坂井真紀、人生は学び「歳を重ねても、学ぶことは絶えなくて、だからこそ面白い」 舞台「橋からの眺め」【インタビュー】

2023年8月25日 / 08:00

ーそうした稽古の中で見つけた、役と似ているところというのはどんなところですか。

 私も子どもがいるので、ビアトリスがキャサリンに対して感じている母性だったり、お人好しと言われるほど人が好きというところは似ているのかなと思います。

ー映像作品でも活躍している坂井さんですが、舞台で芝居をするときに感じていることは?

 ライブ感です。そのときに生まれるものを大切にしたいと思っています。慣れずに、焦らずに演じていきたいです。もちろん、生なので、お客さまからの反応が力になっているところも大きいと思います。せっかく同じ空間にいるので、何かを共有できたらいいなと思います。

ー映像作品で演じるときと意識の違いはありますか。

 舞台の場合、まさに今、本番を見せているので、映像とはまた違った緊張感があり、それが楽しくもあります。それから、映像よりも頭の先から足の先まで、全てを見られているという意識があります。一挙手一投足を見て、感じてもらうというのは、生でやっているからこそのものだと思いますし、そうした緊張感や刺激は舞台でしか得られないところではあると思います。

ーゆがんだ愛や嫉妬心が描かれた本作ですが、そうしたゆがんだ愛や嫉妬心を抱いたとき、どのようにするのが良いと考えていますか。

 今の私の年代になったら、そんなことを考えている時間がもったいないというところに行き着いているので、そういうことに執着しないよう心をコントロールするよう心掛けると思います。ですが、それは狭いコミュニティーである家族の中でのこととなるとまた違ってくるのかもしれませんよね。ビアトリスの状況を考えると、とてもつらいと思います。誰かに認められて生きてきたわけではないビアトリスが、旦那さんからも女として見られなくなっていくわけで、じゃあ、ビアトリスはどうすれば良かったのでしょうね…。それは、稽古の中で見つけていければと思っています。

ー自分だったらどうするかを考えさせられる作品ですね。

 みんなそれぞれの正義と思いがあって、それがぶつかり合っているので、正解がないんですよね。見る人によって、それぞれ当てはまる人物が違うんじゃないかなと思います。

「橋からの眺め」(上段左から)伊藤英明、坂井真紀、福地桃子(下段左から)松島庄汰、和田正人、高橋克実

 


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

井之脇海「ものすごい達成感がありました」蔦重に見守られながら迎えた新之助の最期【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

ドラマ2025年9月4日

-新之助の親友ともいえる蔦重を演じた横浜流星さんの印象はいかがでしたか。  横浜さんほどストイックな座長は見たことがありません。共演は今回が初めてですが、実は横浜さんとは10年位前からオーディションでよく見かけていて、ワークショップでも一緒 … 続きを読む

坂東龍汰「この映画は絶対に映画館で見てほしいです。特にドラゴンライドのシーンは圧巻です」『ヒックとドラゴン』【インタビュー】

映画2025年9月4日

-吹き替えで難しかったところと楽しかったところはありましたか。  初めてのことだったので、付いていくのに必死な部分もありましたし、基本的には全てが難しかったのですが、それと同じぐらいの楽しさもありました。自分が当てた声を見たり聞いたりする時 … 続きを読む

小池栄子、45歳を目前に控えて見据える未来「小池栄子が出ているから見てみようかなと思ってもらえる存在でいたい」 劇団☆新感線「爆烈忠臣蔵〜桜吹雪 THUNDERSTRUCK」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年9月3日

-劇団☆新感線は45周年を迎えますが、小池さんも今年、45歳になります。40代になって変わったところはありましたか。  みんな同じだと思いますが、疲れが取れない(笑)。気持ちだけではどうにもいかないことがあるなと思いました。女性の場合、更年 … 続きを読む

間宮祥太朗「周囲に合わせようとせず、自分のペースを保つことを考えていた」“自分らしさ”の大切さを描くアニメ映画に声の出演『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』【インタビュー】

映画2025年9月2日

-確かにその通りですね。  そういう意味では、その両方が真実でもあると思います。その中で自分でどうにかできるのは、「自分の考える自分らしさ」なのかなと。自分が「こうしたい」「こういうことはしたくない」と考えることが、自然と「自分らしさ」につ … 続きを読む

【映画コラム】夏の日の少年たちが頑張る映画『ベスト・キッド:レジェンズ』『蔵のある街』『海辺へ行く道』

映画2025年9月1日

『蔵のある街』(8月22日公開)  岡山県倉敷市に住む高校生の蒼(山時聡真)と祈一(櫻井健人)と紅子(中島瑠菜)は、小学校からの幼なじみ。ある日、蒼と祈一は、紅子の兄で自閉スペクトラム症のきょんくん(堀家一希)が神社の大木に登って叫んでいる … 続きを読む

Willfriends

page top