【テレビの向こう側】藤原紀香からの提案に監督もドキドキ 城田優は“イケメン俳優”崩壊!?

2014年12月26日 / 17:41

 

「黒いパンテル」

―乾緑郎さん原作「黒いパンテル」の見どころは?

  これは4作品の中では、最も原作に忠実に再現することにプライドを懸けた作品です。戦隊ヒーロー物なので、コメディーかと思えば全然そんなことはなく、夢を忘れかけた中年オヤジたちへの人間賛歌というか、もう一度人生頑張ろうと思えるような奥深い作品になっています。城田優さんは、戦隊物の悪役になるべく監督がいろんな要素を乗っけていって、イケメン俳優をかなぐり捨てて、笑っちゃうぐらい面白い姿になっています。いまだかつて見たことのない城田優が見られるのではないでしょうか。

 

「ダイヤモンドダスト」

―安生正さん原作の「ダイヤモンドダスト」は、壮大なCGを駆使して撮影されたとか。 

  テレビドラマの枠を大きく越えた映像になっていると思います。実際に夜の撮影ばかりで、リアルに寒い現場でした(笑)。安生さんは、人間の恐怖心をあおるのがとてもお上手な作家さんですので、大寒波がやって来て極限状態に追い詰められた人間がどう生きるのかという、寓話(ぐうわ)的な話を短い尺で上手に表現してくださいました。

―主演のAKIRAさん、山本耕史さんのキャスティングの理由は?

 AKIRAさんは、スラッと背が高くていらっしゃるので、スーツ姿がさぞかっこいいだろうなと。そこで仕事もできるイケイケの勢いがあるエリートサラリーマンみたいなのをやってもらったら似合うのではないかなと思いました。対照的に頼りないサラリーマンを演じていただいた山本耕史さんですが、山本さんのお芝居の中で、最近あまり見ていないキャラクターですので、僕自身ぜひ見てみたいと思ったのがきっかけです。AKIRAさんと、山本さん、お二人のいいバランスを楽しんでいただけると思います。

―最後に、ドラマ制作者の立場から2014年放送のドラマの中で印象的だった作品を挙げるとしたら?

  「軍師官兵衛」(NHK総合)は、大河ドラマの主役があんなにヒールだったというのが斬新だし、金字塔ではないかなと思います。岡田准一さんの悪い笑顔がとても印象的で、数年ぶりに毎週欠かさず大河ドラマを全話見ました。一方、「素敵な選TAXI」(フジテレビ系)は衝撃でした。僕はコメディーが好きだし、まさにやりたいと思っていたようなことなので「やられた!」という感じではあったのですが、ただ自分に作り手としてそこに一歩踏み出せる勇気があるのかというと、その決断は結構リスキーだと思ってしまうなと。あそこまでのコメディーで、主役がずっとタクシーに乗っているわけで、企画を通す側からも見る側からも“深夜テイスト”だと言う人もいるでしょうから。「官兵衛」と「選TAXI」は対照的ではありますが、どちらも独自路線を歩んでいて、やりたい方向性にためらいがないと言いますか、個性が突出したものが受け入れられる傾向にあるのかなと考えさせられました。

 

◆【番組情報】
「このミステリーがすごい!~ベストセラー作家からの挑戦状~」
TBS系 12月29日(月)放送
午後9時~午後11時9分

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