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NHKで放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。物語は鎌倉幕府初代将軍・源頼朝(大泉洋)亡き後の御家人同士の権力闘争に突入したが、その渦中で運命を翻弄(ほんろう)されるのが、頼朝の息子で2代将軍の源頼家だ。8月28日放送の第33回では、頼家にさらなる過酷な運命が待ち受ける。初めての大河ドラマ出演で頼家を演じる金子大地が、撮影の舞台裏を語ってくれた。
母上とのシーンはそれまであまりなく、あそこでやっと、きちんとぶつかることができたとても大事なシーンでした。怒りと憎しみと絶望と…。言葉にできないほどの深い悲しみや、たまっていたいろんなものが爆発するシーンだったので、きつかったですし、相当削られました。小池さんも、あのシーンはつらかったと思います。でも、母としてのリアルな存在感がありました。多分それは、小池さんの愛が僕にしっかり伝わったからだと思います。照れくさいんですけど、小池さんのことは本当の母のように思っていました。
頼家は、本当は母上に自分の弱いところをもっと出したかったんじゃないかと思います。でも、同時に自分のたくましい姿を見せたいという気持ちもあるし、母上は北条の人でもある。だから、すごく複雑な気持ちで、親子ではあるけど、2人にはどこか距離があったような気がします。そんなこともあって、現場では普通にお話ししていましたが、小池さんとのシーンは毎回、緊張していました。僕自身も頼家のように、どこか距離を感じていたのかもしれません。特に、第32回のあの場面では、意識して会話を避けていたことを覚えています。ただ、終わった後は以前よりも話すようになり、距離もぐっと縮まりました。
いずれ鎌倉殿になることは、生まれたときから決まっていたので、「頑張ろう」「鎌倉をよくしていきたい」という気持ちはとても強かったと思います。ただ、あまりにも早く鎌倉殿になってしまったため、誰もが抱く「あいつで大丈夫か?」という不安を頼家自身が一番感じていたんだと思います。しかも、何をやっても源頼朝という圧倒的なスターと比べられる重圧もある。だから、父親と同じことはしない、というどこか開き直った部分もあったんじゃないかなと。
とはいえ、まだまだ未熟で信用がない上に、自分のやりたいことは「やめた方がいい」と言われてしまう。欲まみれの大人たちに囲まれていることも、嫌で嫌で仕方がない。反発したくなるのも当然ですよね。そんな中、1人になると複雑な思いを抱えて、いろんなことを考えていた。そういう頼家の葛藤が、少しでも垣間見えたら…と思いながら演じていました。三谷(幸喜/脚本)さんが、頼家の不安や孤独も描いてくださったので、ただの“無知な暴君”ではなかったことも、すごくうれしかったです。ただ、ちょっとした行き違いであんな悲劇が起こってしまいましたが、実はものすごくうまくいった道もあったんじゃないのかな…と思ったりもします。
怖かったです。目の前にそうそうたる役者の方々が並んでいるので、とにかく圧がすごくて。でも、絶対に弱みは見せず、やってやるんだ、という気持ちでした。「ここで弱みを見せたら、負けだ」ぐらいの。そういう意味では、すごく背伸びをした状態で撮影に臨んでいましたね。
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