エンターテインメント・ウェブマガジン
宝島社のミステリー&エンターテインメント小説の新人賞「このミステリーがすごい!」の大賞受賞作家4人による書き下ろし短編小説のドラマ化が実現した。TBS系で29日に「このミステリーがすごい!~ベストセラー作家からの挑戦状~」と題して放送される。原作者、監督、出演者。そのラインアップは、2014年のドラマの締めくくりにふさわしい豪華さだ。同番組の高橋正尚プロデューサーに、番組の見どころや制作秘話を聞いた。
正直なところ、原作とは全くテイストが違います。今回ドラマ化に当たり、海堂さんだけでなく原作者の皆さんが「自由にどうぞ」と言ってくださったので、こちらもある程度自由にやらせていただいた部分も多いです。もちろん大作家の皆さんなので、原作のニュアンスも大切にしつつ作らせていただきました。「カシオペア」に関して言えば、軽妙な会話劇という点では原作のままなのですが、ドラマ版ではよりキャラクターのコメディー色を強め、面白いシーンをふんだんに盛り込んでいます。
―撮影現場はどんな雰囲気だったのでしょうか?
主演の藤原紀香さんは、ここぞという局面では必ず演技プランを二つ提案されて、「AとB、どちらがいいですか」と確認されるそうなんです。大谷(健太郎)監督は紀香さんが本当はどちらを望んでいるのかとドキドキしながら、「じゃあAで」と言うと「私もそう思っていたの」とおっしゃるということが何回かあったそうです(笑)。そういう意味ではやりたい方向性がお二人の中で一致していたので、僕も撮影現場に行きましたが、和気あいあいと楽しそうな現場でした。
―吉田栄作さんがコメディー色の強い役柄を演じるイメージがあまりなかったので、そこにも新しさを感じます。
ご本人もいつもとは違う役柄を楽しんで演じてくださっていたようです。でも僕は見逃さなかったのですが、吉田さんは男気あふれる方なので、表ではひょうひょうと楽しんでいるように見せていながらも、額に汗をかいていました。ベテランの俳優さんでも、挑戦されたことがないタッチの役柄を演じられる時は緊張もされるだろうし、これでいいのかという不安と戦いながらやられていたのだろうと思います。ですが、結果として見たことのない吉田栄作さんの顔がふんだんに見られて、スタッフからもすごくハマっていて面白かったという意見が多くありました。
原作者の中山七里さんは、業界では“どんでん返しの帝王”と呼ばれています。ネタバレになるのであまり言えないのですが、完全犯罪に見えた殺人事件が実はそれを上回るような計画があったのだという部分がこの作品の要であり、その“どんでん返し感”は原作にあるものをきちんと表現しなければならないと思い、試行錯誤した部分です。
―同作は『デスノート』『あずみ2 Death or Love』などの金子修介監督が手掛けられています。
金子監督は大ベテランですので、俳優陣も信頼し切っているという雰囲気でした。どっしり構えられていて、みんなを手のひらで転がしているような感覚と言いますか。あとはイッセー尾形さんのお芝居がすごく面白かったです。刑事役で、実在すると思えるようなナチュラルなお芝居なのですが、随所にキャラクターの強さを織り込んで飽きさせない。それに触発されて佐藤二朗さんもキャラの強い芝居をされていたので、平板な話ではなく、すごく楽しめる作品になったのではないかと思います。
インタビュー2025年11月17日
韓国文化の“今”を再構築し続けるKカルチャー。今回は、デジタル空間で物語を紡ぐウェブトゥーンの世界に焦点を当てる。平凡な会社員ユミの頭の中で繰り広げられる細胞の物語――。2015年に連載を開始した「ユミの細胞たち」は、全512話で32億ビ … 続きを読む
映画2025年11月14日
日本海沿岸の小さな漁師町を舞台に、元ヤクザの漁師・三浦と目の見えない少年・幸太という、年の離れた孤独な2人の絆を描くヒューマンドラマ『港のひかり』が、11月14日から全国公開中だ。 主演に舘ひろしを迎え、『正体』(24)の俊英・藤井道人 … 続きを読む
2025年11月14日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈 銭湯の湯け … 続きを読む
映画2025年11月13日
40人の武装強盗団が、ニューデリー行きの特急寝台列車を襲撃! 刀を手に乗客から金品を奪う強盗団のリーダー、ファニ(ラガヴ・ジュヤル)は、大富豪タークルとその娘トゥリカ(ターニャ・マニクタラ)を人質に取り、身代金奪取をもくろむ。だがその列車 … 続きを読む
映画2025年11月11日
何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む