生田絵梨花が感じる舞台の魅力「作品が育っていくような感覚」【インタビュー】

2022年11月18日 / 08:00

 現在放送中のドラマ「PICU 小児集中治療室」や、映画『Dr.コトー診療所』(12月16日公開)など、数々の作品で活躍する生田絵梨花。「乃木坂46」在籍中から積極的に出演していたミュージカルでも、さらに存在感を増し、「レ・ミゼラブル」のエポニーヌ役やミュージカル「四月は君の嘘」の宮園かをり役を好演した。さらに、2023年1月30日から開幕するブロードウェーミュージカル「MEAN GIRLS」では、ケイディ・ヘロン役で主演する。生田に本作への意気込みや、俳優としての思いなどを聞いた。

生田絵梨花

-本作は2004年にアメリカで製作された映画『MEAN GIRLS』のミュージカル化になりますが、ケイディ役で出演が決まったときの心境を聞かせてください。

 映画を見て、ハイスクールでの女子の“カースト”をコミカルに描きながらも、自分らしさを見つけていくというストーリーが面白いと思っていたときに、ブロードウェーでミュージカル化されるという話を耳にしました。その後、トニー賞のナビゲーターをさせていただいて、この作品がノミネートされていることを知り、いつか私もこういう作品に出演したいと漠然と思っていたので、出演が決まったときはうれしかったです。

-生田さんが演じるケイディはどんな人物ですか。

 アフリカで育ち、それまで学校にも通ったことがなかった女の子です。突然、アメリカの高校に転校してくることになり、キラキラした女子に囲まれながら、どう学校生活をサバイバルしていくかが描かれています。環境が変わることで、見た目も内面も変化していく姿をリアリティーを持って演じられたらいいなと思います。

-ケイディにシンパシーを感じるところはありますか。

 環境が変わることで、性格や内面が変わっていくというのは誰しもが経験したことがあると思うので、そこは理解できるところでもあります。それから、“女子あるある”だと思うのですが、背伸びをしてしまって自分を飾ってしまったり、周りに合わせて無理をしてしまうというのは私も分かるので、自分の感覚に引き寄せながら演じたいと思っています。

-生田さんにとっては、これまでにない役柄になるのでは?

 ファッションにこだわりもない女の子がアメリカの高校でサバイバルしていくというのは、自分にとって新たに開拓するところではあると思います。ビジュアル撮影では、アフリカからやってきたばかりの頃のカジュアルなパンツスタイルと、(物語が進んで変わった後の)肌が見える服にミニスカート、髪も染めて巻いている姿のツーパターンを撮影しました。私は、あまりパンツスタイルで撮影することがなかったので、それも新鮮でしたが、変身した後の姿も同じキャラクターとは思えないぐらいの変わり方だったので(笑)、それを舞台上でどう見せていくのか、新たなチャレンジだと思っています。

-本作のタイトル「MEAN」には「意地悪」「人につらく当たる」「ひきょうな」といった意味がありますが、生田さんの意地悪な一面を教えてください。

 好きな人には意地悪したくなっちゃうというのはあります(笑)。例えば、グループ時代には、早く帰りたそうにしているメンバーの腕をつかんで離さなかったり、「今日はこういうことがあってね」とその日のエピソードを5分ぐらい話したけど、それが全部うそだったり(笑)。「実は今の話は全部うそだよ」ってネタばらしをしたときのリアクションが楽しくてやってしまうんです(笑)。

-生田さんに意地悪をされたら好かれているってことなんですね。

 許してくれそうな人にしかしないのかなとは思いますが(笑)。

-ところで、生田さんは子どもの頃からミュージカルに憧れを抱いていたそうですが、実際にミュージカルに出演するようになってその思いに変化はありましたか。

 大好きだということはずっと変わりませんが、こうして舞台に立たせていただけるようになり、「好き」や「楽しい」という感情だけだったのが、「怖さ」を感じた時期もありました。今は、怖さを感じたり、悲観的になったりしたときの自分との向き合い方も分かってきましたし、何よりも見に来てくださるお客さまを信じるということを学んでからは、楽しみながら舞台に立てている感覚があります。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

中園ミホ 連続テレビ小説「あんぱん」は「やなせたかしさんが書かせてくださった」執筆を終えた脚本家が物語を振り返る【インタビュー】

ドラマ2025年8月22日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルにした柳井のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)夫婦の戦前から戦後に至る波乱万丈の物語は、いよいよクライマックスが近づいてきた。このタ … 続きを読む

森田剛「戦争と背中合わせの世界であるということは今も変わらない」 19世紀を代表する未完の戯曲に挑む パルコ・プロデュース 2025「ヴォイツェック」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年8月22日

 森田剛が主演する舞台、パルコ・プロデュース 2025「ヴォイツェック」が9月23日に開幕する。本作は、ドイツの劇作家ゲオルク・ビューヒナーが遺した未完の戯曲を、2017年にジャック・ソーンが翻案した作品を日本で初めて上演。冷戦下の1981 … 続きを読む

奥平大兼「戦争の捉え方が変わった」當真あみ「当時の女性の強さを感じた」80年前の戦時下を生きた若者役への思い『雪風 YUKIKAZE』【インタビュー】

映画2025年8月21日

 太平洋戦争中に実在した駆逐艦「雪風」。数々の戦場を潜り抜け、沈没する僚艦から海に投げ出された仲間を救い、戦後は「復員輸送艦」として外地に取り残された約1万3千人を日本に送り返した。その史実に基づき、太平洋戦争から戦後、さらに現代へとつなが … 続きを読む

山時聡真、中島瑠菜「倉敷の景色や街並みや雰囲気が、僕たちの役を作ってくれたという気がします」『蔵のある街』【インタビュー】

映画2025年8月19日

 昔ながらの街並みが残る岡山県倉敷市の美観地区を舞台に、街で花火を打ち上げようと奔走する高校生たちの奮闘を描いた青春映画『蔵のある街』が8月22日から全国公開される。倉敷市出身の平松恵美子監督が手掛けた本作で、倉敷市に住む高校生の蒼と紅子を … 続きを読む

ファーストサマーウイカ「それぞれの立場で“親と子”という普遍的なテーマについて、感じたり語り合ったりしていただけたらうれしいです」日曜劇場「19番目のカルテ」【インタビュー】

ドラマ2025年8月17日

 TBSでは毎週日曜夜9時から、松本潤主演の日曜劇場「19番目のカルテ」が放送中。富士屋カツヒトによる連載漫画『19番目のカルテ 徳重晃の問診』(ゼノンコミックス/コアミックス)を原作に、「コウノドリ」シリーズ(TBS系)の坪田文が脚本を手 … 続きを読む

Willfriends

page top