【軍師官兵衛インタビュー】高橋一生「官兵衛様がいてこそ僕らがいる」 黒田家家臣・井上九郎右衛門役

2014年4月8日 / 13:18

 NHKで放送中の大河ドラマ「軍師官兵衛」に井上九郎右衛門役で出演している俳優の高橋一生が、インタビューに応じ、演技に対するこだわりや九郎右衛門の魅力、高校の同級生でもある黒田官兵衛役の岡田准一との共演について語った。

 高橋が演じる九郎右衛門は官兵衛に仕える“黒田二十四騎”の一人で、後に二番家老となる頭脳派。もとは官兵衛の父・職隆(柴田恭兵)の近習で、「青山の戦い」の後、官兵衛の家臣となり、栗山善助(濱田岳)、母里太兵衛(速水もこみち)と共に官兵衛を守り支える。常に一歩引いて冷静に物事に臨み、生涯、刀よりも知略で多くの軍功を挙げた人物だ。

 

井上九郎右衛門役の高橋一生

-これまで九郎右衛門を演じてきた印象をお聞かせください。

 常に殿(岡田)のおそばにいて、殿の動向をいつも見ている家臣の一人という印象です。

 

-九郎右衛門の“クールな二番家老”というキャラクターに関してはどうお考えですか。

 時代劇なのに“クール”という横文字が出てくるところがすごいですね(笑)。なるべくクールというイメージには固執しないようにしようと思っています。50話もあるドラマですが九郎右衛門は最後まで出続けます。ですから、役柄に立体感を出していくには一つのイメージにこだわるとかえってそれが邪魔になるかなと思いました。クールな九郎右衛門ですが、人間的な喜怒哀楽を出していけたらと考えながら演じています。

 

-高橋さん自身の性格と九郎右衛門の性格は違いますか。

 僕は引きこもりの役を演じることが多いんです(笑)。僕自身はどちらかというとアクティブな方なので、なぜそういう役ばかりが来るのかとは思いますが、自分と役柄との距離感はあまり考えないようにしています。台本に書かれていることが全てなので、せりふを覚えてしゃべってという俳優としての最低限のことをしながら、キャラクターの人間性の部分は誠実に表現していくべきだと思っています。

 

-撮影に入る前に史実を調べたりして役作りをしましたか。

 九郎右衛門がどういう人物だったのかはある程度調べましたが、僕は基本的には台本を重視しているので、調べたことは自分の中にサブテキストとして入れる程度です。史実を重視して演じてしまうと台本から離れてしまう可能性もあるので、あくまでも台本に沿ってやっていけたらと考えています。

 

-実在の人物を演じるときも、史実や文献などはあまり重要視しないのでしょうか。

 時代劇でも現代劇でもまずは台本だと思います。台本からどれだけ人物像を膨らませていけるか、その可能性を見つけられるかが勝負だと思っています。あまり文献を探ったり自分で作り込んでいかないようにしています。現場に入って、その雰囲気や空気感から得るものが僕にとっては大きいです。

 

-高橋さんから見た九郎右衛門の魅力はどういうところですか。

 九郎右衛門の「内に秘める」というせりふがあります。その“内に秘めるもの”をいかにして表現するかが僕の目標です。九郎右衛門はあまり感情を表に出さないようにしている人です。苦労を忍ばせるところがとても魅力的だと思います。僕はあまり内に秘めることができないので感情を抑え込むことができる人に憧れます。

 

-このドラマの一番の魅力はどこでしょうか。

 台本を読んでいると、“群像”という点がとても重視されていると思います。50話もあるので、今後も登場人物一人一人の人間性やキャラクターが細かく描かれていくといいなという期待があります。

 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

山里亮太「長年の“したたかさ”が生きました(笑)」 三宅健太「山里さんには悔しさすら覚えます(笑)」STUDIO4℃の最新アニメ『ChaO』に声の出演【インタビュー】

映画2025年8月15日

 『鉄コン筋クリート』(06)、『海獣の子供』(19)を始め、個性的なアニメーションを次々と送り出してきたSTUDIO4℃。その最新作が、アンデルセンのおとぎ話『人魚姫』をベースに、人間の青年・ステファン(声:鈴鹿央士)と人魚王国のお姫さま … 続きを読む

ウィリアム・ユーバンク監督「基本的には娯楽作品として楽しかったり、スリリングだったり、怖かったりというところを目指しました」『ランド・オブ・バッド』【インタビュー】

映画2025年8月14日

 ラッセル・クロウとリアム・ヘムズワースが共演し、戦場で孤立した若手軍曹と、彼を後方から支援する無人戦闘機のベテラン操縦官の闘いを活写したサバイバルアクション『ランド・オブ・バッド』が8月15日から全国公開された。米海軍全面協力のもと、入念 … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(1)“たまたま”が導いた講談の道

舞台・ミュージカル2025年8月14日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼みなさん、こんにちは  日本の伝 … 続きを読む

原嘉孝×いとうあさこ、timelesz加入後初の舞台主演に「timeleszを背負っています」 舞台「ドラマプランニング」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年8月11日

 脚本家・演出家の山田能龍、いとうあさこによる劇団山田ジャパンの2025年9月公演「ドラマプランニング」にtimeleszの原嘉孝が出演する。  本作は、テレビ業界におけるドラマ制作現場を舞台とし、ほれ込んだ漫画の映像化で初のチーフ作品を担 … 続きを読む

【映画コラム】新旧のSFアクション映画の魅力が詰まった『ジュラシック・ワールド/復活の大地』

映画2025年8月10日

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(8月8日公開)  熟練の特殊工作員ゾーラ・ベネット(スカーレット・ヨハンソン)は、信頼する傭兵のダンカン・キンケイド(マハーシャラ・アリ)、古生物学者のヘンリー・ルーミス博士(ジョナサン・ベイリー)ら … 続きを読む

Willfriends

page top