息子を失った母の心情を告白「途中で呼吸ができなくなるほど、つらいシーンになりました」檀れい(土田御前)【「麒麟がくる」インタビュー】

2020年5月24日 / 20:50

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」。第十八回で織田信長(染谷将太)が弟・信勝(木村了)を暗殺し、続く5月24日放送の第十九回では、それを知った母・土田御前が、悲しみを爆発させる一幕が見られた。土田御前を演じる檀れいが、その場面に込めた思い、撮影の舞台裏を語ってくれた。

織田信長役の染谷将太

 信勝の亡がらを目にした土田御前が受けた衝撃について、檀は「何が起こったのか、頭の中で理解できませんでした」と語った。

 ただそれは、戦国の世に生きる母親の宿命でもあることから「血縁者同士で争うことも常である時代だからこそ、突然自分の子どもを失うかもしれない不安が付きまとっていました」と、ある程度覚悟はしていたらしい。

 それでも、「(亡くなった)信勝の姿を目にしたときは、ただただ涙が止まりませんでした」と、湧き上がる悲しみを堪えきれない土田御前の心情を語った。

 同時に、演じた檀自身も撮影の際は「大切にしていた信勝を失った悲しみで、本番のときに自分自身、胸が苦しく途中で呼吸ができなくなるほど、つらいシーンになりました」と当時の心境を打ち明け、「呼吸困難になるのは、自分の中では計算外でした」と告白。

 続けて「それほど土田御前として、信勝を心のよりどころにしていたし、大事に育ててきたので、自分の半身を失ったかのような苦しみを感じました」と、まさに役と一体化した演者としての思いを語った。

 その後、広間にたたずむ信長に厳しい言葉を投げつけてから両手で頬に触れ、「母も殺したのです…」と泣き崩れる。この場面については、「頬に触れるのは、私から監督に提案させていただきました」と舞台裏を明かした。

 そこに込めたのは、「信長も自分の子ですが、弟を殺してしまうような異質な存在である信長を産んだのは自分だということを、土田御前として認識したかった」という思いだったという。

 演じる上では、「いとおしく思っている信勝に触れるのと、怒りや憎しみ、悲しみで信長に触れるのとで違いが出せたら」という点を心掛けたという。

 さらに、「怒りや悲しみをぶつけるだけでなく、触れることによって、この親子の複雑さ、土田御前としてなぜこんな子が生まれてきてしまったのか、なぜちゃんと信勝のように育てることができなかったのかという思いが出せれば」と、「触れる」という一つの芝居に母親としての複雑な思いを込めたことを語ってくれた。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

柳楽優弥「川栄さんと真剣に作品に向き合ってきた」川栄李奈「柳楽さんを信頼しています」共演4度目の2人が伝説的作品に挑む『RYUJI 竜二』【インタビュー】

映画2026年10月30日

 1983年に公開されるや否や観客の熱狂的な支持を集めた『竜二』。直後に主演・脚本の金子正次が急逝したことも重なり、伝説的作品として時代を超えて語り継がれてきた。その伝説が、新たに『RYUJI 竜二』として令和の現代によみがえる(10/30 … 続きを読む

横浜流星に「流星をよろしく」の声続々 『国宝』脚本家・奥寺佐渡子が「LOST10」で感じた愛される人柄【インタビュー】

ドラマ2026年10月30日

 横浜流星が主演するドラマ「LOST10」が、毎週金曜午後10時からTBS系で放送中だ。本作は、横浜と映画『国宝』以来の再タッグとなる奥寺佐渡子氏が脚本を担当し、「Nのために」「最愛」などを手掛けた塚原あゆ子監督らのチームが制作するヒューマ … 続きを読む

桐谷健太、「聖地X」で5年ぶりの舞台に挑む 「きっといろいろな刺激を受け、新たな感覚に出会える」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月30日

 桐谷健太が主演する舞台、PARCO PRODUCE 2026「聖地X」が、11月5日から上演される。本作は、SFやホラー、怪談など“目に見えないもの”との関わりから人間の本質を描いてきた劇作家・演出家で、劇団イキウメ主宰の前川知大の代表作 … 続きを読む

丘みどり、ジャッキー・ウー監督「もっとうまく歌えと言われたことは何度もありますが、もっと素人っぽく素朴に歌ってほしいというのは初めてでした」『演歌の坂道』【インタビュー】

映画2026年10月29日

 乾物屋の女将として家族を支えながら、48歳にして演歌歌手の道を歩み始めた女性の奮闘を描く『演歌の坂道』が、10月16日から全国公開された。本作のジャッキー・ウー監督と、ヒロインの高橋良子を演じ、映画初主演を務めた演歌歌手の丘みどりに話を聞 … 続きを読む

「それぞれの年代で、あの時これをやっていたなという見方ができるのも面白いです」渡辺いっけい『月影のゴールデン街』【インタビュー】

映画2026年10月29日

 長年にわたり、テレビ界で活躍してきた錦信次監督が63歳にして長編映画監督デビューを果たし、新宿ゴールデン街を舞台に描いた人間ドラマ『月影のゴールデン街』が、10月30日から全国順次公開される。本作の主人公でスナックのマスター青木を演じた渡 … 続きを読む

page top