「おっパン!」沖田翔役の城桧吏、17歳の自身が感じる「多様性」を語る 「僕の周りは❝好きなものは好き❞と言える環境があります」【インタビュー】

2024年2月24日 / 10:00

城桧吏(ヘアメーク:中島愛貴)(C)エンタメOVO

 原田泰造が主演するドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」(=通称「おっパン」)(東海テレビ・フジテレビ系)が好評放送中だ。原田が演じる古い価値観を持ったカタブツのおっさん・沖田誠があるゲイの青年との出会いによって、これまでの『自分の常識』をアップデートしていく物語。男らしさよりもかわいいものが好きで自分自身が何者かに悩む誠の息子・翔役を演じる城桧吏に、本作を通じて伝えたい思いや、17歳の自身が感じている「多様性」などについて語ってもらった。

―まずは、オファーを受けたときのお気持ちと原作を読んだ印象を教えてください。

 今までに演じたことがない役柄でしたし、原作漫画の翔はすてきなキャラクターなので、最初は僕でいいのかなという不安もありましたが、新しい自分が発見できるかもしれないとワクワクもしました。原作はキャラクターの個性が豊かで面白く描かれていますし、今の多様性の時代について深く考えるきっかけになりました。台本を読んでも原作のせりふや流れが再現されていて、とても撮影が楽しみでした。

―沖田翔くんは「自分が何者か」ということに悩んで不登校になる役どころですが、そういった繊細な部分は、どのように捉えて演じましたか。

 翔は自分の「好き」というものがしっかりとある芯の強い子で、自分の「好き」を貫ける、とても応援したくなるようなキャラクターだと思っています。繊細な子でもあるので、お父さんや友達から何かを言われたときに翔だったらどう思うんだろう? というのを大事に考えながら、感情の揺れ具合いによって、顔の表情や動きを話ごとに細かく変えるよう意識しました。

―役作りをするうえで、ほかに工夫したことはありますか。

 原作や台本を読んで、沖田翔はどういうキャラクターなのかというのを箇条書きにして、そこから役を作っていきました。翔は「メークが好き」「自分の好きを持っている」「繊細で優しさがある」というように書き出していって、そこから少しずつ理解を深めていきました。

―沖田翔というキャラクターとご自身に共通点は感じていますか?

 かわいいものが好きなところは似ているのかなと思います。僕自身もかわいいものが好きで、昔から弟と一緒にペンギンのぬいぐるみを集めています。今では家に10個くらいあって、昔からずっといる1匹は撮影やロケに出かけるときに持って行くこともあります。色もパステルカラーが好きなので、例えば学校の授業で何か創作をするときにピンクや薄紫色などを選んで描いたりしています。

―撮影でメークに挑戦した感想はいかがですか。

 メークは初めての挑戦だったのでグロスを塗ったりするのは難しかったです。髪の毛を編み込むシーンもあるのですが、メークさんに教えてもらいながらやってみて、意外と自分は器用なのかもという発見もありました。メークをして鏡に映った自分を見て「あ、かわいくなっている」と思ったりしました(笑)。

―撮影を経て感じた原田泰造さんや中島颯太さんの印象を教えてください。

 泰造さんは現場の雰囲気を明るくしてくれる方です。俳優としての泰造さんは何とも言えない表情など細かいところの表現がすごい方だなと思いました。僕もあんなふうに表現ができたらいいなと思いました。中島颯太さんは僕がボケたときにツッコんでくれたり、話し掛けてくれたり、お兄ちゃんみたいな存在でした。

―ドラマが放送されてから、反響の声は届いていますか?

周りの友達や親戚から「見たよ」という声を掛けてもらったり、「同じようなことを感じた」とか「すごく共感できる」という声をたくさんいただいています。

(C)東海テレビ

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

上白石萌歌「小さなお子さまから大人の方まで幅広く届いてほしいと思います」『トリツカレ男』【インタビュー】

映画2025年11月11日

 何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む

八木莉可子「相反する二面性をどちらも大切にしたい」「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」【インタビュー】

ドラマ2025年11月10日

 草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む

目黒蓮が抱いた“継承への思い” 妻夫木聡、佐藤浩市から受け取った“優しさ”と俳優としての“居住い” 日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」【インタビュー】

ドラマ2025年11月9日

 日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」への出演発表時、“物語の鍵を握る重要な役どころ”という情報のみだった目黒蓮演じる謎の人物。そこから約2カ月、11月2日放送の第4話でようやくその正体の一端が解禁された。男の名は中条耕一、佐藤浩市演じる山王 … 続きを読む

堤真一、三宅唱監督「実はこういうことも奇跡なんじゃないのということを感じさせてくれる映画だと思います」『旅と日々』【インタビュー】

映画2025年11月6日

 三宅唱監督が脚本も手掛け、つげ義春の短編漫画『海辺の叙景』と『ほんやら洞のべんさん』を原作に撮り上げた『旅と日々』が11月7日(金)から全国公開される。創作に行き詰まった脚本家の李(シム・ウンギョン)が旅先での出会いをきっかけに人生と向き … 続きを読む

【映画コラム】俳優同士の演技合戦が見ものの3作『爆弾』『盤上の向日葵』『てっぺんの向こうにあなたがいる』

映画2025年11月1日

『爆弾』(10月31日公開)  酔った勢いで自販機を壊し店員にも暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男(佐藤二朗)。自らを「スズキタゴサク」と名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。  やがてその言葉 … 続きを読む

Willfriends

page top