エンターテインメント・ウェブマガジン
和歌に関しては僕も素人ですが、いろいろな本を読み、芸能指導の先生にお話を伺ってみると、実朝は、自分の感情や世の動きを何げない日常の風景に託して歌を詠むことがうまかったそうです。例えば、舟をこぐ漁師を見て、「この平和がずっと続いてほしい」とか、庭先の梅を見て、「自分がいなくなっても忘れないでおくれ」といった感じで。派手か地味かといったら、すごく地味で素朴。父の頼朝や兄の頼家と同じ血を引いているとは思えないぐらい純朴で、ピュアといってもいいかもしれません。そういう性格が歌にも表れているんだなと。これから歌を詠むシーンも出てくるので、楽しみにしていてください。
結果的に失敗に終わった宋に渡る船を作った史実について、今までは「気まぐれで船を作って失敗した愚かな将軍」といわれてきました。でも、最新の研究によれば、「国を豊かにする」という目的を持ち、日宋貿易を手始めに、世界と渡り合うことを考えていたともいわれています。自分の家や土地を守ることしか考えず、北条だ、比企だと、家同士でいがみ合う身勝手な御家人たちに囲まれながらも、日本や鎌倉の現状を客観的に見つめ、自分の非力さを謙虚に受け止めた上で、京の後鳥羽上皇と手を組み、自分の理想を実現しようともしていた。そう考えると、実朝はとても先進的な人だったのではないかと思います。
以前、義盛が実朝のことを「武衛」と呼ぼうとしたことがありましたが、あれが布石となって、さらに2人の関係が発展していくシーンもあります。これは余談ですが、実朝と義盛の関係って、シェークスピアの『ヘンリー四世』に出てくるハル王子とフォルスタッフにそっくりなんですよね。生真面目で若いハル王子に、大酒飲みで豪快なフォルスタッフが、ちょっと悪い遊びを教える、という感じで。三谷さんがその2人を意識して実朝と義盛を描かれたとおっしゃっていて、僕も(義盛役の横田)栄司さんもすぐに理解ができました。
関係が深まっていく分、和田合戦で義盛を失うのは、実朝にとってとてもつらく悲しい出来事になります。栄司さんとは、これまでも何度か舞台でご一緒させていただき、兄弟役を演じたこともあります。一緒に食事に行って熱い議論を交わしたこともある「芝居ばかなよきお兄ちゃん」という感じの方で、僕も大好きです。言葉にできないほどの壮絶な義盛の最期では、そんな“横田栄司さんの役者魂”を見せつけられました。
(取材・文/井上健一)
映画2025年4月3日
-松本動監督の演出について、また寺尾聰さんら共演者の印象をお願いします。 松本監督とは初めてでしたが、私の問い掛けにも親切に細かく答えてくれました。とにかく自由にやらせてもらいました。寺尾聰さんは、昭和49年のドラマ「天下のおやじ」で寺尾 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年4月2日
-ところで、門脇さんは映像作品でもご活躍されていますが、舞台に立たれることに対してはどのような思いがありますか。 気持ちの面では変わらないですが、舞台はカメラが寄ってくれるわけではないので、声や体の所作で伝えなければいけないと思います。映 … 続きを読む
ドラマ2025年4月1日
-高知県の「やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム」も訪問されたそうですね、 「アンパンマンミュージアム」には二度伺いました。どちらの日も親子連れでいっぱいで、改めて『アンパンマン』という作品が幅広い世代に愛されていることを知り、「 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年4月1日
-なるほど。では、坂本さんは増田さんのテッド、増田さんは坂本さんのジムについてはどんな印象がありますか。 坂本 テッドは一見すると自分の意見を押し通して歩んでいるように見えるけれども、実は周りを自然と幸せにしたり、勇気づけたりするタイプの役 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年3月29日
-では、鋼太郎さんの演出の魅力はどこに感じていますか。 鋼太郎さんらしい的確に丁寧な演出をつけてもらえるので、われわれとしてはやりやすいです。尊敬していますし、シェークスピア作品の演出家としてこの方の右に出るものは今、日本にはいないんじゃ … 続きを読む