伊藤英明「本木雅弘さんとの出会いは、僕の役者人生において、ものすごく大きなものになりました」 斎藤高政(義龍)役への思い語る【「麒麟がくる」インタビュー】

2020年5月9日 / 12:00

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」。主人公・明智光秀(長谷川博己)を中心に群雄割拠の戦国絵巻が繰り広げられているが、5月10日放送の第十七回では、ついに斎藤道三(本木雅弘)と高政(義龍)の親子が激突する“長良川の戦い”が描かれる。光秀の運命を左右することになるこの戦いの一方の主役、高政を演じるのは、斎藤家のお膝元、岐阜県出身の伊藤英明。これまでの撮影で感じたことや共演者の印象、第十七回の見どころを語ってくれた。

斎藤高政(義龍)役の伊藤英明

-「麒麟がくる」に出演した感想は?

  スケール感があって、毎回驚かされます。すごくフィールドが広いですが、群像劇がしっかりと描かれていて、風景だけでなく、物語や人間関係、全てにおいてスケール感があります。今回は4Kを使った新しい大河ということで、セットも2階まで作られていたので、驚きました。おかげで、岐阜城のシーンや、遥か彼方から尾張の軍勢が攻めてくる場面を演じているときは、実際にこんなふうに道三や高政が見ていたのかと、思いをはせることができました。岐阜城(当時、稲葉山城)にも、出演が決まってから5度ほど登りました。何かの参考になればと思い、あえて雨の日や夕方に行きましたが、あの金華山に城を築いただけでもすごいな…と思いました。 

-伊藤さんご自身は道三ファンで、道三を殺した高政のことはあまり好きではなかったそうですが、演じてみて印象は変わりましたか。

 180度変わったと言ってもいいかもしれません。演じさせていただく役には愛情を持ちたいといつも思っていますが、今回の高政だけはなかなか好きになれませんでした。どうしても、“父親殺し”の汚名が先に立ち、その功績に目を向けたことがありませんでしたから…。でも、長良川の戦いでは、高政の下に集まった兵力1万7500に対して、道三の下にはわずか2700だったと言われています。それはつまり、道三に不満を抱いていたのは高政だけでなかったということです。美濃自体も多くの国を敵に回していたため、道三を倒した後、高政は他国との関係を改善しようと尽力したそうですから。

-道三役の本木雅弘さんと共演した感想は?

  すごいです。すべてにおいて完璧です。本木さんは道三そのもの。所作やたたずまい、声の出し方、カメラの方向、まばたき一つ、呼吸一つ、ものすごく高いレベルで戦っていらっしゃるので、撮影中はものすごく緊張感があります。それでも、「カット」がかかった瞬間、ふっと柔らかくなる。「これが俳優、これが役者なんだな」と、ほれぼれしました。

 -本木さんが演じた道三の印象は?

  ものすごくすてきな道三でした。それを僕は、目の前の一番いい席で見させていただき、役同様に、この偉大な父親を超えられない…と感じました。本木さんとの出会いは、僕のこれからの役者人生において、ものすごく大きなものになりました。素晴らしい役者さんが斎藤道三を演じてくださり、岐阜の人間にとっては誇りです。道三とのシーンは全部好きです。

-高政と道三の関係については、どんなふうに考えていましたか。

 高政は自分の出自に疑問を抱き、ジレンマと葛藤で、ものすごく気持ちが揺れ動きます。でも実は高政は、道三から真っすぐな愛情がほしかったのではないでしょうか。偉大すぎる父を持つが故に、世の中と時代に翻弄(ほんろう)されたんだろうな…と。そんなふうに感じています。

-光秀を演じる長谷川博己さんの印象は?

  1年間、大河の座長を務めるということで、やはりすごいエネルギーがあります。水のようにさまざまに色を変え、みんなの演技を受けるのと同時に、それぞれの良さを引き出す…。そうやって、みんなが居やすい場所を作ってくれています。

-高政と光秀との関係については、どんなふうに受け止めていますか。

 高政が唯一心を許せる相手が光秀です。高政には嫉妬深い一面があるので、それが攻撃的な態度となって出てしまいますが、光秀だけは翻弄されても許すことができる。そういう意味で、高政は男として光秀にほれていたんしょうね。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【インタビュー】映画『相撲道~サムライを継ぐ者たち~』武隈親方(元大関・豪栄道)「自分にとっては、人生の全てが相撲でした」

映画2020年10月30日

 2018年12月から約半年間、境川部屋と高田川部屋(※高は「はしごだか」)の稽古場にカメラが密着。力士たちの本場所での熱い闘いの姿を迫力のある映像と音声で捉え、歴史、文化、競技といった、さまざまな角度から相撲の魅力を伝えるドキュメンタリー … 続きを読む

【大河ドラマコラム】「麒麟がくる」 第二十九回「摂津晴門の計略」光秀の運命を左右する近衛前久との出会い

ドラマ2020年10月28日

 明智光秀(長谷川博己)が幕臣として腕を振るい始めた大河ドラマ「麒麟がくる」。10月25日放送の第二十九回「摂津晴門の計略」では、幕府の政務を取り仕切る摂津晴門(片岡鶴太郎)が、文字通りの策士ぶりを発揮。将軍が与える領地を利用して、光秀を巧 … 続きを読む

【インタビュー】ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream 阿久津仁愛「リョーマは憧れで、自分がたどり着けない存在。ライバルみたいな感じ」

舞台・ミュージカル2020年10月27日

 2014年11月に始動したミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン(以下、テニミュ)の集大成として、5月に開催予定だったミュージカル『テニスの王子様』コンサート Dream Live 2020(通称:ドリライ)が、新型コロナウイルスの … 続きを読む

【インタビュー】舞台「迷子の時間-語る室2020-」松岡広大が語る舞台への思い「芝居をすることは生活の一部」

舞台・ミュージカル2020年10月26日

 前川知大・演出、亀梨和也が主演する舞台「迷子の時間-語る室2020-」が11月7日から開幕する。本作は、新生PARCO劇場のオープニング・シリーズの一作として上演されるもので、前川が、2015年に自身が主宰する劇団イキウメで上演した「語る … 続きを読む

【映画コラム】ストリップ劇場を舞台にしたラブストーリー『彼女は夢で踊る』

映画2020年10月24日

 新型コロナウイルスの影響で、東京での上映が延期されていた、広島発の映画『彼女は夢で踊る』が10月23日から公開された。  広島の老舗ストリップ劇場に閉館の時が迫っていた。社長の木下(加藤雅也)は、過去の華やかな時代や、自らの若き日(犬飼貴 … 続きを読む

page top