【インタビュー】The Brow Beat HAKUEI×Ryujiが語る3rdアルバム「Adam」 「一生の思い出に残るぐらいの作品に」

2019年10月28日 / 12:00

 PENICILLINのHAKUEIトータルプロデュースの下、俳優・佐藤流司がアーティスト「Ryuji」として結成したバンドプロジェクト「The Brow Beat」の3rdアルバム「Adam」が2020年1月1日に発売される。1月10日からは東京・大阪・名古屋・福岡・札幌を回る「Zepp TOUR」、1月17日仙台でのRyuji BIRTHDAY LIVE、さらに東京凱旋LIVEとしてLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)での2daysも決定している。バンドがスタートして3年目、さらなる進化を続けるThe Brow BeatのHAKUEIとRyujiにアルバムに込めた思いを聞いた。

The Brow Beat

-3rdアルバム「Adam」の発売おめでとうございます。「Adam」というタイトルにはどんな思いが込められているんですか。

Ryuji “Adam(アダム)”の誕生から現在までを追っていくアルバムを作りたかったんです。その時間には、人類を作り上げてきたものや、システムや、実際に起きた事件というものがあって、それを表現したかった。そう考えていたときに上がってきた楽曲の1曲に「これが“Adam”にふさわしい」というものがあって、それを当てはめました。

-なるほど。楽曲的には、今回、これまでのアルバムよりも、よりロックっぽさが前面に出ている印象がありましたが、それは意識されたのでしょうか。

HAKUEI そこは意識したかもしれない。Ryujiくんはもともと役者で大成して、そこから世の中に知れた人だから、プロジェクトがスタートした当初は、彼のファンがロックに対して、バンドというものに対してどんな思いを持っているのかを気にしていたところが正直あったんです。でも、アルバムを作って、ツアーをやっていくうちに、意外とジャンルは関係ないんだなということが肌感として分かってきた。
 それで、今年の野音(日比谷野外音楽堂)で「サザンクロス」という曲をやったんです。あの曲は僕たちの自己満のような曲で(笑)、絶対に賛否両論あるだろうと思ったけれど、でもそれも表現の一つとして甘んじて受け入れる覚悟で発表してみた曲なんですが、すごく盛り上がったし、(その日のライブの)アンケートの結果を見ても好評だった。それって、きっと、僕らがやっているツインボーカルのスタイルとか、いろいろなピースがガッとハマって、その熱量やエネルギーがメッセージとして伝わった結果だと思います。
 そのときのお客さんの反応を受けて、よりThe Brow Beatとしてみずみずしい、生き生きとした表現ができるものをやるべきだと思って作っていたら、ロックバンドらしい曲がどんどん出てきましたね。

-アルバム内の楽曲についてもお聞かせください。まず「灯籠流し」。これは、今年の野音に合わせて配信された楽曲で、Ryujiさんが初めて作曲された曲ですね。どんなイメージから作った曲ですか。

Ryuji 「睡蓮」という楽曲のアンサーソングをイメージしました。「睡蓮」よりも、もう少しネガティブな歌にしたかった。それで、切なさのある曲調と楽器を用いて、2コーラス目のAメロに子どもの笑い声を入れたりということをして、物悲しい雰囲気を作り上げました。

-もう1曲のRyujiさん作曲の楽曲「ヤタガラスの影踏み」についても教えてください。

Ryuji 「ザ・聞きやすい曲」をコンセプトに作った曲です。俺自身、和楽器が大好きだということもあって、和風な耳なじみの良い、キャッチーなメロディーを乗せたナンバーがほしいと思って作りました。Bメロに(童謡の)「かごめかごめ」のメロディーと歌詞をそのまま乗せていて、すごく日本的な曲調に仕上がったと思います。

