【インタビュー】ドラマ「少年寅次郎」脚本・岡田惠和「この父母の間で生きてきたから、あの寅さんになるんだなと思いました」

2019年10月18日 / 17:00

-今回、寅次郎の養母・光子を演じた井上真央さんはいかがですか。

 役に気持ちが入っているのが分かるから、こちらもいいものを見ている気持ちになります。彼女は頭の天辺から足の爪先まで、車光子という人になっていて、本当の母親のように見えるところが素晴らしい。それから、令和にこんな子がいたのか、という寅次郎役の子もいいですよ。映画でもおなじみの、おいちゃんとおばちゃんを、泉澤祐希くんと、岸井ゆきのさんに。お二人のキャスティングは希望しました。期待以上のかわいい夫婦になっています。また、映画ではミヤコ蝶々さんが演じた寅次郎の実の母親の役を今回は山田真歩さんが演じていますが、彼女も素晴らしいです。自分の子どもではないのに、ほかのきょうだいと変わらず愛して育ててくれた母親への思いが、寅さんの女性観というか、女性をリスペクトするフェミニストとしての面を形成したのでしょう。このドラマを通してそうした背景が見えればいいなと思います。

-今回の物語の中で描きたかった家族像とは?

 実は寅次郎の誕生自体にも、お父さんが芸者さんに生ませて、その人が捨てていった子を、真央さん演じる光子が育てる。そんな状況下でも一緒にいて、寅次郎を疎ましく思う父親という、毒が含まれているので、決して温かくて能天気な家族の話ではありません。だから書いていて、結構スパイシーだなと感じました。その中にある母と息子の絆が泣けるんですけど、そういう意味では、自分の中でもあまり書いたことのない家族像だったので面白かったです。この父母の間で生きてきたから、あの寅さんになるんだなという感じにはなっていると思います。何でこの人は限りなく優しいんだろうということが、ドラマを見た人にも感じてもらえればいいと思います。

(取材・文/田中雄二)

寅次郎の養母・車光子を演じた井上真央

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

ドラマ「LOST10」脚本・奥寺佐渡子×監督・塚原あゆ子 横浜流星と小栗旬が演じるバディの魅力と制作の舞台裏を語る【インタビュー】

ドラマ2026年10月16日

-横浜さんと小栗さんが演じたことで、キャラクターの印象は変わりましたか。 塚原 小駒は田舎の刑事で出世したいという設定があって、うだつが上がらない感じに近いのかなと思っていたのですが、横浜さんは身体能力に長けていて山をぐんぐん登るので、その … 続きを読む

磯村勇斗「吉田監督の世界に入れることが楽しみでした」吉田恵輔監督「磯村くんは思考が自分に近い」初顔合わせの舞台裏『mentor』【インタビュー】

映画2026年10月15日

-そして、子どもの頃、一緒に事件を起こして以来、疎遠になっていた拓海との再会は、アーチェリーに打ち込む龍之介の人生を次第に狂わせていきます。 磯村 末澤くんとは初共演で、龍之介と拓海が再会する場面は僕たちにとっても初めて一緒にお芝居するシー … 続きを読む

キタオ・サクライ監督「自分が夢中になってプレーしていた、子どもの頃の高揚感を生かしたいと思いました」『ストリートファイター/ザ・ムービー』【インタビュー】

映画2026年10月15日

-人気ゲームを映画化するプレッシャーは? 映画化に際して、気を付けたことや心掛けたことはありましたか。  もちろんプレッシャーはありました。正統な撮り方としては、きちんとシリアスに向き合って、原作というか元ネタを、すごくリアルなアクションや … 続きを読む

山下幸輝、初めての舞台出演への思い「踏み込んで挑戦しよう」 福田雄一演出のコメディーで「笑わせたい」ミュージカル「モンティ・パイソンのSPAMALOT」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月15日

-主演を務める岩田さんとは以前に共演経験がありますね。岩田さんの印象を教えてください。  共演はしていてもお芝居での絡みはなかったんです。なので、これから仲を深めていけたらと思っていますが、ダンスがめちゃくちゃうまい方だなと思います。僕とは … 続きを読む

西川美和監督、小八重葵美「子どもたちが本当にみずみずしくて素晴らしいので、ぜひそれを映画館に見に来ていただきたいと思います」『わたしの知らない子どもたち』【インタビュー】

映画2026年10月15日

-今回は、二階堂ふみさんが演じた教師の曽根と生徒の琴子という2人のヒロインがいましたが、その意図はどこにあったのでしょうか。 西川 曽根先生をもうひとつの主軸にしようと思ったのは結構後からでした。最初は、子どもたちだけのサバイバルの物語とし … 続きを読む

page top