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家康は幼い頃、今川家で人質として育ちましたが、義元公にはとてもかわいがってもらっていました。というのも、年齢が近い今川家の嫡男・氏真(溝端淳平)が当主になった時、それを支える家臣になるため、義元公から教育をしっかり受けさせてもらっているんです。第1回では桶狭間の戦いが描かれますが、義元公亡き後も、その教えは家康の中で大切なものとして、ことあるごとに思い出していくことになります。そして、ゆくゆくは家康の人格形成に影響を与えていくことにもなります。
信長は、「こういう人が強くなるんだろうな」、「こういう生き方をしなきゃいけないんだろうな」という、家康にとってある種の恐れや憧れの対象です。ただ、家康自身には信長のような考えはないので、「自分はああいう人にはなれない」という思いを抱きながら、彼を見続けていくことになると思います。
特に、若い頃の家康は受け身の傾向が強く、「周りがこうだから、同じようにしておこう」と周囲の言動に影響を受けやすいのですが、その一番重要なポジションにいるのが信長です。そこから少しずつ、家臣や身近な人たちからも影響を受け、「自分はどう思う」というふうに考え方が変わっていく。そういう意味では、信長は家康にとって、“目の上のたんこぶ”のような、頭が上がらない相手というイメージです。
家臣団の皆さんとは、現場で会うのがすごく楽しみです。みんながそろう日は、それだけでちょっとワクワクしますね(笑)。実は今回、クランクインが愛知で、泊まりがけの撮影だったので、みんなで食事に行くなど、早い時期からコミュニケーションを取ることができたんです。おかげで、あっという間に深い関係を作ることができました。
ある時、みんなで心理テストをやってみたら、戦略的な人や肉体派の人など、いろんなタイプの人がバランスよくそろっていたんです。それはプロデューサーのキャスティングの妙だなと感じました(笑)。年齢的にも、最年長のイッセー尾形(鳥居忠吉役)さん、その次の松重豊(石川和正役)さん…とだいぶ幅広いんですけど、変に気を使うことなく、芝居に対してみんなが言いたいことを言い合える環境も出来上がっています。それは、先輩方がそういう空気を容認して、支えてくださっているおかげだと思っています。おかげで日々、心強い仲間と撮影に臨むことができています。
(取材・文/井上健一)
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