【映画コラム】“自分を変えること”の難しさと素晴らしさを描いた『サウスポー』

映画2016年6月4日

 プロボクシングの元世界チャンピオンの葛藤と再起を描いた『サウスポー』が公開された。  ニューヨーク、ヘルズキッチンの養護施設出身のボクサー、ビリー・ホープ(ジェイク・ギレンホール)は、怒りをエネルギーに変えて相手を倒すというスタイルで世界 … 続きを読む

【コラム 2016年注目の俳優たち】第3回 柳楽優弥 『誰も知らない』から“誰もが認める”俳優へ『ディストラクション・ベイビーズ』他

映画2016年5月30日

 ひたすらけんかに明け暮れる青年を、ほぼせりふなしで演じた『ディストラクション・ベイビーズ』。ヒロインに思いを寄せるネクラな大学生役で出演したアクションコメディー『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』。風俗店に勤務しながら東大を目指し … 続きを読む

【映画コラム】死を通して生を考える喜劇『神様メール』と『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』

映画2016年5月28日

 どちらもベルギーのブリュッセルを舞台に、シュールでブラックなコメディーの形を借りて、人間の生と死について描いた二作が相次いで公開された。  まずは、『トト・ザ・ヒーロー』(91)『八日目』(96)などで知られるベルギーの鬼才ジャコ・ヴァン … 続きを読む

【映画コラム】みんなが成りたかった大人に成れるわけじゃない『海よりもまだ深く』

映画2016年5月21日

 『そして父になる』(13)『海街diary』(15)に続く、是枝裕和監督の家族映画『海よりもまだ深く』が公開された。タイトルはテレサ・テンの「別れの予感」の一節から取られている。  本作の主人公は、いい年をした売れない小説家の篠田良多(阿 … 続きを読む

【コラム 2016年注目の俳優たち】第2回 新井浩文&深水元基 三谷ワールドで異彩を放つ「真田丸」

ドラマ2016年5月16日

 1月の放送開始以来、快調な展開を見せている大河ドラマ「真田丸」。  第14回「大坂」からは舞台を大坂に移し、豊臣一門の人々が表舞台に登場してきた。演じる多彩な俳優陣の顔ぶれも好評で、豊臣秀吉役の小日向文世を筆頭に、石田三成に山本耕史、大谷 … 続きを読む

【映画コラム】無名の者たちの心意気や生きた証しを描いた『殿、利息でござる!』

映画2016年5月14日

 磯田道史の評伝集『無私の日本人』所収の短編を映画化した『殿、利息でござる!』が公開された。監督、脚色の中村義洋が、笑いあり涙ありの痛快娯楽時代劇として仕上げている。  江戸時代中期、重い年貢の取立てや労役で疲弊した仙台藩の宿場町、吉岡宿。 … 続きを読む

【コラム 2016年注目の俳優たち】第1回 松岡茉優&伊藤沙莉 “嫌なヤツ”は名女優への道 『その「おこだわり」、私にもくれよ!!』

ドラマ2016年5月10日

 テレビ東京ほかで毎週金曜深夜0時52分に放送中の『その「おこだわり」、私にもくれよ!!』が面白い。  清野とおるの同名漫画を基に、日常生活の中で自分だけのこだわりを持つ「おこだわり人」を紹介するバラエティー番組…を装った疑似ドキュメンタリ … 続きを読む

【映画コラム】事件の背景や人間模様をじっくりと描いた『64−ロクヨン−前編』

映画2016年5月7日

 『半落ち』『クライマーズ・ハイ』などを著した元新聞記者の横山秀夫の原作を、2部作で映画化した『64−ロクヨン−前編』が公開された。『アントキノイノチ』(11)などの瀬々敬久が監督、脚色を担当している。  昭和天皇の崩御によって、たった7日 … 続きを読む

【映画コラム】再生をテーマにしたスピリチュアルなミステリー『追憶の森』

映画2016年4月30日

 日本の青木ヶ原樹海を舞台に、ガス・ヴァン・サント監督が、マシュー・マコノヒーと渡辺謙の共演で描いたミステリー映画『追憶の森』が公開された。  妻(ナオミ・ワッツ)を亡くし、彼女に対する罪の意識から自殺することを考えたアーサー(マコノヒー) … 続きを読む

【映画コラム】何もかも奪われた時、人は何になるのか…『レヴェナント 蘇えりし者』

映画2016年4月23日

 レオナルド・ディカプリオが“5度目の正直”でアカデミー賞の主演男優賞を受賞した『レヴェナント 蘇えりし者』が公開された。音楽は坂本龍一が担当している。  1823年、ヒュー・グラス(ディカプリオ)は、先住民の妻との間に生まれた息子のホーク … 続きを読む

【コラム】「真田丸」と『清須会議』『ギャラクシー街道』の意外な関係とは!?

