【インタビュー】舞台「マシーン日記」大倉孝二「ユーモアは僕の第一優先事項」

2021年1月22日 / 08:00

 シアターコクーン芸術監督の松尾スズキが、話題のクリエーターたちを指名し、自身の過去の作品を新演出でよみがえらせるシリーズ、COCOON PRODUCTION 2021「マシーン日記」が、2月3日から上演される。本作は、松尾が1996年に書き下ろし、自身の演出で何度も上演しているが、今回は演出に映像ディレクターの大根仁を指名。関ジャニ∞の横山裕が主演し、大倉孝二、森川葵、秋山菜津子が共演する。今回は、アキトシ役を演じる大倉に、作品への意気込みや仕事への姿勢について聞いた。

アキトシ役の大倉孝二

-「マシーン日記」は、これまで何度も上演されていますが、過去の作品はご覧になりましたか。

 出演が決まってからDVDで見させていただきました。出ると決まってから見たので、やっぱり俯瞰(ふかん)しては見られず、役者さんの芝居について、「この人すごいなあ」「よくこんなことを思いつくなあ」と思いながら見ていました。

-大倉さんが演じるアキトシの弟・ミチオを演じる横山裕さんの印象を教えてください。

 横山くんとはビジュアル撮影と取材のときに話したのですが、動物的にいろいろなものを測ろうとしている印象を受けました。「この人はどういう人なんだろう?」「どういう考え方をしているんだろう?」と。その人の本質を見極めているというか…。直感タイプなところが僕と近いなと思いました。きっと、お芝居に対してもそうなのではないかと思います。「マシーン日記」がどういう作品なのか、そもそも演劇とは何なのか…と考えながら、飛び込めるタイミングを狙っているのではないかと勝手に予想しています。これから稽古が始まるので、楽しみです。

-演出家の大根仁さんとタッグを組むのも初めてですが、どのような気持ちで挑みたいですか。

 「取りあえずやってみること」を意識したいです。「これをやりたい!」「こういう芝居をしたい!」と考えるのではなく、まず、やってみることを大切にしたいな、と。作品はみんなで作り上げるものですし、いい悪いの判断は大根さんに委ねながら作品を作っていきたいです。

-「取りあえずやってみること」を、演じる上で大切にしているんですね。

 だんだんと、そういう考えになってきました。経験を積む中で「こういうふうにやりたいと思ってできることではない」と感じて、そう思うようになりました。もちろん、今でも「こういう芝居をしたい」という気持ちはあります。ですが、そのときに何かをやろうと思ってもできるわけではなくて…。舞台に立っている時間も、ずっと続いている人生の一部でしかないことを実感してきたんだと思います。常に全力でいることしかやれることはないし、熱意だけは落とさないようにしたいです。

-どれもつながっていて、演じている瞬間も大倉さんの人生の延長線上にある感覚なんですね。

 そうです。だから「無理しているなあ」と思います。だって、思ってもいないのに、怒ったり、笑ったり、泣いたりしないといけないじゃないですか。呼吸しているように演じられる人もいるけど、僕は毎日無理しています(笑)。松尾さんのように、演じるだけではなく演出をすることもあるのですが、書いて、演出して、演じて…と、それぞれ頭を使う部分が違うので、全部やっている松尾さんは本当にすごいなと思っています。

-「無理しているなあ」と思いながらも続けられるのは、なぜなのでしょうか。

 お芝居の現場で打ちひしがれたことは、お芝居の現場でしか回収できないと思っているからでしょうか。もちろん大変なときもあるし、「向いていない」「やめたい」と感じることもありますが、「次はそんな自分の気持ちを回収できるように頑張ろう」と思えるから続けられています。それに、面白いものを作っている現場にいるときは、演じる、演じないとは関係なく、その空間にいられる喜びもあります。「ここで面白いものが創作されて、世に出るんだ」とわくわくしますし、その場に参加できていること自体が幸せです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

千葉雄大、「映像の人」「舞台の人」という「垣根をなくしたい」 友近と挑む二人芝居・リーディングドラマ「老害の人」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年4月25日

 内館牧子によるベストセラー小説『老害の人』が、リーディングドラマとして舞台化される。出演者は、友近と千葉雄大の二人だけ。登場人物のすべてを、二人が自在に演じ分ける。  物語の主人公は、小さな玩具屋を大企業に育てた元社長の福太郎。老いてなお … 続きを読む

小手伸也、「映像ではテンションの7割しか出していない」 リミッターを解除して臨む舞台初主演作「コテンペスト」

舞台・ミュージカル2026年4月25日

 小手伸也が舞台初主演を務める「俺もそろそろシェイクスピア シリーズ『コテンペスト』」が、6月27日から上演される。公演に先立ち、小手が取材に応じ、本作への思いを語った。  本作は、シェイクスピアの最後の作品「テンペスト」の設定を現代に置き … 続きを読む

【映画コラム】4月後半公開の映画から『人はなぜラブレターを書くのか』『今日からぼくが村の映画館』『ソング・サング・ブルー』

映画2026年4月24日

『人はなぜラブレターを書くのか』(4月17日公開)  2024年、千葉県香取市で定食屋を営む寺田ナズナ(綾瀬はるか)は、ある青年に宛てて手紙を書く。  24年前、当時17歳だったナズナ(當真あみ)は、いつも同じ電車で見かける高校生の富久信介 … 続きを読む

小林虎之介「名前と同じ『虎』の字が入った役名に、ご縁を感じています」連続テレビ小説初出演で、主人公の幼なじみを好演中【連続テレビ小説「風、薫る」インタビュー】

ドラマ2026年4月23日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「風、薫る」。田中ひかるの著書『明治のナイチンゲール 大関和物語』を原案に、明治時代、当時まだ知られていなかった看護の世界に飛び込んだ一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)という2人のナースの冒険物語 … 続きを読む

浦井健治が演じる童磨がついに本格参戦!「童磨を本当に愛し抜いて演じられたら」舞台「鬼滅の刃」其ノ陸 柱稽古・無限城 突入【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年4月23日

 舞台「鬼滅の刃」其ノ陸 柱稽古・無限城 突入が6月13日から上演される。原作漫画「鬼滅の刃」はコミックスの全世界累計発行部数が2億2000万部を突破。その大人気作品の舞台化で、シリーズ6作目となる本作では、柱稽古、そして無限城の戦いを描く … 続きを読む

page top