飯豊まりえ「舞台をやるなら、厳しい環境で勉強したいと思っていました」シェークスピアの名作に挑む思い『ハムレットQ1』【インタビュー】

2024年5月27日 / 17:00

 シェークスピアの四大悲劇の一つに数えられる『ハムレット』。三種類あるその原本のうち、戯曲の原型とも言われるQ1版を、松岡和子の新訳、森新太郎の演出で上演する。5月11日から公演中の東京・PARCO劇場を皮切りに、大阪、愛知、福岡で行われる公演で、吉田羊扮(ふん)する主人公ハムレットの恋人オフィーリアを演じるのは、「君と世界が終わる日に」、「岸辺露伴」シリーズなど、数々の人気ドラマで活躍する飯豊まりえ。シェークスピアの名作に挑む意気込みなどを聞いた。

飯豊まりえ(ヘアメイク:星野加奈子、スタイリスト:髙山エリ)(C)エンタメOVO

-まずは、出演が決まったときのお気持ちを教えてください。

 舞台は自分の中で「立ち入ってはいけない場所」のような感覚があり、今までほとんど経験してこなかったんです。でも今回は、演出が森新太郎さんでハムレットを吉田羊さんが演じられるとお聞きして、「挑戦してみたい!」と好奇心をかき立てられました。それに、最初に知ったシェークスピア作品が『ハムレット』で、以前から「ご縁があればシェークスピアの舞台をやってみたい」と思っていたので、とてもうれしかったです。

-森さんのどんなところに興味を引かれたのでしょうか。

 以前から「舞台をやるなら、厳しい環境で演劇を勉強したい」と思っていたんです。森さんについては「“千本ノック”と言われるほどお稽古が厳しい」といううわさを聞いていたのですが、自分の忍耐力を鍛えることができ、役をより深められる作業になるはず、とポジティブに捉えていました。瞬発力が求められるテレビドラマと違って、稽古を重ねて本番に臨む舞台は作品に向き合う時間も長いですし、森さんの演出でシェークスピアに挑むなら、この作品を愛しながら演じることができるのでは、と思いました。

-実際にお稽古に入ってみた印象はいかがですか。

 お稽古に入る前、本読みが1週間くらいあり、せりふを一つずつ確認しながら読み込むことができたのは、とてもありがたかったです。

-いい舞台に巡り合えたわけですね。

 といっても、実際にお稽古することで初めてわかることも多くて。ただ、森さんは「違った」と思えば「ごめん」とすぐに切り替え、可能性を一緒に探ってくださるんです。皆さんが持ってきたものを受け入れてくださる懐の深さもあって。その分、稽古場の風通しもよく、毎日「ここはこうしてみようか」と、みんなで作品を作っている感覚があります。お芝居のヒントになることも多く、いろんなことを試せるので、日々刺激的で楽しいです。

飯豊まりえ(C)エンタメOVO

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

水樹奈々「神様が与えてくださった新たなチャレンジの機会」女性狂歌師役で大河ドラマ初出演【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年6月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、快調に進行中。5月25日放送の第20回「寝惚(ぼ)けて候」で蔦重は、江戸で人気の“ … 続きを読む

芳根京子、6年ぶりの舞台出演「絶対に楽しい作品になるという自信がある」 「先生の背中~ある映画監督の幻影的回想録~」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年5月30日

 6月8日から開幕する「先生の背中~ある映画監督の幻影的回想録~」で、芳根京子が6年ぶりに舞台に挑む。本作は、映画監督として知られる行定勲が、中井貴一とともに昭和の映画界を演劇で描く舞台作品。日本映画界を代表する監督の一人である小津安二郎を … 続きを読む

【週末映画コラム】唯一無二の女優の生涯を追った『マリリン・モンロー 私の愛しかた』/老女版のミッション・インポッシブル『テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ』

映画2025年5月30日

『マリリン・モンロー 私の愛しかた』(5月30日公開)  ドラマや劇映画、ドキュメンタリーなど、今もさまざまな形でその生涯が描かれる女優マリリン・モンロー。この映画の監督イアン・エアーズは、10年以上にわたる調査とインタビューを経て完成させ … 続きを読む

奥平大兼、出口夏希、佐野晶哉、菊池日菜子、早瀬憩「みんながいやすい空気をつくってくれた」青春映画で共演の5人が舞台裏を振り返る『か「」く「」し「」ご「」と「』【インタビュー】

映画2025年5月29日

 自分に自信のない高校生の京は、同じクラスの「ヒロインよりヒーローになりたい」という人気者ミッキーに憧れながらも、親友のヅカがミッキーと幼なじみのため、“友だちの友だち”で満足していた。ところが、内気で繊細なエルの不登校をめぐり、京とミッキ … 続きを読む

「なんで私が神説教」第7話で活躍した期待の若手俳優・林裕太に注目!【コラム】

ドラマ2025年5月25日

 学園ドラマと言えば、若手俳優の登竜門。現在、第一線で活躍する人気俳優の多くも、若手時代に学園ドラマで生徒役を経験している。小栗旬、伊藤沙莉、松岡茉優、土屋太鳳、北村匠海など、名を挙げれば枚挙にいとまがない。いわば学園ドラマは「金の卵の宝庫 … 続きを読む

Willfriends

page top