エンターテインメント・ウェブマガジン

(C)2013 吉田修一/新潮社 (C)2024「愛に乱暴」製作委員会
江口 ほぼ順撮り(物語の展開通りの順番で撮影すること)で撮影を進めてくださったことは、すごくありがたかったです。
江口 最初は、朝、お義母さんにあいさつしてゴミを出し、夫の真守さんを送り出す、という場面が3、4日くらい続きました。その時点では、誰にも会わないので「桃子ってどういう人なんだろう?」と手探りの状態なんですよね。そこから撮影が進み、いろんな人と出会うことで桃子が動き出し、「桃子のキャラクターなら、こういう感じかな?」とだんだん見えてくる。そうすると、それまでの撮影で桃子という人間を体験している分、「次はこんな反応をするかな?」とアイデアが出てくるんです。そうやって生まれたものについて、監督と相談しながら桃子が出来上がっていきました。
森ガキ 事前に準備はしていましたが、江口さんからもいろんなアイデアをいただいたおかげで、撮影に入ってからより具体的に桃子像が見えてきた気がします。
江口 そういう意味では、みんなで桃子を作っていった感じですね。私がお芝居にストレスを感じているときも、皆さんがすぐに察してくれましたし。しかも、今回はフィルム撮影で何度も撮り直しができないため、手持ちカメラで至近距離から撮影しているカメラマンさんの緊張が、手に取るように伝わるんです。それによって、私の方もいい具合に、体の中に桃子が1本通るような気持ちになって。そんないい緊張感がありました。
森ガキ 観客には桃子の視点で映画に没入してほしかったので、余計なものは見せず、桃子と周囲の俳優や美術だけで表現できるように、スタンダードサイズを採用しました。しかも、江口さんがおっしゃるように、フィルムだといい緊張感が生まれますし、肌の質感の奥深い部分まで映るのも効果的でした。

(C)2013 吉田修一/新潮社 (C)2024「愛に乱暴」製作委員会
映画2025年11月14日
-撮影で特に印象に残った場面を教えて下さい。 近所の少年たちにいじめられた幸太が大雨の中、おじさんの家の前で黙って座り込んでいるシーンが、すごく印象に残っています。カメラに綺麗に映るように、大量の雨を降らせていたので、その水圧がものすごく … 続きを読む
2025年11月14日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈 銭湯の湯け … 続きを読む
映画2025年11月13日
-その結果、完成したこの映画では、強盗団が使う刀やナイフのほか、列車備え付けのシャッターや消火器、乗客の荷物など、一見武器になりそうにない身近なものを使った多彩なアクションが見所です。そういうアイデアはどこから生まれたのでしょうか。 私は … 続きを読む
映画2025年11月11日
-ジュゼッペ役の佐野晶哉さんの印象はいかがでしたか。 ご一緒するのは今回が初めてでした。先に佐野さんの声が吹き込まれている状態でアフレコをさせていただきましたが、1日だけ一緒にお芝居ができた日がありました。その時に、第一声から本当に迷いな … 続きを読む
ドラマ2025年11月10日
草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む