ドラマ2016年4月19日

 10日放送分から舞台を大坂に移し、新たな人物も多数登場した大河ドラマ「真田丸」。脚本の三谷幸喜は、群像劇を得意とし、演じる俳優をイメージしながら脚本を書く“当て書き”をすることでも知られている。  例えば、三谷が監督した『清須会議』(13 … 続きを読む

【映画コラム】 映画の持つ力や良心を信じてみたくなる『スポットライト 世紀のスクープ』

映画2016年4月16日

 今年度のアカデミー賞で作品賞と脚本賞を受賞した『スポットライト 世紀のスクープ』が公開された。  2002年、米ボストン・グローブ紙の特集記事「スポットライト」のチームが、カトリック教会の神父たちによる児童への性的虐待を、教会が組織ぐるみ … 続きを読む

【映画コラム】母子役の演技のキャッチボールが素晴らしい『ルーム』

映画2016年4月10日

 7年間小さな「部屋」に監禁され続けた母子の脱出とその後を描いた『ルーム』が公開された。  小さな部屋で暮らすママ(ブリー・ラーソン)と5歳のジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)。だが二人の世界の全てはこの部屋の中だけだった。ママは17歳の … 続きを読む

【コラム】「山南敬助」と「土方歳三」が再び相まみえる日 「真田丸」堺雅人と山本耕史の共演に注目!

ドラマ2016年4月8日

 「真田丸」が4月10日放送分から大坂編に突入する。小日向文世(豊臣秀吉)、竹内結子(茶々)、鈴木京香(寧)と、豪華なキャストがそろった。堺雅人演じる真田信繁と、どんなやり取りが見られるのだろう。「半沢直樹」で相対した、堺と片岡愛之助(大谷 … 続きを読む

【映画コラム】普遍的なテーマを内包したエロチックな寓話『蜜のあわれ』

映画2016年4月2日

 室生犀星の幻想小説を映画化した『蜜のあわれ』が公開された。監督は石井岳龍。  自分のことを「あたい」と呼ぶ愛くるしい赤井赤子(二階堂ふみ)と、赤子から「おじさま」と呼ばれる老作家(大杉漣)。親子以上に年の離れた二人は、とめどない会話を交わ … 続きを読む

【映画コラム】アメリカが抱えるジレンマを如実に反映した『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』

映画2016年3月26日

 スーパーマンの実写シリーズの再始動作品『マン・オブ・スティール』(13)の続編に当たる『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』が公開された。     前作で、異星人による地球侵略を防いだスーパーマン(ヘンリー・カビル) … 続きを読む

【映画コラム】広瀬すずの切れ味鋭い動きに魅了される『ちはやふる-上の句-』

映画2016年3月19日

 末次由紀の人気コミックを実写映画化。競技かるたをテーマにした青春ドラマの前編『ちはやふる-上の句-』が公開された。監督は小泉徳宏。  私事だが、先日、競技かるた好きのフランス人女子大生の来日の様子を追ったテレビ番組を見ながら、この競技はま … 続きを読む

【映画コラム】久しぶりに『男はつらいよ』の味わいがよみがえった『家族はつらいよ』

映画2016年3月12日

 山田洋次監督が約20年ぶりに撮った本格喜劇『家族はつらいよ』が公開された。  結婚50年を迎えて、いきなり妻(吉行和子)から離婚を切り出された夫(橋爪功)、夫婦げんかが絶えない長男夫婦(西村雅彦、夏川結衣)と長女夫婦(中嶋朋子、林家正蔵) … 続きを読む

【映画コラム】橋本環奈参上! 角川アイドル映画の伝統をよみがえらせた『セーラー服と機関銃 -卒業-』

映画2016年3月5日

 1981年に公開され、薬師丸ひろ子の人気を不動のものとした赤川次郎原作の『セーラー服と機関銃』。その続編に当たる、橋本環奈主演の『セーラー服と機関銃 -卒業-』が、角川映画40周年記念作品として公開された。  前作『セーラー服と機関銃』は … 続きを読む

【映画コラム】2時間48分を飽きさせないタランティーノの力業『ヘイトフル・エイト』

映画2016年2月27日

 クエンティン・タランティーノ監督、脚本の密室ミステリー風の西部劇『ヘイトフル・エイト』が公開された。  時は南北戦争後、舞台は山の上の雑貨店。吹雪で足止めを食らい、一夜を共に過ごすことになった訳ありの7人の男と1人の女による群像劇だ。   … 続きを読む

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