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1月15日からWOWOWプライムで放送開始となるWOWOWオリジナルドラマ「ペンションメッツァ」(全6話)は、自然豊かな別荘地にあるペンションの主人テンコと、そこを訪れる客たちの交流を、温かなユーモアとのんびりとしたムードに包んで描いたドラマ。テンコを演じるのは、『かもめ食堂』(05)、「コートダジュールN゚10」(17)など、自然体の演技が独特の魅力を放つ小林聡美。毎回の多彩なゲストとの共演も見どころとなる本作の舞台裏を聞いた。
日常では、やらなければいけないことも多く、時間に追い立てられたりするのは仕方のないことかもしれません。でも、ちょっと目線を変えたり、見方を変えたりするだけで、目の前には緑があって、風が吹いていて、鳥が鳴いていて…。そういうことに気付くきっかけになる風景がいっぱいあるドラマだと思うんです。見てくれる方が、そういうふうに自分自身を緩めてあげられるような時間になればいいな…と思っています。
世界中で、人と距離を詰めるのが難しくなっている今、あんなふうに面と向かって、じっくり話をするのは現実的ではないかもしれません。でも逆に、このドラマを通して、そういう豊かな時間を一緒に体験していただけたらいいですよね。
人をさりげなく迎え入れてあげられるところです。私は、人が家に来るとなったら「どうしよう…? これでいいの…?」と、おどおどしちゃいますけど、テンコさんは「いつ来ても大丈夫」といった感じで、初めて会ったお客さんにも安心感を与えて、いろんなことを話し合える。そういう“人間力”みたいなものは、すごいな…と。
自分なりに暮らしは楽しんでいますけど、私はあんなに面倒見が良くないですし、部屋を整頓して、丁寧に食事を作って…みたいなことも全然。テンコさんとの共通点といったら、一人でいる、という境遇ぐらいで(笑)。
私も子どもの頃に、お母さん女優として人気のあった方が、「私、おみそ汁なんか作ったことないわ」と言っているのを聞いて、「ええーっ!」と、すごいショックを受けたことがあります(笑)。きっと、そういうことなんでしょうね。
あれは私もびっくりしました。「長く撮っているけど、使うところは一部だけなんだろうな…」と思っていたのに、あんなに長く使われるとは(笑)。ただ、演じる上では「テンコさんだったらこう食べる」みたいな細かい分析をしたわけではないんです。それまでテンコという役をやってきたので、無意識に役として食べるようになっただけで。それが、あんな感じなんだろうな…と。
一人で気楽においしいものをたっぷり味わって「うれしいな」というときもあれば、「これ、誰かと一緒に食べられたらうれしいのにな」と思うときもありますよね。そんなふうに、常に一人で食べるご飯が楽しいわけじゃないですけど、一人で食べている人たちに、「一人で食べるのも、まんざら悪いものじゃないな」って寄り添うようなシーンになっていたらいいですね。
去年の夏、長野で半月ぐらいかけて撮影したんですけど、スケジュール的にはすごくタイトだったんです。その日の芝居を終えたらすぐ、次の日のせりふを覚える…みたいな状況で。頭がパンパンで、同じ分量の仕事を東京でやっていたら、ものすごいストレスで病んでいただろうな…と思ったぐらいです。でも、あの場所には、いるだけで自然と癒やされる雰囲気があったんですよね。おかげで、物理的には大変でしたが、気持ち的には安心して仕事することができました。
役所(広司)さんが第1話のゲストなんですけど、撮影は一番最後だったんです。そうしたら、それまでは座って話をするようなシーンが多かったのに、役所さんがいらっしゃった途端、急に派手なアクションシーンになって。「これ、こういうドラマだったっけ?」と思うぐらい、テストのときから全開で走り回ってくださって、すごく楽しかったです(笑)。
あれも「これは大丈夫?」と思ったんですけど、松本(佳奈)監督のセンスを信頼して。照れたりして変に中途半端になると、せっかくのシーンが台無しですから、振り切ってやりました(笑)。でも、監督も面白がってくださったみたいで、笑っていたので「よかったな…」と。
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