【花燃ゆインタビュー】井上真央 「女性としていろんな悲しみも苦しみも乗り越え、生き抜いた強さを表現したい」 兄・吉田松陰を慕い続け、松下村塾を女幹事として切り盛りした主人公の文役

2015年1月1日 / 08:05

 NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」の主人公で、兄の吉田松陰(伊勢谷友介)を支え、松下村塾では女幹事として活躍した文(ふみ)を演じている井上真央。文は兄が育てた多くの藩士たちとの出会いを通して人間的にも成長していき、後に久坂玄瑞(東出昌大)と結婚。映画やドラマでの人間性の表現にも深みを増した井上が、誰よりも松陰を理解し、兄の死後も波瀾(はらん)万丈の人生の中でその遺志に寄り添い続けた文への思いを語る。

 

主人公の文(ふみ)役の井上真央

-大河ドラマの撮影はどんな雰囲気ですか。

 共演の皆さんが、実在した人物そのものでスタジオにいらっしゃるような緊張感があり、見えないプレッシャーを感じています。

-文の人物像をどのように考えていますか?

  文はいろんな人に出会っては別れを繰り返します。人との出会いの中で変化を遂げていければと思っているので、あまり最初から決めずに演じていこうと思っていました。兄への特別な思いとか、夫として出会う久坂玄瑞への思いを表現する中で、文の感情を出していけたらと思っています。

-文役で興味深い点はありますか?

  文の人生は波瀾万丈。その時々をどんな気持ちで決断していったのか、その思いを埋めていく作業が楽しいです。書かれていない部分を表現していくのも文を演じていて興味深く面白い部分なので。文の目線で見たり、杉家の家族を描くことで、松陰にもすごく人間的な部分があったということが分かりやすくなっていると思います。

-松陰は立派な人物ですが、家族にとってはとんでもない存在でもあります。なぜ家族はあそこまで支えることができたのでしょう。

  兄に対してはみんな本当に甘い。まるで「男はつらいよ」のようです。寅さんは自由奔放だけど、みんなに愛され「寅さんらしいね」と言われている。そこが兄・松陰に対する周りの感じと似ています。自分たちがやれないことを果たそうとしている松陰は、みんなが夢や希望を託そうとした人だった。文にとっても、平凡な家族の中で、このお兄ちゃんと一緒に居たらいろんなものが見られるのかもしれないという思いがあったのではないでしょうか。

-松陰らが投獄される野山獄について印象に残っていることは?

 松陰が監獄の中でいろんなことを教えると、学びたいという気持ちを隠しながら生きてきた獄中の人々が、本当はこれをしたかったのだということに気付いていくんです。みんな魂だけは生き生きしている。閉ざされたイメージではなく、とても生命力にあふれた場所になっていました。

-あらためて文の魅力は何でしょうか?

 命を犠牲にしてまでも戦おうとする藩士たちの心のよりどころというか、そっと安心できる人物として存在していたのだろうと思います。私にも兄がいるんですが、いつも心配しつつも尊敬しているので、文が兄に影響される部分が大きいというのは、共感できるところです。女性として、いろんな悲しみも苦しみも乗り越え、生き抜いた強さを持っている方なので、そうした部分も表現していきたいです。

-文がもし男だったら兄や藩士と同じ行動をしていたと思いますか?

 そうですね。自分も学びたいという思いが強い女性なので、ある種の歯がゆさは感じていたように思います。

-長丁場の撮影で気を付けていることは?

 長期だと、現場の雰囲気やスタッフ、キャストのチームワークが大切になってきます。現場が楽しい場所として存在していること、そしてみんなで一緒に作り上げようという意識を持つことが原動力になるので。だからこそ、できるだけ多く人と話をして、いろんな考えの中で柔軟にやっていければいいと思っています。今はいろんな人と話をして密になっていくことも大事ですね。

-これから楽しみにしているシーンは?

 守り役として毛利家の奥に入るシーンは楽しみですね。兄や夫の死を経験した上で、どういった女性として生きていくのだろうという興味もあります。そこでのいろんな出会いも楽しみです。後々は鹿鳴館にも行くんですよ。今は洋装した文の姿は想像つきませんが、変革を遂げた時代を自分自身が経験できるというのは、とても楽しみです。


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