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NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、快調に進行中。本作で蔦重の妻・ていを演じているのは、今回が4度目の大河ドラマ出演で、3度目の主人公の妻役となる橋本愛。対立から始まった蔦重との関係は、本に対する思いが共鳴して夫婦となり、次第に絆を深め、視聴者からも“おていさん”の愛称で親しまれている。その舞台裏を語ってくれた。

(C)NHK
再びご縁をいただけたことがうれしかったです。大河ドラマほど長期にわたる作品はほかにないので、役柄に対する愛情の深さが段違いなんです。今まで演じた役はどれも大好きで、未だにその魂が残っていると日常の中で感じるくらい、強く刻まれています。ただ、今回は3度目の主人公の妻役ということで、視聴者の皆さんから飽きられるのでは…という心配もありました。そのため、今までとは異なる印象にしたいと考えると同時に、「主人公の妻役は最後」というくらいの覚悟で臨むつもりでいました。
安心しました。私も第1回から見てきて、この世界観に受け入れてもらうのは難しいのでは…と覚悟していたので。でも、森下(佳子/脚本家)さんの脚本の妙に加え、おていさんを愛すべき人として描いてくださったおかげで、誠実に演じたことが視聴者の皆さんにも伝わり、うれしかったです。
第26回で、出家しようとお寺に向かったおていさんを追ってきた蔦重が止め、2人が心から結ばれたとき、皆さんが「よかったね」と声を掛けてくださったことが、すごくうれしかったです。また、第24回でおていさんが和尚さんと会話する場面は、おていさんが自ら身の上を語る唯一の機会だったので、「すべてを懸ける」くらいの気持ちで臨みました。それが伝わるか不安でしたが、前回登場したばかりにもかかわらず、視聴者の皆さんが「かわいそう」「報われてほしい」と、まるで今までの人生を共に見てきたかのように反応してくださって。それもうれしかったです。
おていさんは、子どもの頃からずっと自分で自分に「つまらない人間」というレッテルを貼って生きてきたと思うんです。にもかかわらず、蔦重さんは「つまんねえって思ったことねえですぜ」と、コンプレックスだった部分をある種の才能と認め、人生を丸ごと肯定する言葉をかけてくれた。それが、心からうれしかったと思うんです。その上、「この人ならこの先、山があって谷があっても一緒に歩いてくれんじゃねえか。いや、一緒に歩きてえって」とまで言ってくれたのは、これ以上ない喜びだったのではないでしょうか。

(C)NHK
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