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NHKで放送中の大河ドラマ「軍師官兵衛」に竹中半兵衛役で出演している俳優の谷原章介。谷原が演じる半兵衛は、豊臣秀吉最初の参謀であり、黒田官兵衛と合わせて“両兵衛”とも呼ばれた軍師。官兵衛にとって厳しい師となるが、官兵衛が幽閉された際には思わぬ手段で黒田家を手助けする。
半兵衛を演じるに当たっての思い、同じ軍師役の岡田准一、半兵衛が仕える秀吉役の竹中直人の印象を語ってもらった。
役を頂いたときはガッツポーズをしました。希代の名軍師といわれる半兵衛役ということでうれしい半面、プレッシャーもありました。
半兵衛はせりふが多く感情的にしゃべる官兵衛とは対照的に、状況をかみ砕いたやりとりや左脳的なせりふが多いので大変ですが、やりがいがあります。ドラマの最初の方は黒田家を中心に物語が動くので、現場も黒田家中心の空気があって、さらに官兵衛を中心とした熱気の渦を感じます。
半兵衛をどう演じるかはクランクインする前に監督と話しました。現場に入ってからは監督の描く半兵衛像と僕の描く半兵衛像が分かってきて、それをお互いに理解して最小限のことを話すぐらいで演じています。半兵衛は普段は動かずにせりふを言って、無駄な動作をしないで芝居をするように心掛けています。ずっと動かない人間がちょっと目線をずらしたりしたときに、その行動に意味が出ると思うんです。見ている方に「何か意味があるのかな?」と思わせられるよう、ここぞというときにだけ目線を動かしたり体の位置を変えてみたりしています。
仕事で岐阜の市内へ行ったときに、次の日が移動日だったので朝からレンタカーを借りて菩提山に行きました。頂上まで登って景色を見たり、近くのお寺にある半兵衛のお墓参りもしました。ドライブをしながら、「よくこんな山に登ったな」とか、「なんて不便な生活をしていたんだろう」とか、「こんな景色を見ていたのかな」といろいろ思いを巡らせました。でも霊感はないので(半兵衛が)降りてくることはなかったです(笑)。
歴史というと、時代小説を読むのは好きで司馬遼太郎さんの本も読みました。このドラマで描かれているのは、歴史上でも時代が動いて人間が生々しくなっていく部分。荒れた時代かもしれませんが、例えば秀吉様のように農民が天下を取ることもできたり、自分の力次第でどんどんのし上がることができる、夢のある時代だと思います。どきどきするし、生き生きしたものがあって面白いです。
半兵衛は出会う前から官兵衛という人間の事を知っていたと思いますね。もともと官兵衛に着目していたがゆえに、官兵衛が秀吉様のところへ来たときに「試させていただいてもよろしいですか」と秀吉様に願い出て、官兵衛の軍師としての力量やどの程度自分と同じレベルで会話できる人間なのかを試したのだと思います。
同じ熱さがあっても、(人との)接し方が違います。官兵衛が、小刀と小刀がぶつかるぐらいにぐいっと半兵衛に近寄る場面があるのですが、刀と刀がぶつかったら刃傷沙汰に発展するような時代に多少乱暴な行動だとは思いますが、そこをあえて近づいてくるところに官兵衛の熱さを感じます。
岡田さんは武士みたいな人だと思います。自分の追い求めるものをストイックに自らにも課すし、無言のうちに周りも気が引き締まるようなオーラを持っていると思います。それと同時にやんちゃだしおちゃめで、スタッフを大事にしています。スタッフの似顔絵を描いていて、それがよく似ていてすごく面白いんです。メークをされながら描いているので小学生みたいだなと思ったり(笑)。多面的にいろいろな魅力を持っている方だなと思いますし、役の上での関係性も大事にしている。黒田軍の方々とは、わいわいしていますが、半兵衛とはそうならない。僕が年上ということもありますが(笑)。
竹中さんは引き出しをたくさん持っている面白い方。日本で秀吉を演じたら右に出る人はいないのではないでしょうか。現場ではずっと、口笛を吹いているか歌を歌っているかふざけているかのいずれかです。一緒に仕事をしていて癒やしになるし、こちらの肩の力を抜いてくれます。人たらしな秀吉の雰囲気で臨んでいらっしゃるのか、元からそうなのか分かりませんが、役者やエキストラ、スタッフみんなに話し掛けてはおどけています(笑)。
1年間を通してやるのでスタッフが家族のようになっていくし、大河でないと味わえない空気感があります。「新選組!」(2004年放送)では伊東甲子太郎役をやりましたが、いまだに土方(歳三)さん(山本耕史)が主催でキャスト、スタッフが集まる忘年会をやってくれます。僕は物語を通しで出演する役をやったことがなく半兵衛の役も途中で死んでしまうので、バトンをつないでいくという意識で演じています。
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