと考えています。

(取材・文/井上健一)

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