エンターテインメント・ウェブマガジン
1月8日から放送がスタートするNHK大河ドラマ「どうする家康」。数々のヒット作を手掛け、今最も期待される脚本家の一人、古沢良太が、江戸幕府を開いた武将・徳川家康の生涯を新たな視点で描く物語だ。主人公・徳川家康を演じるのは、これが大河ドラマ初出演となる松本潤。放送開始を前に、本作における家康像や作品の見どころを語ってくれた。
いよいよ放送が近づいてきたなということを、ひしひしと感じています。その一方で、これまで経験したような連続ドラマであれば、長くても3カ月半から4カ月で撮影が終わるので、その時期をとっくに過ぎているのに、まだ放送が始まっていないのは不思議な感じもしますね。
家康公を演じる中で、毎回のように「どうする?」と決断を迫られ悩む日々です。一つ乗り越えたと思ったら、また一つ問題が起こり…ということの連続で、常に翻弄(ほんろう)されている感じです。唯一、対照的に穏やかなシーンを撮れるのが、徳川家臣団や妻の瀬名(有村架純)と一緒のときなので、今ではそれが日々の楽しみになっています。
僕がこれまでイメージしていた家康は、おそらく多くの視聴者の方と同じだと思います。やっぱり、年齢を重ねて江戸幕府を開いた頃の印象が強いので、「タヌキおやじ」と形容されるような“恰幅(かっぷく)のいいおじさん”で、ベテランの俳優の方々が演じるイメージがありました。
今回、僕は“家康”を名乗る前の若い頃から演じているので、その印象とは明らかに違います。戦国時代、強国に挟まれた小国・三河は、日々「生きるか死ぬか」の選択の連続です。その中で家康は“か弱きプリンス”という一面がありながらも、一つ選択を誤れば死んでいたところを、運の良さも含めて生き延びることができた。その結果、長生きすることになり、だからこそ戦国時代に終止符を打ち、将軍として江戸幕府を開くことができた人だったんじゃないかと。演じている中で僕がイメージした今回の家康は、そんな人物です。
長生きしたことも家康の優れた点ですが、もう一つ優れていたのは、「なんでも自分でやろうとしなかった」ことではないでしょうか。いろんな課題や問題を周囲とシェアし、それぞれ得意な人に任せていくんですよね。つまり、家康は「誰がやるか」かが重要ではなく、「物ごとをいかに早く形にして、いかに成功させるか」に注力した人だったんじゃないかと。それが見方によっては、「タヌキおやじ」と呼ばれることにつながったのかもしれませんが。今後、そういうシーンがあるかどうか分かりませんが、江戸の町を切り開く際も、現地に行って地理を調べ、水路を引いて…という作業に適材適所の人間を配置できたことは、彼の才能の一つだったと思います。
すごく素直ですよね。感情も豊かなので、自分のしてしまったことに対する後悔を、人前で素直に口にしてしまうところがチャーミングでもあり、駄目なところなのかなと(笑)。ただ、その駄目なところを、古沢さんがうまく切り取ろうとしてくれています。それが、生きるか死ぬかの厳しい戦国時代を生きる中で、ふっと笑えるシーンにつながっていたりもする。とはいえ、本人はいたって真面目にやっていることが、周りのリアクションで面白くなる、という感じなので、現場では僕は真面目に演じることを心掛け、笑いの部分は周りの人たちに預けようと思っています。
ドラマ2025年4月1日
3月31日から放送スタートしたNHKの連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルに、何者でもなかった朝田のぶと柳井嵩(北村匠海)の2人が、数々の荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年4月1日
坂本昌行と増田貴久をはじめとした豪華キャストが出演するミュージカル「ホリデイ・イン」が4月1日から開幕する。本作は、1942年に公開された映画『Holiday Inn』(邦題『スウィング・ホテル』)をもとに舞台化されたミュージカル作品。「 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年3月29日
2024年5月にスタートした、吉田鋼太郎が芸術監督を務める【彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd】。待望の二作目となる「マクベス」が、藤原竜也を主演に迎え、5月8日から上演される。藤原に初めて挑む「マクベス」への思いや吉田とのクリエイトに … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年3月28日
「週刊少年ジャンプ」で2020年5月まで連載していた吾峠呼世晴による大ヒット漫画『鬼滅の刃』。2020年に初めて舞台化されて以降、シリーズを重ね、4月11日からはシリーズ5作目となる、舞台「鬼滅の刃」其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里が上演される。 … 続きを読む
映画2025年3月28日
『BETTER MAN/ベター・マン』(3月28日公開) イギリス北部の街に生まれ、祖母の大きな愛に包まれながら育ったロビー・ウィリアムズ。1990年代初頭にボーイズグループ「テイク・ザット」のメンバーとしてデビューし、ポップスターの道を … 続きを読む