エンターテインメント・ウェブマガジン
コメディーからヒューマンドラマまで、幅広い活躍を見せる女優・知英の主演映画『殺る女』が、10月27日にシネ・リーブル池袋ほか全国公開された。作品ごとに多彩な演技を披露してきた彼女が新たに挑んだ本作は、幼い頃に両親の命を奪った男を探し求める殺し屋・愛子の復讐(ふくしゅう)を描いたバイオレンス・エンターテインメントだ。公開に先駆け、心に闇を抱えた寡黙な殺し屋・愛子役に挑戦した本作の舞台裏を聞いた。
女優を始めてからずっと、アクション映画をやりたいと言い続けていたんです。今までもアクションの経験はありますが、主演ではありませんでした。台本を読んでみたら、復讐もので主人公の愛子は闇を抱えている。皆さんが抱いている私のイメージからかけ離れているところに、とても引かれました。
「なぜ私なんですか?」と聞いてみたら、「英語も日本語も使える国籍不明の役。しかもアクションもこなす。この役は知英さんしかないと思った」といううれしい言葉を頂きました。
まず、愛子が幼い頃に経験した事件がどんなものだったのか、それを理解しようと思いました。さらに、脚本には幼い頃の愛子と現在の愛子は描かれていますが、その間がありません。中学生や高校生の頃の愛子はどんな人だったのか、どんな痛みや傷を背負って生きてきたのか。きっと普通とは違う人生を送ってきたはず。そういうことを理解するため、監督から愛子に関する詳しい説明を聞き、不足している部分は自分の想像で補いました。
愛子は感情表現に乏しいけれど、深いところで痛みを抱えている。それが強がっているように見えるところは、私も似ているんじゃないかなと。監督からも「グループのときのイメージからは遠いかもしれないけど、きっと知英さんにも愛子に似た部分はあると思う」と言われました。
寡黙な殺し屋ということで、せりふで語るのではなく、全てを表情で表現しなければなりません。とはいえ、愛子はそれほど表情が豊かというわけではない。そういう役はこれまで演じたことがなかったので、難しかったです。だから、ずっと監督に確認しながら演じていました。
普段は冷静な愛子が号泣しながら感情を爆発させる場面があるのですが、実は台本には詳しいことが書かれていなかったんです。そこで、どうするか監督と話し合っていく中で、私から「思い切り感情を爆発させた方がいいのでは」と提案し、劇中のような形になりました。だから、その場面は「私だったらこうなるだろうな」という部分が反映されています。お客さんにその気持ちをどう見せたらいいのか、ものすごく考えて演じましたが、今でもその感情を言葉で表現できないほど、自分自身が出たシーンになっています。
映画2025年12月28日
今回は、筆者の独断と偏見による「2025年公開映画ベストテン」を発表し、今年を締めくくりたいと思う。 【外国映画】 2025年公開の外国映画を振り返った時に、今年の米アカデミー賞での受賞作は最近の映画界の傾向を象徴するようで興味深いもの … 続きを読む
ドラマ2025年12月26日
今年のヒットドラマ、Netflixシリーズ「おつかれさま」。子どもから親へと成長していく女性の人生とその家族を描き、幅広い世代から支持され大きな話題を呼んだ。IU(アイユー)との二人一役で主人公エスンを演じたムン・ソリに、ドラマの振り返り … 続きを読む
映画2025年12月24日
脚本家としても著名な荒井晴彦監督が、『花腐し』(23)に続いて綾野剛を主演に迎え、作家・吉行淳之介の同名小説を映画化した『星と月は天の穴』が12月19日から全国公開された。過去の恋愛経験から女性を愛することを恐れながらも愛されたい願望をこ … 続きを読む
映画2025年12月23日
2014年1月にスタートしたテレビ朝日系列の大ヒットドラマ「緊急取調室」。たたき上げの取調官・真壁有希子が、可視化設備の整った特別取調室で取り調べを行う専門チーム「緊急事案対応取調班(通称:キントリ)」のメンバーとともに、数々の凶悪犯と一 … 続きを読む
映画2025年12月20日
『楓』(12月19日公開) 須永恵と恋人の木下亜子は、共通の趣味である天文の本や望遠鏡に囲まれながら幸せな日々を送っていた。しかし実は本当の恵は1カ月前にニュージーランドで事故死しており、現在亜子と一緒にいるのは、恵のふりをした双子の兄・ … 続きを読む