「今回は女性のキャラクターが考えていることもきちんと描かれています」「SHOGUN 将軍」アンナ・サワイ【インタビュー】

2024年2月26日 / 10:54

 徳川家康をはじめとした歴史上の人物にインスパイアされたジェームズ・クラベルの小説をドラマシリーズ化した「SHOGUN 将軍」が、2月27日からディズニープラスの「スター」で独占配信される。戦国一の武将・吉井虎永(真田広之)と、その家臣となった英国人航海士のジョン・ブラックソーン(後の按針=コズモ・ジャービス)、2人の運命の鍵を握る謎多きキリシタンの戸田鞠子が繰り広げる壮大な叙事詩だ。本作で、鞠子を演じたアンナ・サワイに話を聞いた。

アンナ・サワイ (C)エンタメOVO

-出身はニュージーランドで東京育ちなんですね。

 ニュージーランドで生まれて、日本でちょっと過ごしてからは、香港に2年ぐらい、フィリピンに5年。10歳の時に日本に戻りました。

-ということは、今回は通詞(つうじ)の役でしたが、日本語と英語が混ざったせりふも、それほど苦にはならなかったのでしょうか。

 そうですね。普段から、どちらも話すことには慣れています。大学の友達と会話をするときは、みんな日本語も英語もしゃべりますし、会話の途中で切り替わったりもするので、そこは大変ではありませんでした。でも戦国ドラマの日本語というのは初めてでしたし、鞠子の英語も普段の私の話し方とは違って、ちょっとイギリスなまりで、間に日本語を入れたりもしたので、それに慣れるのが大変でした。

-出演までの経緯を聞かせてください。

 オーディションを何度も受けました。最初にせりふをテープに録りましたが、ずっと返事がなかったので断られたのだと思いました。何週間かしてから、「もう1回、監督の前で台本を読んでみませんか」というお話があって、それから最終オーディションまで行って決まりました。期間は2カ月ぐらいあったのかな。テープに録音したのは3、4回でした。

-ハリウッドではオーディションが基本なのですか。

 もちろんそうではないものもありますが、基本的にはオーディションです。個人的にはオーディションはとても大事なプロセスだと思っています。「将軍」も一度は駄目かと思いましたが、何度もオーディションを受ける中で気付かされることがたくさんありました。またオーディションを受けていないと、役についてきちんと理解しないうちに現場に入ってしまうこともあるので、オーディションを経ることによって、スムーズに現場に入れる気がします。それに自分が本当にその役に合っていた、選ばれたという自信もつくので、私はオーディションを受けるのが好きです。

-今回は初の戦国ドラマでしかもハリウッドでの製作でした。せりふはもちろん、着物の着付けや所作なども大変だったと思いますが。

 全てゼロから学ぶ感じだったので難しかったです。おっしゃるように、着付け、歩き方、座り方、立ち方を全て学ばなければなりませんでしたし、書道や乗馬も初めてだったので大変でした。撮影現場はとても緊張感があったし、きちんとしなければというプレッシャーもありました。鞠子が背負っているものがとても重かったので、自分の全てを注ぎ込んでいるイメージでした。

-演じる上で心掛けたことはありましたか。

 何かを心掛けるというよりも、衣装を着た瞬間に鞠子になって、自分ではなくなる感じがしました。常に気が張っていたと思います。あとは撮影期間が10カ月もあったので、役を背負っているのが長くなればなるほど、切り離せなくなっていって、自然にできた部分はあったと思います。気を付けた点は、見た目ではなく、彼女は今どういう状況にいるのかと内面から考えた方が、役と向き合える気がしました。例えば、夫の文太郎さん(阿部進之介)と一緒にいる時は、彼に心を許していないから、ちょっと氷のように見えたりとか…。そういう意識はしました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

坂東龍汰「この映画は絶対に映画館で見てほしいです。特にドラゴンライドのシーンは圧巻です」『ヒックとドラゴン』【インタビュー】

映画2025年9月4日

 ドリームワークス・アニメーションの代表作を実写映画化したドラゴンライド・アドベンチャー『ヒックとドラゴン』が9月5日から全国公開される。バイキングとドラゴンが争いを続けてきた島を舞台に、心優しいバイキングの少年ヒックと傷ついたドラゴンの交 … 続きを読む

小池栄子、45歳を目前に控えて見据える未来「小池栄子が出ているから見てみようかなと思ってもらえる存在でいたい」 劇団☆新感線「爆烈忠臣蔵〜桜吹雪 THUNDERSTRUCK」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年9月3日

 映画『八日目の蟬』で第35回日本アカデミー賞優秀助演女優賞、第85回キネマ旬報ベスト・テン助演女優賞などを獲得、2016年には舞台「グッドバイ」で読売演劇大賞最優秀女優賞に輝くなど、高い演技力で見るものを魅了する小池栄子。9月19日から開 … 続きを読む

間宮祥太朗「周囲に合わせようとせず、自分のペースを保つことを考えていた」“自分らしさ”の大切さを描くアニメ映画に声の出演『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』【インタビュー】

映画2025年9月2日

 ルイス・キャロルの名作『不思議の国のアリス』を日本で初めてアニメーション映画化した『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』が8月29日から全国公開中だ。  「自分らしさ」を出せず、就職活動に悩む大学生・安曇野りせ … 続きを読む

【映画コラム】夏の日の少年たちが頑張る映画『ベスト・キッド:レジェンズ』『蔵のある街』『海辺へ行く道』

映画2025年9月1日

『ベスト・キッド:レジェンズ』(8月29日公開)  北京でミスター・ハン(ジャッキー・チェン)からカンフーの指導を受けていた高校生のリー(ベン・ウォン)は、暴漢に兄を殺され母と共にニューヨークに移住する。  だがリーは、周囲やクラスメイトと … 続きを読む

新浜レオン「大きな夢がかないました」念願だった大河ドラマ初出演【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年8月31日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、快調に進行中。8月31日放送の第33回「打壊演太女功徳(うちこわしえんためのくどく … 続きを読む

Willfriends

page top