【インタビュー】舞台「冬のライオン」葵わかな 初めて挑むストレートプレーで感じる「まだ見たことがない自分にも出会える予感」

2022年2月1日 / 08:00

-これから始まる稽古で楽しみにしていることは?

 ストレートプレー自体が初めてで、どんな稽古場になるのか、まだ分からないことばかりですが、お稽古自体がすごく楽しみです。きっと今まで経験したことがないぐらいお芝居や役、そして共演者の方々と深く向き合う時間になると思うので、皆さんに遅れを取らないように一生懸命頑張りたいと思います。まだ見たことがない自分に出会える予感がしています。

-ドラマや映画など、映像作品でも活躍している葵さんですが、ここ数年は、1年に1本のペースでコンスタントに舞台作品に臨んでいますね。葵さんにとって舞台に出演することの魅力はどこに感じていますか。

 やはり一つの作品にかけられる時間が長く、同じシーンや同じ物語を何度も繰り返し演じることで深まっていく感覚を味わえるのが魅力です。ステージに立っている間は、“どこから見られていてもその役じゃなきゃいけない”感覚があるので、映像でのお芝居とはまた違った、まるで細い糸を渡っているような緊張感があります。一種の修行的な思いもあって(笑)、すごく勉強になります。それから、お客さんとのコミュニケーションが取れているという実感を得られることも舞台の良さだと思います。それは映像でのお芝居でも大事になってくる感覚だと思うので、舞台に出演することでどちらも高め合うことができます。毎年できているのはすごくうれしいです。

-映像作品で演じる役柄は、身近で理解しやすい役が多いと思いますが、舞台作品になると日本人ですらない場合も多いと思います。役柄的にも演技の幅を広げることに役に立っているのでは?

 そう思います。テレビや映画では身近な役が多く、実体験を基にお芝居をすることも多いですが、自分とはかけ離れた役を演じる上では、想像力で埋めていかなければならない部分があります。そういう意味では、想像力も鍛えられると思います。私は昔から本を読むのが大好きで、ファンタジーや異国の話を読んで想像にふけっていたので、(舞台では)それを体現できるのも楽しいです。

-改めて公演への意気込みを。

 初めて参加させていただくストレートプレーです。他の何に頼ることもなく、キャストたちの会話で物語が進展していって、その会話の中で欲望や愛情、それからそれらが過剰になり過ぎてしまったために起こる笑いを見せていく舞台になります。これからお稽古を積んで、会話から世界がより広がり、この時代の背景にも触れていただけるような作品になればと思っておりますので、ぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです。

(取材・文・写真/嶋田真己)

舞台「冬のライオン」

 舞台「冬のライオン」は、2月26日~3月15日に、都内・東京芸術劇場 プレイハウスで上演。
公式サイト https://www.thelioninwinter.jp

 

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