エンターテインメント・ウェブマガジン
ストックホルムオリンピックを終えた金栗四三(中村勘九郎)は日本に帰国。時代は明治から大正に移り、世の中には新しい風が吹き始める。その流れの中で、四三の前に新たに姿を見せるのが、東京女子高等師範学校で助教授を務める二階堂トクヨだ。トクヨは今後、男性中心の世の中で女子体育の普及に尽力するなど、日本のスポーツ発展に大きな役割を果たすことになる。演じる寺島しのぶが、トクヨのユニークなキャラクターや演技の舞台裏について語ってくれた。
トクヨさんは元気があって声も大きく、覇気のある女性です。今まで、登場人物は男性が中心で、男性に立ち向かっていくような女性はほとんどいませんでした。その分、インパクトのある存在になるので、初登場の場面は大事にしたいと思っていました。だから、大勢の男性がいる中で、ズバッと意見を言って「なんだ、この人?」と思わせる雰囲気はしっかり出したいなと思っていました。インパクトを与えられたのならうれしいです。
とても勝ち気な人です。周囲はほとんど男性という時代に生きていた女性であるにもかかわらず、自分の主張をきちんと持っています。その上、男の人を叱咤(しった)するようなせりふが加わるので、初めのうちは怒鳴ってばかり。ただ、演じるのはとても爽快ですね(笑)。
今の日本女子体育大学を創立するとともに、女子のオリンピック選手を数多く送り出すなど、歴史を作った女性です。でも、もともとは文学好きな女性で国語の先生になるつもりでした。それが、なぜか赴任した学校で体育の担当にさせられてしまった。それをきっかけに体操に打ち込んだ結果、病弱だった体が丈夫になったことから、男性と同様、女子の教育にも体育を取り入れるべきだ、と大きく考えが変わっていったようです。
世界に通用するようなことをしなければいけないと考えていたのではないでしょうか。文学少女だったので、いろいろな本を読んだりして、オリンピックに関する知識はあったと思うんです。だから、「オリンピックといえば世界のもの。出る以上は世界に通用することをしなければいけないし、日本の恥をさらすわけにはいかない」という考えを持っていた。にもかかわらず、金栗さんは恥をさらしてしまった。だから「そういうことでは困る」と。トクヨさんも当時の日本人として、そういう誇りは持っていたでしょうから。
永井先生はトクヨさんの恩師に当たる人で、第14回では早速、イギリスに留学させてくれました。にもかかわらず、海外でいろいろなものを吸収して帰ってきたトクヨさんから、永井先生は「あなたはもう古い!」と言われてしまうんですね(笑)。最初の頃は、2人でそんなバトルを何度も繰り広げます。師弟なのにそういう関係になるところが面白いな…と。哲太さんとは今まで何度も共演しているので、とてもやりやすく、楽しんで演じています。
舞台・ミュージカル2025年12月10日
元禄時代に実際に起こった仇(あだ)討ちを題材に歌舞伎などで取り上げられて以来、何度もドラマ化、映画化、舞台化されてきた屈指の名作「忠臣蔵」が、上川隆也主演、堤幸彦演出によって舞台化される。今回、吉良上野介を演じるのは、高橋克典。高橋はデビ … 続きを読む
ドラマ2025年12月8日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。謎の絵師“写楽”が、蔦重の下で歌麿(染谷将太)ら当 … 続きを読む
映画2025年12月5日
戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月4日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。 主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む