エンターテインメント・ウェブマガジン
今や正月の風物詩となった箱根駅伝が、金栗四三(中村勘九郎)の発案でついに誕生。そんな四三の活動を見守るのが、恩師の一人でもある可児徳だ。嘉納治五郎(役所広司)を支え、日本のオリンピック参加に尽力したほどの人物でありながら、本作ではしばしば損な役回りを引き受ける人間味あふれるキャラクターとして描かれている。ユーモアたっぷりに可児を演じる古舘寛治が、役に込めた思いや「憧れの俳優」と語る役所広司との共演のエピソードなどを語ってくれた。
とても共感しやすいです。組織の中で働き、時には愚痴を言ったり、酒を飲んで憂さ晴らしをしたり…。僕や視聴者の皆さんと一緒で、ごく普通の社会人として描かれているので、全面的に共感してしまいます。おかげで、楽しく演じることができます。
永井さんとのやりとりは、可児の見せ場でもあります。宮藤官九郎さんが書かれた面白い脚本を、どれだけ面白く表現できるか。僕にとってはそこが勝負。できるだけいい芝居にしたいので、哲太さんと入念にせりふ合わせをして撮影に臨んでいます。
俳優は見てくださる方がいて初めて完結する仕事なので、「面白い」と言っていただけるのは、とてもうれしいです。僕もSNSをやっていますが、そういう感想は、演じる上でものすごく力になります。
俳優は一つ一つの場面をきちんと演じることが大事で、そういう変化を意識する必要はないのでは…というのが僕の考えです。大切なのは、「その役が何を欲して、どこへ向かっているのか」ということ。その意識さえきちんと持っていれば、どんなことをしてもその役でいることができます。それが可児の場合、よりよい体育教育を目指す、嘉納治五郎の理想のために尽くす、といったことになります。それさえ押さえておけば、たとえタイツを履いて踊っていても、可児でいることはできますから。宮藤さんの脚本も素晴らしいので、僕はそこに書かれていることをきちんと演じることだけを心掛けています。
宮藤さんの脚本は、一つ一つの場面が説明的でなく、とても面白く書かれているのが特徴です。同じようなシーンでも、せりふや細部に気を配って書かれていると、面白さは段違い。一見、気付きにくいところですが、簡単にできることではありません。それによって、芝居の良し悪しが変わってきますし、実力以上の芝居が生まれることもあります。ストーリー展開や全体の構成はもちろんですが、宮藤さんの脚本はその点がとても優れていると感じます。
大河ドラマでこんなに長い間一緒にいられるなんて、自分はどれほど幸運なのか…と(笑)。実は、僕にとって役所さんは、中学生の頃から憧れの俳優でした。初めて役所さんを知ったのは、大河ドラマ「徳川家康」(83)。織田信長を演じる当時20代の役所さんの姿に、ものすごい衝撃を受けました。他の俳優とは明らかに違う存在感があって…。それ以来、日本の俳優の中で最も憧れてきた方です。そういう意味で、僕にとっての役所さんは、まさに可児徳にとっての嘉納治五郎。嘉納先生を尊敬し、その下で働く可児の姿には、役所さんに対する僕の気持ちがそのまま表れています(笑)。
もちろんしました。この作品の前にも『キツツキと雨』(11)という映画でご一緒したことがあるので。そのおかげか、僕のことをかわいがってくれます。ありがたいですね(笑)。実は僕は、役所さんのなじみのすし屋で働いていたこともあるんです。その話をしたら、「今度一緒に」と誘ってくれたので、楽しみにしています(笑)。
ドラマ2024年4月27日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。4月21日に放送された第十六回「華の影」では、藤原道隆(井浦新)率いる藤原一族の隆盛と都に疫病がまん延する様子、その中での主人公まひろ(吉高由里子)と藤原道長(柄本佑)の再会が描かれた。 この … 続きを読む
ドラマ2024年4月26日
宮藤官九郎が企画・監督・脚本を手掛けたドラマ「季節のない街」が、毎週金曜深夜24時42分からテレ東系で放送中だ。本作は、山本周五郎の同名小説をベースに、舞台となる“街”を12年前に起きた災害を経て建てられた仮設住宅のある“街”へと置き換え … 続きを読む
映画2024年4月26日
『悪は存在しない』(4月26日公開) 自然豊かな高原に位置する長野県水挽町は、東京からもそう遠くないため移住者が増加し、緩やかに発展している。代々その地に暮らす巧(大美賀均)は、娘の花(西川玲)と共に自然のサイクルに合わせたつつましい生活 … 続きを読む
イベント2024年4月25日
埼玉県所沢市の「ところざわサクラタウン」内「角川武蔵野ミュージアム」3Fの EJアニメミュージアムで、半世紀を超える「仮面ライダー」の魅力と歴史を紹介する展覧会『THE 仮面ライダー展』が開催中だ。その埼玉スペシャルアンバサダーを務めるの … 続きを読む
ドラマ2024年4月25日
NHKで好評放送中の連続テレビ小説「虎に翼」。明律大学女子部を卒業した主人公・猪爪寅子(伊藤沙莉)は、同級生たちと共に法学部へ進学。男子学生と一緒に法律を学び始めた。そんな寅子の前に現れたのが、同級生の花岡悟だ。これから寅子と関わっていく … 続きを読む