佐藤流司「俺が出ている舞台が一番面白いと信じてやってきた」 天才・モーツァルト役で橋本良亮と共演【インタビュー】

2023年1月7日 / 08:00

-佐藤さんは音楽活動もしていますが、音楽家を演じることについてはどう感じていますか。

 すごくざっくりとしたイメージの話ですが、ベートーベンは攻撃力が高め、ショパンは優しい。モーツァルトはその間ぐらいで、どちらにもなれる人という印象です。俺がやっている音楽は、どちらかというと攻撃力が高めなので、その辺りがどうかみ合ってくるのかなとは思います。もし、現代にモーツァルトが存在した場合、俺とは好きな音楽のジャンルが違うんだろうなと思うので、モーツァルトの音楽に対する熱量や思いというものを台本から感じ取っていきたいと思っています。

-モーツァルトとはまた違ったジャンルの楽曲ですが、佐藤さん自身が作曲をするときには、どんなことを考えているのですか。

  自分で曲を作るときは、恋愛を歌わないというのは決めています。それは簡単過ぎるから。恋愛の曲は、共感を呼びやすいですし、多くの人に刺さりやすいと思います。ですが、それは誰でも思いつくことなので、あえてやらないようにしています。難しいことをやるのが好きなんです。 

-「難しいことをやるのが好き」というのは芝居にも共通している考えですか。佐藤さんが出演する作品は、激しいアクションがあったり、その上で歌唱シーンが多かったりと、ハードな作品が多い印象があります。  

 昔はそれほど多く舞台を見にいっていたわけでもなかったので、激しいアクションや、多くの歌唱があることが当然だと思っていたところはあったんですが、そうではない舞台もあるんだとここ数年で気付かされました。ただ、俺自身は、ハードな作品の方が生きている感覚や仕事をしている実感があるので、好きなんですよ。それは音楽でも芝居でも一緒です。あまり楽過ぎると生きた心地がしない感じなんです。 

-初めて舞台に出演してから約10年がたちますが、自身の中で、舞台に対して一番変化を感じているところは? 

 (舞台に対する思いは)日々、揺れ動いている感じはします。やっぱり、舞台は一筋縄でいかないものだと思うので、舞台に対する感覚も毎回変わるんですよ。2.5次元作品もたくさん出演させていただきましたが、2.5次元というものに対する考え方も変わりましたし。ただ、星の数ほどある舞台の中で、常に俺が出ている舞台が一番面白いと信じてやってきたことは変わらないと思います。

 (取材・文・写真/嶋田真己) 

音楽劇「逃げろ!」~モーツァルトの台本作者 ロレンツォ・ダ・ポンテ~

 音楽劇「逃げろ!」~モーツァルトの台本作者 ロレンツォ・ダ・ポンテ~は、2月10日~12日に福岡・キャナルシティ劇場、2月21日~3月1日に都内・新国立劇場 中劇場ほか大阪で上演。
公式サイト https://nigero-stage.com/

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

堤真一、三宅唱監督「実はこういうことも奇跡なんじゃないのということを感じさせてくれる映画だと思います」『旅と日々』【インタビュー】

映画2025年11月6日

-シム・ウンギョンさんを演出してみていかがでしたか。 三宅 よくバスター・キートンの映画の話をしていたので、ある種の軽やかさをお持ちなんだなと思いました。それはウケを狙うということではなくて、徹底的に真剣なんですけど、それが重くなるのではな … 続きを読む

【映画コラム】俳優同士の演技合戦が見ものの3作『爆弾』『盤上の向日葵』『てっぺんの向こうにあなたがいる』

映画2025年11月1日

『盤上の向日葵』(10月31日公開)  信州の山中で身元不明の白骨死体が発見される。現場には、この世に7組しか現存しない希少な将棋駒が残されていた。駒の持ち主は、将棋界にすい星のごとく現れた天才棋士・上条桂介(坂口健太郎)であることが判明。 … 続きを読む

福本莉⼦「図書館で勉強を教え合うシーンが好き」 なにわ男⼦・⾼橋恭平「僕もあざとかわいいことをしてみたかった」 WOWOW連ドラ「ストロボ・エッジ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

 福本莉⼦と⾼橋恭平(なにわ男⼦)がW主演するドラマW-30「ストロボ・エッジ  Season1」が31日午後11時から、WOWOWで放送・配信がスタートする。本作は、咲坂伊緒氏の⼤ヒット⻘春恋愛漫画を初の連続ドラマ化。主人公の2人を軸に、 … 続きを読む

吉沢亮「英語のせりふに苦戦中です(笑)」主人公夫婦と関係を深める英語教師・錦織友一役で出演 連続テレビ小説「ばけばけ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

-本作では主演の髙石さんの持ち味が存分に発揮されている印象ですが、共演の感想はいかがですか。  高石さんは、せりふなのか、素で笑っているのか、最初の頃はわからなかったくらい、お芝居が自然でなじんでいる感じがあります。それくらい、ご本人が面白 … 続きを読む

阿部サダヲ&松たか子、「本気でののしり合って、バトルをしないといけない」離婚調停中の夫婦役で再び共演 大パルコ人⑤オカタイロックオペラ「雨の傍聴席、おんなは裸足・・・」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年10月31日

-今回演じるそれぞれの役柄については、今はどのように捉えていますか? 阿部 ミュージカル俳優という役柄です。離婚したいと言っていますが、ずっと裁判をしているので本当は嫌いじゃないんでしょうね。最後は優しくなるんですよ。 松 そんなところまで … 続きを読む

Willfriends

page top