「第39回はほぼ全編、志ん生=孝蔵のシーン。驚きました」森山未來(美濃部孝蔵)「森山未來の芝居は絶品」大根仁(演出)【「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」インタビュー】

2019年10月13日 / 10:00

-おなじみの落語「富久」も演じるそうですね。

森山 むちゃぶりです(笑)。小松勝(仲野太賀)をめぐる伏線の回収が主で、そこに志ん生の「富久」が乗っかってくる。その「富久」で、僕は孝蔵として何か大きな到達点を迎えなければいけないのですが、そこに至るまでの心境の変化がそれほど描写されていなくて…。「なんとかせえよ、おまえ」と言われている感じがすごい(笑)。第13回でやった「富久」は、酔った状態で披露した初高座。だから、破れかぶれでよかったのですが、今回はそういう訳にはいかない。そこからの成長や到達点みたいなものを、うまく見せられたら…と思っています。

-大根監督から見た第39回の森山未來さんの演技はいかがでしたか。

大根 未來には細かい演出をするのが恥ずかしいので、よほどのことがなければ何も言わないのですが、どういう編集になるのかだけは説明しました。また、「富久」の前に圓生の「居残り佐平次」を撮ったのですが、七之助さんが実に素晴らしかった。エキストラのお客さんたちが引き込まれている様子を見て、未來も火がついたのではないでしょうか。その結果、最高の「富久」になりました。未來のことはあまり褒めませんが、ここは言っておきます。「森山未來の芝居は絶品」(笑)。

-第39回を演出するに当たって、こだわった点や見どころを教えてください。

大根 見どころはやはり、森山未來、中村七之助、仲野太賀の初共演とは思えない、俳優として全ての相性がマッチした演技です。途中から演技とは思えなくなりました。僕はもともと、男同士の“バディもの”が大好き。そこには、男女の関係性とは異なる独特の色気が役者同士の間に漂うんです。そういう意味で、圓生の「居残り佐平次」から志ん生の「富久」を経て、勝の“ある行動”へ…という流れは、宮藤さんの脚本も見事でしたが、役者、演出、スタッフの「脚本を超える!」という思いが一つになったいいシーンだと思います。

(取材・文/井上健一)

 

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