エンターテインメント・ウェブマガジン
佐々木蔵之介が主演する舞台「冬のライオン」が2月26日から上演される。本作は、1966年にブロードウェーで初演されて以来、映画化、テレビドラマ化もされてきた歴史ドラマ。英国初代国王ヘンリー2世とその家族が、跡目や領土を巡って、愛と憎しみと欲望にまみれた壮絶なバトルを繰り広げる。本作で、佐々木演じるヘンリー2世の愛妾でフランス王女・アレーを演じる葵わかなに、自身の役柄について、公演への意気込みなどを聞いた。
ずっと映像のお芝居をやってきて、そこから舞台に出演するとなったら一般的にはストレートプレーから入ることが多いと思うのですが、私はまずミュージカルに挑戦したので、なかなかストレートプレーに出演する機会がなくて…。でも、ずっと憧れはありました。なので、今回、こういった機会に恵まれて本当にうれしいですし、(演出の)森(新太郎)さんの舞台はよく観劇していたので、森さんとご一緒できることもすごく幸せに思っています。
シェークスピアのような古典から、エンターテインメントに特化したミュージカルまで、とにかく幅広く演出されていて、すごい方だなと思います。もちろんどの作品もすごくすてきですが、ジャンルや垣根を越えてお仕事をされている森さんの姿勢に感銘を受けましたし、面白い方だと興味を持ちました。私もいろいろなことに挑戦したいなと思っているからこそ、すごく気になっていた演出家さんでした。
どうやって演じればいいんだろう、難しいなというのが最初に思ったことでした(笑)。何を伝えたい物語なのか、一度読んだだけではつかめなかったので、物語の核となるものを見付けるのがすごく大変そうだと感じました。ですが、先日行われた本読みで、皆さんが発する言葉となっているのを聞いたら、たくさんの気付きをいただけました。今は、これからの稽古でさらに脚本を深めていくことが楽しみです。
現代に生きる自分と置き換えるのはすごく難しいことだと思いますが、アレーは「純粋が故にかわいそう。だけど、そこも含めてかわいい子」だとヘンリーや(高畑淳子が演じる女王の)エレノアから言われているので、その純粋さを出していきたいと思っています。それから、エレノアとの対比や、彼女との関係性を示すことが役割の一つになっていると思いますし、皆が戦っている中、そこに加われず、ただただ見ているだけだったアレーが、最後の最後には “獣”に変身し、欲望に捉われていくという成長過程をお見せすることもこの作品の面白さにつながると思います。本読みでも、森さんからそうした点を教えていただき、私にはなかった新たな視点を得られたので、これからの稽古を通してさらに面白いキャラクターにしていければと思っています。
ヘンリーは、23歳のアレーがすてきだと思う色気のある男性ですが、蔵之介さんはそのヘンリーにぴったりなお方だなと想像しています。今回、初めてご一緒させていただくので、これからもっと深く知っていけたらと思います。
インタビュー2025年11月17日
韓国文化の“今”を再構築し続けるKカルチャー。今回は、デジタル空間で物語を紡ぐウェブトゥーンの世界に焦点を当てる。平凡な会社員ユミの頭の中で繰り広げられる細胞の物語――。2015年に連載を開始した「ユミの細胞たち」は、全512話で32億ビ … 続きを読む
映画2025年11月14日
日本海沿岸の小さな漁師町を舞台に、元ヤクザの漁師・三浦と目の見えない少年・幸太という、年の離れた孤独な2人の絆を描くヒューマンドラマ『港のひかり』が、11月14日から全国公開中だ。 主演に舘ひろしを迎え、『正体』(24)の俊英・藤井道人 … 続きを読む
2025年11月14日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈 銭湯の湯け … 続きを読む
映画2025年11月13日
40人の武装強盗団が、ニューデリー行きの特急寝台列車を襲撃! 刀を手に乗客から金品を奪う強盗団のリーダー、ファニ(ラガヴ・ジュヤル)は、大富豪タークルとその娘トゥリカ(ターニャ・マニクタラ)を人質に取り、身代金奪取をもくろむ。だがその列車 … 続きを読む
映画2025年11月11日
何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む