吉田羊、舞台出演は「原点回帰」 憧れの「大人計画」松尾スズキ新作への思い【インタビュー】

2022年11月17日 / 08:00

-松尾さんが「僕が芝居を作るときにいつも思うのは“人間の頭の中は何があろうと自由だ”ということ。そして同時に、“劇場の中も常に自由でありたい”ということ」とコメントを出していますが、吉田さんにとっての「自由」とはどんなものですか。

 私にとって自由は、心を守るもの。豊かな想像力やアイデアが生まれるのは、制約や束縛から解放されているときです。と同時に、その先にある責任を意識せざるを得ないのもまた事実ですが。けれどその責任をも喜べるのが自由の力だなと思います。

-現在、吉田さんは数々の映像作品でも活躍していますが、吉田さんにとって舞台作品に出演することには、どのような思いがありますか。

 舞台からキャリアをスタートした私にとって、舞台は原点回帰という感覚です。お客さまの目の前で演じる緊張感は、何度やっても慣れることはないし、毎回新鮮に鍛え直されるように思います。いつか、舞台で緊張せずに自分を解放できたらと思いますが、今のところそれがかないそうな気配はなく、それができた自分に会いたくて続けている部分もあるかもしれません。

-舞台で芝居をすることの魅力はどこに感じていますか。

 先ほどとは逆の意味になりますが、お客さまの存在は大きいです。映像だとお客さまの反応を頂くまでに時差がありますが、舞台はリアルタイム。怖さもありますが、反応があればうれしいし、力になります。また、お客さまの反応に教えていただくこともあります。そして、反応も含めて毎日進化していくのが舞台の魅力。舞台に出演し始めた頃は、毎日同じものを、同じ合格ラインで見せなければならないと思っていたのですが、生身の人間がやる醍醐味(だいごみ)は、同じものが二度とないということだなと。何十ステージも同じことをやるのはもちろん大変ですが、回数やるからこそ気付くこともあるな、と思うようになりました。

-改めて、本作の見どころと公演への意気込みを。

 戦争のリアルを背景に、愛憎入り乱れる終始カオスな展開ですが、ユーモアにまみれた先でたどり着く松尾さんらしいいびつな救いは今回も必見です。皆さまの2022年を面白く締めくくれるように頑張りますので、ぜひ劇場へ足をお運びください!

(構成/嶋田真己)

COCOON PRODUCTION 2022「ツダマンの世界」

 COCOON PRODUCTION 2022「ツダマンの世界」は、11月23日〜12月18日に都内・Bunkamuraシアターコクーンで上演。
公式サイト https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/22_tsudaman/

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

渡辺大知「僕が演じた駒井という人物そのものがカメラの役割を果たしています」『道行き』【インタビュー】

映画2026年2月23日

-ある意味、監督の分身みたいな役ですよね。  そうだと思います。監督が実際に住んでいる家で撮影し、監督がこの町に移住して出会った人たちを基に作られた映画なので、監督自身の気持ちやまなざしがそのまま映画になっていると思います。でもそれは、いろ … 続きを読む

吉田恵里香氏「寅子の視点では描けなかったものを、どれだけ描けるか」「虎に翼」スピンオフに込めた脚本家の思い「山田轟法律事務所」【インタビュー】

ドラマ2026年2月23日

-劇中には当時、戦争の犠牲者でありながら、差別的な扱いを受けていた戦災孤児や“パンパン”と呼ばれた体を売っていた女性たちも登場します。脚本執筆に当たっては、改めてリサーチをしたのでしょうか。  一般に、当時生活のために体を売っていた女性たち … 続きを読む

【映画コラム】2月前半の公開映画から『ほどなく、お別れです』『クライム101』『ブゴニア』

映画2026年2月21日

『クライム101』(2月13日公開)  米西海岸線を走るハイウェー101号線上で、数百万ドルの宝石が消える強盗事件が多発。デービス(クリス・ヘムズワース)の4年間にも及ぶ犯行は完璧だったが、犯罪組織からの追跡や警察内部の陰謀、そしてルー刑事 … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(12)道明寺天満宮と歴史の英雄たち ~野見宿禰、白太夫、そして道真~

舞台・ミュージカル2026年2月19日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。     ▼相撲 … 続きを読む

小林聡美、名作ドラマ「岸辺のアルバム」 舞台化は「今の時代も共感できる」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年2月19日

 小林聡美が主演する舞台「岸辺のアルバム」が、4月3日から上演される。本作は、数々の名作ドラマを世に残した山田太一が原作・脚本を務め、1977年に放送された連続ドラマを舞台化。一見平和で平凡な中流家庭の崩壊と再生を描く。ドラマでは八千草薫が … 続きを読む

Willfriends

page top