【インタビュー】『ビブリア古書堂の事件手帖』黒木華×野村周平、原作の実写映画化は「プレッシャー」突破口は“内面”と“直感”による役へのアプローチ

2018年10月30日 / 16:48

 ビブリア古書堂の店主・栞子(黒木華)と店で働く青年・大輔(野村周平)が、50年前の過去に隠された夏目漱石のサイン本の秘密と、現代で何者かに狙われる太宰治の希少本に秘められた真実を解き明かしていく姿を描いた映画『ビブリア古書堂の事件手帖』(11月1日公開)。本作で初共演する黒木と野村に、それぞれの印象や撮影時のエピソード、原作の実写化に対する率直な思いを聞いた。

野村周平 ヘアメイク:NORI/スタイリスト:猪塚慶太、黒木華 ヘアメイク:新井克英/スタイリスト:島津由行

-初共演でダブル主演を務めましたが、お互いの印象はいかがでしたか。

野村 最初はおしとやかで、寡黙な人で、僕みたいなにぎやかな人は苦手だろうなと思っていたけど、そんなこともなく、こんなに子どもっぽい僕でも温かく包み込んでくれて、女神みたいな人でした。

-最初からグイッと距離を縮められたのですか。

野村 でっかいショベルだといき過ぎちゃうので、小さいスコップでガリガリと様子をうかがいないながら掘っていく感じでした(笑)。

黒木 最初はグイグイこられたらどうしようと思っていたのですが、実際は、すごく気を使って現場を盛り上げてくださる方で助かりました。ムードメーカーなので現場にいらっしゃらないときは寂しかったです。うそがないから信頼もできますし、こんな弟がいたらいいなと思いました。

-本好きで静かなたたずまいの栞子役は黒木さんにぴったりでしたが、役へのアプローチでこだわったところはどこでしょうか。

黒木 うれしいです。ありがとうございます(笑)。栞子は人見知りで内向的なので、そこを表現するために眼鏡の上げ方や、髪をかき上げるしぐさ、困ったときに下を向く癖などにはこだわりました。

-三島有紀子監督から直接指導も受けましたか。

黒木 普段の栞子と謎解きをするミステリアスな部分のメリハリをはっきりさせてほしいというリクエストがあったので、本のことや興味のあることになると、周りが見えなくなって早口になるなど、相談しながら作り込んでいきました。

-大輔は原作とは風貌が全く違いますよね。

野村 そうなんですよ。監督と話して、今回はあえて原作を読まずに役作りをしたんですが、撮影が終わってから原作を読んだら、大輔は柔道をやっていて、めちゃめちゃゴリマッチョで、短髪で身長も高いことを知ってびっくりしました。それを知っていたら変に影響されるので、読まなくてよかったです(笑)。

-ただ、活字恐怖症で実直な大輔のキャラクターは、やはり野村さんらしさが出ているように思いました。どのような役作りを?

野村 僕は直感で動くタイプなので、事前に役作りをするよりも、現場で「見て!こういうのどうですか?」と提案する感じでやっていました。あとは信頼している三島監督の指示を守っていたらこうなったので本当に感謝しています。

-小説や漫画の実写化に対しては、プレッシャーを感じる方と、原作と映画は完全に別物と捉えてフラットな気持ちで挑む方がいますが、お二人はいかがですか。

野村 プレッシャーは感じるし、自分が演じるとなるとやっぱり大変ですよ。だから、なるべくイメージに近いキャスティングをしてほしいです(笑)。でも今回は割り切って僕なりの大輔をやらせてもらいました。

黒木 私もプレッシャーは感じます。特に今回のような“美人”って難しいですよね。ただ、黒髪ストレートや眼鏡など、できるだけビジュアルはくみ取りつつ、自分らしい栞子をきちんと演じることを心掛けました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

 毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

 韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。  地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む

「光る君へ」第四十三回「輝きののちに」若い世代と向き合うまひろと道長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。  病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む

「ローマの共和制の問題点は、今の世界が直面している数々の問題と重なる部分が多い」『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』コニー・ニールセン【インタビュー】

映画2024年11月15日

 古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、剣闘士(グラディエーター)として壮絶な戦いに身を投じる男の姿を描いたスペクタクルアクション『グラディエーター』。巨匠リドリー・スコットが監督し、アカデミー賞で作品賞や主演男優賞など5 … 続きを読む

Willfriends

page top