エンターテインメント・ウェブマガジン
NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」の主人公で、兄の吉田松陰(伊勢谷友介)を支え、松下村塾では女幹事として活躍した文(ふみ)を演じている井上真央。文は兄が育てた多くの藩士たちとの出会いを通して人間的にも成長していき、後に久坂玄瑞(東出昌大)と結婚。映画やドラマでの人間性の表現にも深みを増した井上が、誰よりも松陰を理解し、兄の死後も波瀾(はらん)万丈の人生の中でその遺志に寄り添い続けた文への思いを語る。
共演の皆さんが、実在した人物そのものでスタジオにいらっしゃるような緊張感があり、見えないプレッシャーを感じています。
文はいろんな人に出会っては別れを繰り返します。人との出会いの中で変化を遂げていければと思っているので、あまり最初から決めずに演じていこうと思っていました。兄への特別な思いとか、夫として出会う久坂玄瑞への思いを表現する中で、文の感情を出していけたらと思っています。
文の人生は波瀾万丈。その時々をどんな気持ちで決断していったのか、その思いを埋めていく作業が楽しいです。書かれていない部分を表現していくのも文を演じていて興味深く面白い部分なので。文の目線で見たり、杉家の家族を描くことで、松陰にもすごく人間的な部分があったということが分かりやすくなっていると思います。
兄に対してはみんな本当に甘い。まるで「男はつらいよ」のようです。寅さんは自由奔放だけど、みんなに愛され「寅さんらしいね」と言われている。そこが兄・松陰に対する周りの感じと似ています。自分たちがやれないことを果たそうとしている松陰は、みんなが夢や希望を託そうとした人だった。文にとっても、平凡な家族の中で、このお兄ちゃんと一緒に居たらいろんなものが見られるのかもしれないという思いがあったのではないでしょうか。
松陰が監獄の中でいろんなことを教えると、学びたいという気持ちを隠しながら生きてきた獄中の人々が、本当はこれをしたかったのだということに気付いていくんです。みんな魂だけは生き生きしている。閉ざされたイメージではなく、とても生命力にあふれた場所になっていました。
命を犠牲にしてまでも戦おうとする藩士たちの心のよりどころというか、そっと安心できる人物として存在していたのだろうと思います。私にも兄がいるんですが、いつも心配しつつも尊敬しているので、文が兄に影響される部分が大きいというのは、共感できるところです。女性として、いろんな悲しみも苦しみも乗り越え、生き抜いた強さを持っている方なので、そうした部分も表現していきたいです。
そうですね。自分も学びたいという思いが強い女性なので、ある種の歯がゆさは感じていたように思います。
長期だと、現場の雰囲気やスタッフ、キャストのチームワークが大切になってきます。現場が楽しい場所として存在していること、そしてみんなで一緒に作り上げようという意識を持つことが原動力になるので。だからこそ、できるだけ多く人と話をして、いろんな考えの中で柔軟にやっていければいいと思っています。今はいろんな人と話をして密になっていくことも大事ですね。
守り役として毛利家の奥に入るシーンは楽しみですね。兄や夫の死を経験した上で、どういった女性として生きていくのだろうという興味もあります。そこでのいろんな出会いも楽しみです。後々は鹿鳴館にも行くんですよ。今は洋装した文の姿は想像つきませんが、変革を遂げた時代を自分自身が経験できるというのは、とても楽しみです。
映画2025年11月21日
日本独特のおかしな校則、ブラックな職場環境、暴走するSNSやネット報道といった社会問題を背景に、大人になりきれない中学校教諭が、生徒たちの金髪デモに振り回されながら成長していく姿を、坂下雄一郎監督がシニカルな視点で描いた『金髪』が全国公開 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月21日
映画やドラマ、アニメなど幅広いメディア展開を遂げてきた人気漫画「DEATH NOTE」のミュージカル版「デスノート THE MUSICAL」が11月24日から上演される。2015年に日本で世界初演された本作は、原作のスリリングな物語を世界 … 続きを読む
ドラマ2025年11月20日
なにわ男子・大西流星と、timelesz・原嘉孝がW主演する「東海テレビ×WOWOW 共同製作連続ドラマ 横浜ネイバーズ Season1」が、2026年1月から放送がスタートする。 本作は、令和版『池袋ウエストゲートパーク』として注目を … 続きを読む
映画2025年11月19日
未熟故に一族を追われた若きプレデターのデクは、生存不可能とされる最悪の地「バッドランド」に追放される。デクはその地で謎のアンドロイドの少女ティアと出会う。「プレデター」シリーズ中、初めてプレデター自身を主人公に据えて描いた『プレデター:バ … 続きを読む
インタビュー2025年11月17日
韓国文化の“今”を再構築し続けるKカルチャー。今回は、デジタル空間で物語を紡ぐウェブトゥーンの世界に焦点を当てる。平凡な会社員ユミの頭の中で繰り広げられる細胞の物語――。2015年に連載を開始した「ユミの細胞たち」は、全512話で32億ビ … 続きを読む