-「L.R」は「サザンクロス」に続く、ロックな楽曲で印象に残っています。

Ryuji 最初に聞いたとき、俺も衝撃を受けました(笑)。

HAKUEI (「L.R.」の作曲を担当した)tatsuoくんに曲を書いてほしいという話をしたときに伝えた言葉通りの曲がきたので、遠慮がないなって(笑)。でも、すごく好きな感じだった。

-どんな注文をしたんですか。

HAKUEI それは言えない(笑)。でも、もうちょっとラウドなロックを容赦なくやりたいというようなことです。そうしたら、ゴリゴリな曲がきた(笑)。

-確かにゴリゴリではありますが、サビはポップで聞きやすいと思いました。

HAKUEI そこは守りたいと思っています。ロックバンドってものすごく自分たちの姿勢が反映されるものではあるけれども、聞いている人にも伝わらなければいけない。そこはエンターテインメントとして成立していないと、どんな音楽もやっていけないと思うので、そこは考えています。

-今回のアルバムでは、ツインボーカルの楽曲もこれまでよりも多いですね。

HAKUEI 制作する流れで自然にこうなってきました。でも、(HAKUEIとRyujiは)声のコントラストやカラーが全然違うので、意味のあるツインボーカルになっていると思います。それが、3枚目にしてだんだん分かってきた。なので、表現の一つとして、いろいろな曲で使い始めているという感じです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

宮藤官九郎「人間らしく生きる、それだけでいいんじゃないか」 渡辺大知「ドラマに出てくる人たち、みんなを好きになってもらえたら」 ドラマ「季節のない街」【インタビュー】

ドラマ2024年4月26日

 宮藤官九郎が企画・監督・脚本を手掛けたドラマ「季節のない街」が、毎週金曜深夜24時42分からテレ東系で放送中だ。本作は、山本周五郎の同名小説をベースに、舞台となる“街”を12年前に起きた災害を経て建てられた仮設住宅のある“街”へと置き換え … 続きを読む

【週末映画コラム】全く予測がつかない展開を見せる『悪は存在しない』/“反面教師映画”『ゴジラ×コング 新たなる帝国』

映画2024年4月26日

『悪は存在しない』(4月26日公開)  自然豊かな高原に位置する長野県水挽町は、東京からもそう遠くないため移住者が増加し、緩やかに発展している。代々その地に暮らす巧(大美賀均)は、娘の花(西川玲)と共に自然のサイクルに合わせたつつましい生活 … 続きを読む

志田音々「仮面ライダーギーツ」から『THE 仮面ライダー展』埼玉スペシャルアンバサダーに「埼玉県出身者として誇りに思います」【インタビュー】

イベント2024年4月25日

 埼玉県所沢市の「ところざわサクラタウン」内「角川武蔵野ミュージアム」3Fの EJアニメミュージアムで、半世紀を超える「仮面ライダー」の魅力と歴史を紹介する展覧会『THE 仮面ライダー展』が開催中だ。その埼玉スペシャルアンバサダーを務めるの … 続きを読む

岩田剛典 花岡の謝罪は「すべてが集約された大事なシーン」初の朝ドラで主人公・寅子の同級生・花岡悟を熱演 連続テレビ小説「虎に翼」【インタビュー】

ドラマ2024年4月25日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「虎に翼」。明律大学女子部を卒業した主人公・猪爪寅子(伊藤沙莉)は、同級生たちと共に法学部へ進学。男子学生と一緒に法律を学び始めた。そんな寅子の前に現れたのが、同級生の花岡悟だ。これから寅子と関わっていく … 続きを読む

瀬戸利樹、セラピスト役は「マッチョな体も見どころ」 役作りは「実際に施術を見学して、レクチャーを受けました」

ドラマ2024年4月24日

 現在放送中のドラマ「買われた男」で主演を務める瀬戸利樹が取材に応じ、本作の魅力や役作りについて語った。  本作は、三並央実氏と芹沢由紀子氏による漫画『買われた男~女性限定快感セラピスト~』が原作。セックスレスの主婦、芸能人、女社長、風俗嬢 … 続きを読む

Willfriends

page top