エンターテインメント・ウェブマガジン
2000年に大人計画を主宰する松尾スズキによる本格ミュージカルとしてBunkamuraシアターコクーンで初演されて以降、再演を重ねている「キレイ-神様と待ち合わせした女-」。12月4日からは、キャストを新たに4度目の上演がスタートする。戦争・民族紛争・少女監禁といった独特な設定やストーリーを、松尾ならではの視点で描き、演劇界に大きな衝撃を与えた本作に、初演時から出演し、今回はマジシャン役を演じる阿部サダヲに、公演への意気込みを聞いた。
4度目ではあるのですが、毎回同じ役ではないので、すごく新鮮に感じています。まさか自分がマジシャンという役をやると思っていなかったのでこの役をやれることも、そして、初演時に僕が演じたハリコナという役を、今回は神木(隆之介)くんがやるのも楽しみです。僕が初演でハリコナを演じたときは、30歳だったのですが、改めてすごいことだなと思っています。初演から20年近くたっているということですから。
何回上演しても面白いし、色あせないことだと思います。20年近く前の作品なのに、現在に通じるような事件が描かれていて、古い作品だと思えない。場所も特定していないし、時代も分からない作品ですが、だからこそ、いつの時代にもマッチする。なんとも不思議な作品だと思います。今回、マジシャンを演じるので、マジシャン側で考えてみれば、マジシャンのような事件を起こす人も世の中にはいるでしょうし、彼のような悲しい人、思いがかなわない人も現在にも存在すると思うので、共感できる部分もあるのではないかと思います。
今までまったく意識していなかったから、全部意識していますよ(笑)。でも、(本作は)これまで3回上演されていますが、3回ともマジシャン役は違う方がやっていて、三者三様だったと思うので、やりようはたくさんあると思っています。
初めてなんですよね、演出に懸けているというのは。なので、実際にはどうなるかは分からないですが(笑)、ただ、本気のミュージカルをやろうとはしているんだと思います。まあ、本気とはいっても、松尾さんは本気でおかしいことをやるのが大好きなので、笑いの部分でも持ってくるのかなと思いますが。いずれにしろ、今までの焼き直しではないと思います。
実は、生田さんとの共演は今回が初めてなんです。なので、まだお会いできていないのですが、すごく明るくて、ミュージカルを得意としている方だという印象があります。でも、現役のアイドルである生田さんがケガレを演じるのはすごく難しいと思うんです。普段のイメージとは全く違う役柄ですから。それをどう演じるのか、楽しみです。
今のところ、そんなに変化はないと思います。ただ、たくさんの年代、いろいろなタイプの役者の皆さんとご一緒できたことは、勉強になりました。(「いだてん」は)世界を舞台にした話なので、(現場には)たくさん外国の方もいらっしゃって、いろいろな国の人の話を聞くことができましたし、僕にはない感覚で演技されている方もいて、面白かったです。よく、こういったインタビューで「どういうふうにせりふを覚えますか」という質問をされるのですが、「いだてん」の収録中は、ほかの方がやっているというやり方をいろいろと試してみました(笑)。演技や考えではないですが、そういうチャレンジはしてみました。せりふを書いてみたり、せりふを自分で読んで録音して聞いてみたり…。でも、結局は僕には合いませんでした(笑)。やっぱり、自分が長くやってきたやり方が一番でした。
映画2025年12月5日
戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月4日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。 主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月30日
今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む