『男はつらいよ』寅さんの少年時代をドラマ化 井上真央「こういう形で携わることができてうれしい」

2019年10月8日 / 15:04

(左から)泉澤祐希、岸井ゆきの、井上真央、藤原颯音、毎熊克哉

 NHK土曜ドラマ「少年寅次郎」試写会が7日、東京都内で行われ、出演者の井上真央、毎熊克哉、泉澤祐希、岸井ゆきの、藤原颯音、制作統括の小松昌代氏、演出の本木一博氏が会見に出席した。

 本作は、国民的映画シリーズ『男はつらいよ』の生みの親・山田洋次監督の小説『悪童 小説 寅次郎の告白』を原作に、主人公の寅さんこと車寅次郎の少年時代を描く。

 小松氏がドラマ化の相談に行った際、山田監督から開口一番「(寅次郎を演じる)子役がなぁ…。いるかね?」と言われ、探しに探した末、「令和の時代によくいてくれた」と見つけたのが藤原。映画版で寅さんを演じた渥美清をそのまま小さくしたような風貌に、本木氏も「これで何とかなると思った」という。

 店先に置き去りにされた寅次郎をわが子として育てる母・光子を演じる井上は「初めて見た映画が『男はつらいよ』。シリーズ50周年にこういう形で携わることができてうれしい」と喜びを語った。

 「一番楽しかったシーン」を尋ねられると、「全部楽しかったんですけど…」と悩み、「寅ちゃんはどこ?」と藤原に助けを求めた。これに藤原が「最初にご飯を食べるシーン」と答えると、「『もっと早く食え!』と監督に怒られていたね」と笑顔を見せた。

 一方、光子の夫・平造を演じる毎熊は「寅(藤原)とは話をしないで過ごそうと思っていたが、『お父ちゃん、お父ちゃん』とどこでも付いてくる。諦めて、学校や宿題の話などをするようにした。本当に自分がおやじになったような気がした」と、撮影の思い出を語った。

 また、映画でもおなじみの、おいちゃんこと竜造と、おばちゃんことつねの若き日を演じるのが、泉澤と岸井。泣くシーンで藤原から「どうやったら泣けるの?」と質問された泉澤は、「心のスイッチを押す」という意味で「ここ(胸)にあるスイッチを押せばいいんだよ」とアドバイス。すると、藤原は本当に自分の胸を手で押していたと、ほほ笑ましいエピソードを披露した。

 岸井は、寅次郎の妹・さくらが生まれる場面のリハーサルで、赤ちゃんの人形を見た藤原から「この人形は生きていないの?」と聞かれたことを告白。「寅が笑うと現場の雰囲気が明るくなった」と撮影を振り返った。

 ドラマは10月19日午後9時からNHK総合で放送スタート(全5話)。


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