連続テレビ小説「虎に翼」 主人公・佐田寅子を演じる伊藤沙莉からの新着コメント

2024年5月31日 / 12:00

 NHKの連続テレビ小説「虎に翼」。来週から主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)が裁判官を目指す、新たな展開を迎える。伊藤から第8週と9週の振り返りコメントが到着した。

(C)NHK

-8週は、伊藤さんから見てどんな週でしたか?

 寅子にとっては理想や夢が打ち砕かれて、試練と挫折の連続。演じていてとてもつらかったです。
やっと弁護士になれたのに辞めることになったり、やっと恋をして相手を大事に思えるようになったところで戦争へ行ってしまったり。いろいろなものを得ると同時に、失っていく週でした。

 1週目の第5回(4月5日放送)で、お母さんのはる(石田ゆり子)が予言のように『でも、(弁護士に)なれなかったときは?』『なれたとしても、うまくいかずその道を諦めることになったときは?』と寅子に問いかけていましたが、まさしくその通りになって。寅子としては一番悔しい展開だったと思います。つらいことも多かったですが、優三さん(仲野太賀)との愛が深まり、すごく幸せなときもありました。その幸せな時間があまりに短いという切なさも、物語としては好きなんですよね。

-優三を演じる仲野太賀さんとの掛け合いはいかがでしたか。

 ご本人にも何度伝えたか分かりませんが、本当に優三さん役が太賀さんでよかったと心から思いましたし、互いにそうした言葉を掛け合ううちに、より絆が深まりました。太賀さんはお芝居についていろんな提案をしてくれながら、私の考えを整理させてもくれて。特に第8週で寅子として演技が自然とできたのは、優三さんが太賀さんだったというのがとても大きかったです。改めて振り返ると、演じていてすごくいい時間でした。

 

-第43回(5月29日放送)では、優三の死を隠していたことを直言(岡部たかし)がざんげする場面もありました。

 この週はもう、感情がぐちゃぐちゃで。このシーンでは、寅子の気持ちを整理したくて演出の方に相談したんです。

 なかでも『でも、お父さんだけだったよ……家族で女子部に行っていいって言ってくれたのは』というセリフを言うときは、寅子としてあふれてくる感情が、喜怒哀楽のどこに属しているのか分からなくなって。

 感情の焦点をどこにも合わせられなくなってしまったんです。そこで『答えなんか出そうと思わなくていいよ、もうぐちゃぐちゃのままでいい』とアドバイスをいただいて。その通りに、あえて特定の感情に焦点を定めずに演じたからこそ、違和感のない自然な表現ができたと感じています。

(C)NHK

-このほかに、印象深かったシーンを教えてください。

 第44回(5月30日放送)の、第1回(4月1日放送)につながる河原のシーン! 優三さんの幻影に「トラちゃんができるのは、トラちゃんの好きに生きることです」と改めて励まされて、それと同時に新しい日本国憲法を手にするという、終わりと始まりがリンクするところが物語の造りとしてもおもしろいと思いました。続く10週からも、楽しんでいただけたらうれしいです!

 

 


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

山下智久「ブルーモーメント」最終回は「僕も上海や香港からテクノロジーを駆使して見ます!」【インタビュー】

ドラマ2024年6月26日

 山下智久が主演するドラマ「ブルーモーメント」(フジテレビ系)が今夜最終回を迎える。同名コミックが原作の本作は、甚大な気象災害によって脅かされる人命を守るべく、知恵と知識を駆使して現場の最前線で救助に立ち向かう内閣府直属チームSDM(特別災 … 続きを読む

「大きなスクリーンでこの大自然を楽しんでもらえたら」「いい時代の邦画の匂いを感じていただけたら」杉田雷麟、寛一郎『プロミスト・ランド』【インタビュー】

映画2024年6月26日

 マタギの伝統を受け継ぐ東北の山間の町に、役所から今年の熊狩りを禁止する通達が届いた。違反すれば密猟とみなされ、マタギとして生きる道を閉ざされてしまう。だが、20歳の信行は、兄貴分の礼二郎から2人だけで熊狩りに挑む秘密の計画を打ち明けられ、 … 続きを読む

西野七瀬、30歳を迎え「素直にうれしい」 2度目となる劇団☆新感線で戦女役に挑む「記憶に残る作品に」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年6月26日

 西野七瀬が、7月7日から開幕する、2024年劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎「バサラオ」でアクション満載の演技を見せる。本作は幕府と帝が相争う時代を舞台に、自分自身の美しさを武器に天下取りを目指す男と、そんな男の参謀とし … 続きを読む

「光る君へ」第二十四回「忘れえぬ人」“忘れえぬ人”への思いに突き動かされる人々のドラマ【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年6月23日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。6月16日に放送された第二十四回「忘れえぬ人」では、思いがけない藤原宣孝(佐々木蔵之介)からの求婚と宋人の周明(松下洸平)への思いの間で揺れる主人公まひろ(吉高由里子)を中心に、さまざまな人間模 … 続きを読む

【週末映画コラム】70年代にこだわった『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』/とにかく草笛光子が素晴らしい『九十歳。何がめでたい』

映画2024年6月21日

『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(6月21日公開)    1970年、米マサチューセッツ州にある全寮制の寄宿学校。生真面目で皮肉屋で学生や同僚からも嫌われている独身教師のポール(ポール・ジアマッティ)は、クリスマス休 … 続きを読む

Willfriends

page top